MIYOSHIN海外ニュース

世界の役立つ情報をわかりやすくお伝えします。

政治経済

ロシアのガス抜きで欧州はやっていけるか

独露ガスパイプライプロジェクトの凍結 ロシアのドネツク共和国独立省に音の動きを受け、欧米はロシアに対する第一次の制裁を行う事を決断しました。 その中で注目すべきはロシアとドイツを直接結ぶ新規天然ガスパイプライン「ノルドストリームII」の認可作…

プーチン大統領の打った奇策に西側はどう対応するか

想定外の手を打ったプーチン大統領 プーチン大統領は昨日テレビを通して演説を行い、ドネツクとルガンスクの2つの共和国の独立を認める事を発表しました。 ミンスク合意においては、現状維持を約束していたロシアですが、この合意を破った事になります。 も…

フランス初の女性大統領誕生なるか

保守派女性候補の参戦 フランスは今年の4月に大統領選挙があります。 現職のマクロン大統領はそれまでの「右派共和党VS左派社会党」という構図に「私は右でも左でもない」と殴り込みをかけた事で知られていますが、現在のところ大統領レースではトップを走っ…

トルコで野党団結固まる

2023年はトルコにとって選挙の年 ここのところ欧米のメディアはウクライナの話題で持ちきりです。 皆争い事が好きなんですね。 メディアもビジネスですからどうしても視聴率が取れるとか読者の目を引く方に流れます。 国内問題から国民の目をそらしたい各国…

アフリカの時代ついに到来か

アフリカに関する多くの誤解 アフリカは日本人にとって遠い大陸ですが、最近その将来性に注目が集まっています。 先日、恥ずかしながらアフリカの大きさが日本の80倍あるという事を知って驚きました。 これは米国(日本の25倍)、中国(23倍)、EU27か国(11…

中国のグランドデザインを描く知恵袋

中国の戦略を担う男 中国が経済開放路線に舵を切って以来、その成長には目覚ましいものがあります。この成長戦略を描いたのは誰でしょうか。 その中心人物として注目される人物が存在します。 それは現在、七人しかいない政治局常任委員の一人である王滬寧氏…

予想通りなかったロシアのウクライナ侵攻

大騒ぎした米英 ここ数週間というもの、欧米のメディア特にアングロサクソン系のニュースは、ロシアがウクライナを明日にでも侵攻するかの様に書き立てました。(日本のメディアもこれにかなり引きずられていました。) バイデン 大統領は何回も記者会見を開…

フィンランド化って何?

フィンランド航空の思い出 フィンランドといえば、白夜の国、サウナというイメージがありますが、訪れた方はあまり多くないと思います。 筆者は冷戦時代この国を頻繁に訪れました。(主にトランジットですが) 欧州諸国を訪れるには、ロシアの上空を飛ぶのが…

英誌Economist岸田首相の新資本主義を斬る

「新しい資本主義」とは何か 岸田政権は支持率の面では上場の滑り出しを示しています。 「国民の声に耳を傾ける政治」というキャッチフレーズが評価されている模様で、野党もソフト路線の首相を攻めあぐねている様です。 しかし、彼が提唱する「新しい資本主…

トルコとイスラエル突然の雪解けの背景

中東での地殻変動 ウクライナの情勢は緊迫度を高めている様ですが、これは米国のインド太平洋地域へのシフト、即ち主敵である中国への対応が影響している様に思われます。 米国が世界の警察官としての旗を降ろせば、世界の至る所に権力の空白状態が生まれま…

評判の悪いドイツ外交は本当に間違っているのか

ドイツ外交に厳しい批判 ドイツの外交政策は西側の同盟国から最近良く批判を受けます。 筆者の以前のブログでもこの点に触れました。 www.miyoshin.co.jp その批判は軍事費がNATOにおける支出目標に達していないとか、中国やロシアに対する姿勢が手ぬるいと…

「ビッグマック指数」が物語る日本の購買力の低下

Economistが生み出したビッグマック指数 ビッグマック指数というものをお聞きになった事があるかと思います。 この指数は​​Wikipediaによれば、次の様に解説されています。 「イギリスの経済専門誌『エコノミスト』によって1986年9月に考案されて以来、同誌…

ナザルバエフ氏のカザフ化政策に待ったをかけたプーチン氏

カザフ騒乱の真の原因は カザフスタンの騒乱はロシア軍の派遣をきっかけに、政権側が力で反政府派を鎮圧し、一件落着となりました。 結果として前大統領のナザルバエフ氏一派の力が弱まり、現職のトカエフ大統領がその地位を固めました。 ナザルバエフ大統領…

韓国大統領選が重要な理由を米誌に寄稿した韓国系学者

国際情勢を左右する大統領選 韓国大統領選挙が目前に迫って来ました。 お隣の韓国と我が国との関係は現在お世辞にも良いとは言えません。 しかし、重要な隣国です。 誰が大統領になるかによって、アジアの情勢も大きく変わる可能性がありますので、大統領選…

ウクライナをめぐる大国の思惑

ロシアに厳しい批判 欧米のメディアを見ると、多くの新聞(特にアングロサクソン系)はロシアに対する強硬論に傾いています。 そんな論調の記事から今日は米紙ウォールストリートジャーナル(WSJ)の社説をご紹介したいと思います。 「Deterrence Message to …

ウクライナ紛争の背景にガス供給をめぐる米露の対立が

ロシアに依存する欧州エネルギー市場 ウクライナ紛争を欧州はどの様に捉えているのでしょうか。 昨日はドイツを取り上げましたが、今日は仏紙Les Echosを取り上げましょう。 同紙は「Comment l'Europe peut desserrer l'étau du gaz russe」(欧州はロシアの…

ドイツは信頼すべき同盟国ではないとの米紙報道

米独間の不協和音 ウクライナ紛争は今やどこの国でもトップニュースの一つとして取り上げられていますが、米紙ウォールストリートジャーナル(WSJ)に衝撃的なタイトルの記事を見つけました。 そのタイトルは「Is Germany a Reliable American Ally? Nein」…

プーチン氏を大胆にさせる米独中の特殊事情

プーチン氏の計算 ウクライナに滞在するアメリカ人は即刻退避する様にとの勧告が発表されました。 ウクライナをめぐる緊張はかなり高まっている様です。 今回の仕掛け人はプーチン大統領ですが、百戦錬磨の彼は今回の事件においてどの様な勝算を立てているの…

ウクライナへの軍事援助は役に立つのか

ウクライナをめぐる米露の睨み合い ロシアとウクライナの紛争は今も続いています。 プーチン大統領は本気で米国に譲歩を迫っている様で、ロシアが米国に要求している内容もウクライナをNATOに加盟させない事と明確です。 米国は金融制裁をちらつかせて、ロシ…

カザフ騒乱が中央アジア諸国に与えた影響

ロシアの介入が与えたインパクト カザフスタンの騒乱は収束しましたが、その詳細は未だ明らかになっていません。 ロシア政府との連携により事態収拾を図ったトカエフ大統領ですが、この事件は中央アジアの他の国々にも強烈なインパクトを与えた様です。 この…

カザフスタン暴動の真相とは

プーチン大統領の即断 市民デモから始まったカザフスタンの暴動事件は、カザフスタン政府の要請に答えたロシア政府が即座に空挺部隊を現地に派遣しました。 暴動は鎮圧された様です。 燃料高騰をきっかけに始まった今回の事件の真相は何だったのか。 この点…

三分の一の大使が依然空席な米国

大使を決められない米国 バイデン 大統領は就任後一年が経ちましたが、未だに多くの大使が派遣されない異常事態となっています。 日本は漸く新しい大使が上院で承認されましたが、多くの国で大使は以前空席です。 それが小国かと思ったらそうではありません…

内戦が生じる理由

アメリカの政治学者の分析 新年早々、カザフスタンでは全国にデモが広がり、政府はロシアの軍隊を導入してまで、鎮静化を図っています。 今年も幾つかの国で紛争が生じ、中には内戦に発展するケースもあるでしょう。 米国の政治学者バーバラ・ウォルターの著…

ウクライナ問題について米誌に寄稿したロシア大使

悪玉ロシアの言い分 ロシアは最近ウクライナとの紛争で槍玉に上がっています。 日本のメディアでも、「ロシアはウクライナの民主化の動きに反対し、10万人もの軍隊をウクライナとの国境に派遣し、圧力をかけている。米国とNATO加盟国はこの状況を憂慮し、ウ…

プーチン大統領が築き上げた筋肉質のロシア

悪役のロシア大統領 プーチン大統領は欧米メディアにおいては、明らかに悪役です。 ただし、どこの国のメディアにも何らかのバイアスがかかっていますので、彼を客観的に評価する努力は必要だと思います。 プーチン氏が冷血漢である事は間違いなさそうですが…

ミャンマーに元を使わせようとする中国

最後のフロンティアの暗転 ミャンマーは一時東南アジアに残された最後のフロンティアと言われて、日本企業が大挙して押しかけた有望市場でした。 そんなに昔の話ではありません。 長く軍政が続いたミャンマーに政治革命が訪れたのが2011年ですから、つい10年…

中国が内心嫌がる民主主義サミット

初めてのサミット バイデン大統領が主宰する「民主主義サミット」は国内外で賛否両論が渦巻いています。 そもそもどの国を招待するかという点で、かなり疑問が生じていることは確かな様です。 バイデン大統領のお膝元米国では、この催しはどの様に評価されて…

米露を天秤にかけるインドのしたたかさ

簡単には転ばないインド 中国とインドは国境紛争をきっかけに関係が悪化し、インドは米国との安全保障上の取り組みクワッドに参加する決断を行ました。 印中の関係悪化を機と見て、米国がインドを取り込んだ格好ですが、インドはもともと非同盟を掲げて、冷…

米国は常に民主主義のモデルになりうるか

欧米の間に吹く隙間風 欧州は米国にとって最も重要なパートナーです。 この関係は、冷戦時代に旧ソ連の脅威に協力して対抗し、ベルリンの壁を崩壊させた事によって最高潮に達しました。 しかし、最近の関係はかなりギクシャクしています。 トランプ時代には…

米国よりはるかに目標達成度が高いロシアの中東政策

米露の大きな違い 中国の台頭で多少色褪せたとは言え、ロシアは未だに西側諸国にとっては悪役であり、安全保障面では大きな脅威として語られます。 しかし、こと中東に関して言えば、米国がこの地域で行ってきた政策が本当に正しかったのかは大きな疑問があ…