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金正恩が雲隠れした理由は?

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金正恩の重体説

コロナウイルスの影に隠れて、北朝鮮の指導者金正恩のの健康状態に関するニュースがあまり大きく取り上げられていませんが、本来であればトップニュースとして伝えられても良いほど重要性が高いと思います。長い沈黙の後、今日北朝鮮の通信社の報道に久しぶりに金正恩が登場しました。それまで、各国マスコミやネット上では金正恩の重体説や中には死亡説まで飛び交いました。私はこれらを注意深く見ていたのですが、もし金正恩が健在であるとするなら(おそらくそうでしょうが)、トランプ大統領と韓国当局が一番真実に近い発言を行っていたと言えます。最初にアメリカのテレビ局CNNが金正恩の重体説を流した際に、トランプ大統領は「 Fake Newsだ。」と一蹴しています。最近は「そのうち、彼の状態については分かるだろう。今はコメントできない。」と発言しています。恐らく大統領は金正恩の健康状態に関して、確たる情報を得ていたのではないかと思います。世界の指導者の中で最もアクセスが難しいとされる金正恩には側近の北朝鮮幹部たちも容易には近づけないとされており、各国ともその動向を把握するのに苦労していた様です。

BBCの後継者予想

英国のBBCは4月28日に特集を組んでいます。BBCは金正恩の重体説はただの噂かもしれないがと前置きしながら、彼の後継者候補について解説を行っています。先ず候補に挙げたのが、実妹の金与正で、彼女は祖父の金日成から面々と連なる白頭血統を有しており、これは北朝鮮においてはリーダーの最重要条件だとされます。白頭血統とは金日成が抗日運動を始めた白頭山に由来する金一族の血統を指す言葉で、北朝鮮では幼い時から国民はこの白頭山にまつわる話をすりこまれるそうです。金与正氏は血統の面では条件を満たしていますが、北朝鮮は極端な男系社会ですので、彼女が軍を掌握する事は難しいそうです。BBCは他にも何人か候補を挙げていますが、白頭血統を有していない後継候補として最有力なのが、崔竜海で、彼は国務委員会の第一副委員長で実質北朝鮮のNo.2と目される人です。金与正氏は血統は良いが、男性優位社会という壁を乗り越えなければならない一方、崔竜海など金一族以外の候補者は最重要の血統の問題があるという事で、なかなか決め手が見つからないというのがBBCの報道でした。

雲隠れの目的は?

しかし、何故金正恩はこれだけ長い期間雲隠れしていたのでしょう。私は次の様に推測しています。

  1. 米国は最近イランの革命防衛隊のトップを殺害しています。金正恩にしてみると、明日は我が身かと内心穏やかではありません。米国や隣国韓国或いは中国のスパイが多数北朝鮮には潜入していると思われますので、彼らの諜報能力を確認すると共に、できればスパイ網をあぶり出したかった。
  2. 北朝鮮政府内部にも自分を陥れようとする勢力があると思われ、彼らをあぶり出したかった。

ここ数日、政権幹部の動向は詳細にチェックされていたと思われます。これまで数多くの幹部を粛清してきた独裁者金正恩は、少年時代スイスに留学していますが、当時の校長から「勤勉で野心的な生徒」と評価された人物です。用意周到に今回の雲隠れを準備していたものと推測されます。過去数日感に変な動きをした幹部達は、金正恩の健在の報を受け、背筋の凍る思いをしているものと思われます。一方、金正恩はアメリカ政府特にトランプ大統領の発言も詳細にモニターしていたと思われます。トランプ大統領は重体説を即座に否定しましたが、どこまで詳細を知っているかについては報道陣を煙に巻いています。大統領側も金正恩に尻尾を掴ませない様に計算された発言を行ったものと思われます。トランプ大統領は自分の情報網を危険に陥れることを避けつつ、金正恩に「お前の動向は把握しているよ。」というメッセージを伝えたかったのだと思います。これはある程度成功したのではないかと思います。

北朝鮮の重要性

日本にとって北朝鮮の動向は極めて重要です。彼らの核兵器は十分日本を狙い打つ事が可能ですので、安全保障の観点から目を離してはいけない国です。拉致された人々を救出する意味でも、彼らの動向に常に注意を払う必要があります。また、もし北朝鮮で内乱が勃発したりすれば、多くの難民が日本に押し寄せる可能性があります。難民を本格的に受け入れた事のない日本はそうなれば、シリアやイラクの難民を大量に受け入れたトルコの苦しみを同じ様に味わう事になるのです。

 

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