アフリカと中国の関係
今日はアフリカと中国の関係についてお伝えします。アフリカは日本からずいぶん遠いので、情報が入ってきません。日本の新聞でもアフリカに関する記事はほとんど目にしませんので、読者の方もイメージが沸きにくいと思います。そもそもアフリカにどのくらい人が住んでいるかご存知ですか。何と13億人も住んでいるんですよ。世界の人口が76億人ですから六人に一人はアフリカに住んでいる勘定になります。EUの全体の人口が5億人程度ですので、アフリカの大きさがわかります。
広州でアフリカ系住民に対する差別行為
以前のブログで、中国がこのアフリカ市場に強い関心を持ち、入り込んでいる事をお伝えしましたが、面白いニュースが飛び込んできました。アフリカは日本にとっては遠い国ですが、以前植民地ににしていた英国やフランスにとっては身近な存在で、彼らはしばしばアフリカの話題を取り上げます。フランスのテレビ局France 24に依れば、「先週、広州に滞在するアフリカ人が住んでいるアパートからひきずり出され、レストランに入ることも拒否され、夜は路上で寝る事を余儀なくされた。中国地方政府はコロナウイルス の拡散を防止するためにこの処置をとったと説明しているが、アフリカ諸国は人種差別だとして中国政府に抗議しており、この事件はアフリカ諸国と中国の間の外交問題に発展した。」と伝えています、
マクドナルド入店お断り
一方、BBCはマクドナルドが広州の店でアフリカ人を入店させなかった事を認め、謝罪したと伝えています。「広州に住むアフリカ系住民の間にコロナウイルスが感染したとの噂がSMSで流された後、数百人のアフリカ系住民がホテルやアパートから引きずり出された。現地の中国人とアフリカ系住民の間の緊張が高まっている。」と報道しています。広州は中国とアフリカ諸国のビジネスの中心地であり、多くのアフリカ系住民が居住している町です。
英仏の中国に対する嫌悪
これらのニュースを読むと、英仏両国の中国に対する警戒感が窺えます。アフリカは人口が多いだけでなく、地下資源が豊富で、今後の新しい市場として注目を集めています。中国ももちろん資源確保、輸出市場拡大という観点からアフリカに積極的にアプローチしてきました。英米はアフリカに元植民地を多く抱えていますので、中国が自分の裏庭に土足でズカズカ上がり込んできたと感じているのでしょう。中国は現在火消しに躍起のようですが、対応を誤ると、アフリカから一斉にそっぽを向かれるリスクがあると思います。アフリカの人は差別されるという事を一番嫌がりますので、マクドナルドの様に、「黒人は入店禁止」などと書いた張り紙をしたらアウトです。アフリカ全土でマクドナルドに対するボイコットが起きても不思議ではありません。
欧州に不良品売りつけ
中国は武漢の封鎖を解き、いち早くコロナウイルス に打ち勝った国とのイメージを打ち出し、欧州各国に医療物資の販売を始めましたが、ここでも大きなミスを犯しました。BBCが伝えるところによると、オランダ、スペイン、トルコの各国政府は中国から調達したマスク、検査キットなどが不良品だったと表明しています。こんな事をやると火事場泥棒というレッテルを貼られかねません。中国が世界から尊敬される国になりたいのであれば、こんなやり方は許されませんよね。今回の様な世界規模の危機に対して各国がどの様に対応するかコロナウイルスは国の本性をあぶり出しています。