MIYOSHIN海外ニュース

世界の役立つ情報をわかりやすくお伝えします。

欧州

原子力と天然ガスをグリーンなエネルギーに分類したEUの舞台裏

EUが下した注目すべき判断 地球温暖化対策において、世界をリードしているのはEUである事は衆目の一致するところです。 EUで決められたカーボンニュートラルの到達目標は世界各国に大きな影響を与えました。 そんなEUが先日注目すべき決定を下しました。 そ…

ウクライナ問題について米誌に寄稿したロシア大使

悪玉ロシアの言い分 ロシアは最近ウクライナとの紛争で槍玉に上がっています。 日本のメディアでも、「ロシアはウクライナの民主化の動きに反対し、10万人もの軍隊をウクライナとの国境に派遣し、圧力をかけている。米国とNATO加盟国はこの状況を憂慮し、ウ…

欧州で猛威を振るうオミクロン(英国からの報告)

急速に拡大したオミクロン感染 オミクロンの感染はあっと言う間に欧州各国に広がっている様です。 ついこの間まで猛威をふるったデルタ株の感染が下り坂になる中、入れ替わる形でオミクロンが拡がっています。 気になるのはワクチン接種率が世界で最も高いと…

オミクロンに対する欧州の対応

二転三転した水際対策 先月、日本の新型コロナ感染者が急速に減少した頃、政府も水際対策の緩和に動きました。 隔離期間は最低3日間に短縮されました。 しかしそこで新たな難問が登場しました。 新しい変異株オミクロンです。 感染力がデルタよりも高いと言…

米国は常に民主主義のモデルになりうるか

欧米の間に吹く隙間風 欧州は米国にとって最も重要なパートナーです。 この関係は、冷戦時代に旧ソ連の脅威に協力して対抗し、ベルリンの壁を崩壊させた事によって最高潮に達しました。 しかし、最近の関係はかなりギクシャクしています。 トランプ時代には…

オミクロン変異株の出現が教えてくれた事

国境封鎖に走る先進国 オミクロン変異株の発生を受け、我が国やイスラエルなどは当面外国人の入国を禁ずる措置を講じました。 ウイルスはある確率で突然変異を繰り返します。 世界にウイルスが存在する限り、変異株は新たに生まれる可能性があります。 この…

新変異株オミクロンにどう対処するか

新変異株の出現 南アフリカで新たな変異株が発見され、オミクロンと命名されました。 この変異株に関する研究結果は未だにどの政府も入手していませんが、欧州を初めとして多くの国(我が国を含む)が南アフリカからの渡航を禁止しました。 この様な素早い決…

欧州で再燃するコロナ感染から学ぶ事

コロナ感染拡大の理由は何か 新型コロナ感染は未だに収まりません。 欧州では冬の到来とともに感染が再拡大し、ドイツを筆頭に多くの感染者と死者を出しています。 ワクチンの接種率も高く、医療システムも完備している欧州で感染拡大が進む理由は何か、効果…

ドイツ新政権アメリカの核配備に反対か

連立政権近々誕生 ドイツの連立政権樹立に向けての交渉は、早ければ12月初めに社会民主党、自由民主党、緑の党が合意に達すると見られています。 ドイツはNATOのメンバーであり、アメリカの核弾頭が国内に配備されていますが、ドイツの新政権はひょっとする…

内燃機関の終焉は来るのか

激論続くCOP26 現在、グラスゴーで行われているCOP26では、各国の利害が衝突する激しい議論が行われています。 それは気候変動が各国の産業に甚大な影響を及ぼすからです。 中でも重要なのは電気自動車をめぐる論議です。 そんな中、30カ国、6つの自動車メ…

ドイツの経済発展を支えたトルコ系移民が抱える問題

ドイツに住む3百万人ものトルコ系移民 トルコ系移民がドイツに多い事はご存知の通りですが、これは第二次世界大戦直後、高度経済成長期にあった西ドイツが大量の未熟練労働者をトルコから呼び寄せた事に起因しています。 その多くはドイツに定着し、三世代…

サマータイムは必要か

サマータイムが引き起こす悲喜劇 サマータイムという制度は我が国には導入されていませんが、長く欧州やトルコに住んだ私にとっては頭痛の種でした。 夏時間や冬時間に切り替わる日というのは要注意です。 始業時間に遅れて上司に怒られるなんてのはいい方で…

EUは拡大できるか - イスラムを受け入れられるか

拡大を続けてきたEUの歴史 EUの前身である欧州経済共同体(EEC)は1957年に設立されましたが、その時の加盟国はわずか6カ国でした。 現在EUの加盟国は27カ国に膨れ上がっています。 EUは旧共産圏諸国を巻き込んで東方拡大してきましたが、これは今後どこまで…

ボルボを活性化させた中国企業の経営手腕

グローバル企業を輩出するスウェーデン スウェーデンは欧州の中では、ドイツやフランスなどに比べれば小国ですが、ビジネスの世界では存在感を発揮しています。 家具のチェーンIKEAやアパレルの巨人H&Mは世界に冠たる存在ですし、音楽ストリーミングのSporti…

原発をテコに地球温暖化目標を達成する欧州

ガス価格高騰の中、原子力を売り込む仏政府 日本の総裁選では、あまり突っ込んだ議論が行われませんでしたが、地球温高対策とそれに関連するエネルギー政策は、日本の将来を決めかねない重要な政策です。 この問題にEUがどう対処しようとしているのか、その…

次期首相有力候補ショルツ氏はドイツをどう変えるか

首相に最短距離のショルツ氏 ドイツの総選挙の結果はご存知の通り、メルケル首相が所属するキリスト教民主同盟(中道右派)が大きく議席を減らし、代わってオラフ ショルツ氏が率いる社会民主党(中道左派)が第一党に躍り出ました。 両党の議席の差は僅かで…

メルケル首相が残した宿題 -ドイツが抱える問題 

与党破れる ドイツで総選挙が行われました。 この選挙は16年間にわたって首相を務めたメルケル首相が引退を表明した後だけに注目を集めました。 結果はメルケル首相が所属する与党キリスト教民主同盟が大きく得票率を減らし、代わりに社会民主党(SPD, 中道…

欧米間の亀裂を深めた豪州潜水艦商談

フランス大使召還 昨日取り上げたオーストラリアのフランスとの潜水艦建造契約の破棄は両国間のみならず米仏関係にも大きな傷跡を残した様です。 フランスは米豪両国から大使を引き上げました。 バイデン氏は同盟国、特に欧州との関係修復に力を入れると言わ…

電力価格の暴騰に苦しむ欧州

将来のエネルギーミックスに関する説明責任 日本では総裁選が盛り上がりを見せています。 今日、野田聖子幹事長代行が出馬を表明し、これで4名の候補者が少なくとも参加する事となります。 総裁選の中で、原発をどうするかという問題は重要な争点として注目…

中国の台頭に対応策に窮するEU

増す中国の存在感 先進国では経済活動がコロナ以前の水準に戻りつつある様です。 欧州も例外ではありません。 しかし、コロナ前とコロナ後を比べれば、中国の存在感が増している様です。 この点について仏紙Les Echosが「Le grand bond des exportations chi…

コロナがもたらすもの-大都市における変化

コロナ前に戻るか ワクチン接種の広がりとともに、世界経済は回復途上にあります。 しかし世界の主要都市では、経済活動が元に戻っていません。 テレワークの普及により、都市から流出した人々は元に戻ってこないのでしょうか。 この点に関して、英誌Economi…

マクロン大統領の米国依存に関する批判は正しいのか

米国依存に警鐘を唱える仏大統領 アフガニスタンからの米国のあっという間の撤退は、同盟国に動揺を広げました。 特に中東やアフリカの親米国は肝を冷やしたに違いありません。 米国が20年の歳月と膨大な資金、兵力を投入し、国づくりに注力したアフガニスタ…

アフガニスタンに播かれた民主主義の種

欧州から見たカブール陥落 カブールの陥落に関するバイデン 政権の責任について、トランプ前大統領は「米外交史における最大の恥」とまでこき下ろしていますが、同盟国の欧州の反応はどうなっているのでしょうか。 仏紙Les Echosが「L'échec afghan, une ter…

欧州で進む健康パスの導入

マクロン大統領が推進する健康パス フランスのマクロン大統領は7月12日のテレビ演説で、医療および介護従事者へのワクチン接種の義務化と、施設などに入る際に提示が義務づけられる健康パス(ワクチン接種や抗体検査の証明)の適用拡大を発表しました。 フラ…

地球温暖化対策にセーフティネットが必要か

EU地球温暖化プログラムの発表 EUが驚くべき地球温暖化対策を発表してから数日後、ドイツを大規模な洪水が襲いました。 まるで地球温暖化の行く末を占う様な大洪水は、死者数百名を数える未曾有の水害となりました。 もはや地球を致命的な天災から救うのには…

メルケル首相の意外な側面

メルケル首相に対する賛否両論 ドイツのメルケル首相は今年首相としての任期を終える予定です。 何と16年も首相として君臨した彼女は、G7サミットでも、最長の任期を誇るリーダーでした。 彼女はドイツのリーダーであるばかりでなく、EUの顔でもあり、過去…

景気回復する世界経済が抱える断層線

専門家の予想を覆す景気上昇 新型コロナの感染が始まった頃、多くの専門家はリーマンショック級の経済恐慌が起きると予言しました。 しかし、実際は全く逆で、米国では、好景気が訪れ、失業率は低下し、株価は史上最高値を更新しました。(日本ではあまり景気…

G7に関する各国報道の違い

各国メディアの相違点が浮き彫りに 開催中のG7に関する各国の報道を見ていると、同じ題材を扱ってもかなり論調が異なる事がわかります。 昨日、G7では中国の「一帯一路」(新しいシルクロード)政策に対抗して、発展途上国向けの支援策が協議されましたが…

フランスから見た今回のG7サミット

欧州の視点 今夜から英国でG7サミットが開かれる予定です。 バイデン大統領も初の外遊でこのサミットに参加します。 このサミットについては、日本のメディアでもしばしば取り上げられており、ワクチン、東京オリンピック、中国問題などが取り上げられると報…

EUが導入する国境炭素税の功罪

国境炭素税とは何 EUが気候変動対策が十分でない国からの輸入品に対して国境炭素税と呼ばれる税金を課す事を検討している様です。 これが導入されれば、例えばロシアがEUにアルミニウムや鉄鋼製品を輸出しようとすると、ロシアは巨額の税金を払うことになり…