欧州内での協力
連日コロナウイルス に関する暗い話題が続きますが、欧州で明るいニュースを耳にしましたので、お伝えします。以前のブログ(https://www.miyoshin.co.jp/entry/2020/03/25/005428 )で、EU の南北問題、即ちイタリア、スペイン等南欧諸国とドイツを中心とした北部の国との亀裂がコロナの問題をきっかけに広がる可能性があるとお伝えしましたが、ドイツはフランス、イタリアの患者を飛行機やヘリコプターを使って自国の病院に緊急搬送し始めた様です(昨日のEuronews)。ご存知の通り、ドイツでも感染者が増加していますが、南欧の国に比べれば圧倒的に死亡率が低いのが特徴です。その理由は、下記が挙げられます。
- 早期に検査を行っている。
- 医療システムが南欧に比べればしっかりしている。
- 比較的若年層に感染者が多い。
ドイツの英断
医療崩壊したフランス、イタリアへ今回ドイツが救いの手を差し伸べた点は特筆すべきと思います。同じ欧州と言っても経済力、社会インフラが国によって大きな差があるんですよね。圧倒的に優れた社会インフラを持ち、国民の規律が高いドイツは今回のコロナウイルス に対しても素晴らしいパーフォーマンスを見せました。でも他の国にしてみると、「ドイツはいいよな。お前ら一番稼いでいるし、医療器具も薬も沢山買える余裕があるもんな。」と思っていたはずです。そんなドイツが今回他国の患者を招き入れたという事は、さすが横綱相撲、良くやったと称賛すべき事と思います。
コロナボンドを巡る対立
但し、ドイツが手放しで称賛されている訳ではありません。今回のコロナ騒動は間違いなく各国の経済に大きな爪痕を残します。失業者は膨れ上がり、ロックダウンが長期間継続しますので、今後倒産件数もリーマンショック以上になる事が確実視されています。当然国民に対する補償をどうするかという問題が避けられないのですが、この問題を解決するために、現在「コロナボンド」というボンドをEU加盟国共同で発行しようという話が持ち上がっています。イタリア、スペインは財政的に余裕がないので、ドイツなど余裕のある国の力を借りて資金調達しようという訳です。このコロナボンドに対してドイツやオランダが猛反対している様です。ドイツにしてみれば、「経済破綻しそうな南欧の国のために何故俺たちが手助けしてやらなくてはならないんだ。自分で責任持って解決しろ。」という事なんでしょうが、本当にそれでいいのでしょうか。
強すぎるドイツの問題
私は長い間欧州を観てきました。フランスとイギリスに住んだ事もありますが、EUはドイツが経済的に牛耳っています。EU設立当初は各国にそれぞれメーカーがいたのですが、現在はそういうメーカーさんはドイツのメーカーとの競争に敗れ、傘下に入るか廃業して行きました。ドイツはそうやって欧州という米国に匹敵する大きな市場を手に入れた訳です。英国が今回EUを離れましたが、とどのつまりはドイツがコントロールするEUに居たくなかったという事だと思います。ドイツはEUの最大の受益者として、今回のコロナウイルス の危機に対しても、一定の代償を払いEUの結束を守ることが、結果的に自国の利益にもなるのではないでしょうか。
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