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コロナウイルスがあぶり出すもの(3)

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ニューヨークでは市民半数以上に感染の怖れ

日本は緩い

新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるっています。トルコ航空も遂に日本向けのフライトを運休する事を発表し、3月25日夜の最終便で日本に一時帰国しました。帰国してから受けた印象は、「日本はなんと緩いんだー。」です。欧米の主要都市が都市封鎖に踏み切っている中、日本だけが飲食店から百貨店まで開店している。週末の上野公園はお花見を楽しむ人で溢れていたとか、世界の常識ではありえないです。多少緩いトルコでも空港では一人一人念入りに体温検査やっていますが、成田空港ではイスタンブールからの搭乗客はフリーパスで入国できました。個人的にはらくちんでしたが、これで本当に良いのでしょうか。その上、昨日米国から入国の搭乗客を検疫のミスで何のチェックもせずに入国させた様で、信じられない緊張感の無さです。このまま何もしないと欧州で起きた事が繰り返されます。自粛疲れが見え始めた時期ですが、イタリアやスペインで起きた事は人ごとではありません。目の前にOver Shooting(加速度的に患者数が増える現象)が迫っていると認識すべきと思います。

 

米国の悪夢

今朝の朝刊に依れば、米国の患者数が世界一になった様です。患者数が世界一になったという事は間違いなくこれから死者数も増えていきます。米国はその上特殊な事情があります。ご存知の方も多いと思いますが、米国は国民皆保険を適用していません。民間の保険会社の健康保険に加入して、病気になったらその保険を利用して医療費を払うというシステムになっています。これが何を意味するかというと、経済的な理由から保険に入れず、病気になっても医療費が払えないので、病院に行けない人がいるという事です。未加入の人は人口全体の15%、4千万人に上ると言われています。米国は医療訴訟が多いので、これが医療コストに跳ね返り、医療費が世界で最も高いと言われている国です。ご存知の通り、コロナウイルスが重症化すると人工呼吸器がなければ終わりです。米国でコロナウイルスが蔓延すれば、低所得者や不法移民が病院で適切な治療を受けられずに、ばたばたと死んでいく事が予想されます。

 

大統領選への影響

「えー、米国の様な先進国で健康保険が受けられない人がいるの。」と驚かれるかも知れませんが、これが事実です。この健康保険問題はは大統領選でも重要争点の一つです。オバマ大統領は「オバマケア」という健康保険制度を公約に掲げて当選し、任期中にこの制度を実現させました。

しかしオバマ大統領の遺産(レガシー)をことごとく否定するトランプ大統領はこのオバマケアも闇に葬ってしまいました。トランプ大統領はまさかコロナウイルスがこれほど蔓延するとは思ってなかったと思いますが、このまま行けば保険制度の不備を起因として膨大な死者が出る事になりかねず、肝を冷やしていると思います。中国産のウイルスが、米国で最大の患者を産み、経済を崩壊させ、結果的に大統領選の勝敗も左右する事になりかねないのです。

トランプは大統領就任時のダウ平均株価19,827ドル(2017年1月)を最近29,551ドル(2020年2月)まで5割も上昇させ、実質失業率をほぼゼロにして、今年11月の大統領選での勝利を確信していたと思います。ところが中国産のウイルスが今や米国の経済を踏みにじり、大統領再選のシナリオが大きく揺らいでいます。トランプが「中国ウイルス」と呼びたい気持ちはわかります。次回は米国と中国の関係について書きたいと思います。

                                      以上

 

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