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トルコに関する真っ赤な嘘

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 トルコに関する誤解

イスタンブールに駐在2回合計10年間住みました。普通のサラリーマンでこんなに長くトルコに住んだ人間も少ないと思います。そんなに長くトルコにいて飽きませんかとよく聞かれますが、今のところ飽きませんね。一方、日本人の間でトルコに関する誤解が多いのには驚きます。誰か真っ赤な嘘を積極的に広めているのではと思うほどです。トルコのファンとしてこういう誤解を一つ一つ解いて行きたいとおもいます。

トルコの位置

トルコに関する誤解で先ず最初に挙げられるのは、その地理的な位置です。中東のど真ん中にある様な印象を持たれている方が多いです。中にはイスタンブールに着くなり、「砂漠はどこにあるのか。ラクダを見せてくれ。」なんていうお客さんもいます。これは極端な例としても、多くの日本人はトルコを中東のドバイあたりとごっちゃにしています。「イスタンブールは緯度からいうと、日本のどの辺りに位置すると思いますか。」という問いに対して、ほとんどの方が九州とか四国と回答されます。中には沖縄とかいう方がいらっしゃいますが、正解は青森です、イスタンブールにはボスポラス海峡というヨーロッパとアジアを隔てる海峡がある事はご存知と思いますが、イスタンブールでは冬雪が降り、津軽海峡冬景色ならぬイスタンブール冬景色になると伝えると、皆さんびっくりされます。

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昔住んでいた家からの雪景色

「とんでイスタンブール」のとんでもない嘘

でもイスタンブールに砂漠があると信じられるのも無理はありません。この真っ赤な嘘の犯人は「とんでイスタンブール」という歌なのです。年配の方は良くご存知のこのポップソングはエキゾチックなメロディーで一世を風靡しましたが、何と「砂漠でシュール」という歌詞が出てくるんです。何がシュールか良く分かりませんが、この歌を作詞した方はイスタンブールに行った事が絶対ない事は保証します。皆さんイスタンブールで砂漠を探しても絶対見つかりませんので、期待しないで下さい。またイスタンブールを訪問するベストシーズンは夏ですよ。冬は日本と同じかそれ以上に暗くて寒いです。私は一回目の駐在では自宅にエアコンがありませんでした。エアコンがなくてもしのげるほど、湿度が低いのです。日本の熱帯夜とは全く違います。

ロンドンとドバイどちらが近い

トルコの位置に関して全く正しい理解がされていないので、「イスタンブールを基点としてドバイとロンドンどちらが近いでしょうか。」なんて質問すると日本人のほとんどはそんな簡単な質問するなという顔をして、ドバイと答えられます。これ正解はロンドンなんです。イスタンブールはアジア大陸とヨーロッパ大陸に跨がる都市ですので、当然ヨーロッパに近く、ローマなどは飛行機で2時間弱で到着します。ドバイは4時間以上かかります。

トルコは欧州或いは中東?

最近は正しく理解されている方が増えてきましたが、トルコ人とアラブ人の区別がつかない方も多いですね。中東の大半の国ではアラブ系の人が住んでいますが、トルコ人はアラブ系ではありません。日本人やモンゴル人と同じウラルアルタイ語族に属します。中東にはトルコ以外にもアラブ人ではない人種が住んでいる国があります。そうそれはペルシャ人が住むイランです。ペルシャ人はアーリア系と言われています。以前商社に勤めていた頃に、イスタンブール支店が欧州グループから中東グループに社内で所属が変更になった際、支店のトルコ人スタッフは大むくれでした。彼らトルコ人からしてみると自分たちを中東のアラブ人と一緒にしてくれるなという意識が強かったのだと思います。日本政府の区分けでは、トルコは中東に入っていますが、欧米はトルコを中東ではなく、欧州グループに位置付けています。ワールドカップの予選グループもトルコはアジアではなく、欧州グループで戦っています。彼らがアジア予選に出てきたら、間違いなく出場枠の一つを取られてしまうでしょうね。

トルコの意外な国力

トルコの国力を過小評価する日本人ビジネスマンの方も多いですね。以前商社に務めていましたが、国際事情に通じている筈の商社マンでさえ、「トルコの国民総生産(GDP)は世界で何番目でしょう。」と問うと、中には50番程度でしょうなどという人もいました。実際は19位です。そもそもトルコはG20のメンバー国です。20番以内にいるのが当たり前だと思いますが、世間知らずの商社マンがいるんですよね。日本の皆さんに馴染みの深いタイが26位ですので、トルコはタイを1.5倍程度大きくした国と思って頂ければ良いと思います。

百聞は一見に如かず

これほど日本人から誤解を受けているトルコですが、大変な親日国です。日本人と言っただけで、優しくしてくれるトルコ人も少なくありません。コロナウイルス がひと段落ついたら、私の言葉を信じてトルコに遊びに行って下さい。本当は7月からトルコ航空に加えて全日空がイスタンブールに直行便を飛ばす予定だったのですが、延期になるかな??? でもチャンスがあれば是非お勧めします。くどい様ですが砂漠はありませんのので、誤解のなき様。

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