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コロナの後に何が起こるかー東京一極集中に変化

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風が吹けば桶屋が儲かる

トルコの新聞見てると、ヘーゼルナッツの輸出が今年4月末までの統計で昨年比5割増加したとの報道がありました。ご存知かと思いますが、ヘーゼルナッツはトルコが世界最大の生産者です。コロナウイルスとヘーゼルナッツの因果関係はよくわかりませんが、「風が吹けば桶屋がもうかる。」ということわざがある様に、物事には意図しない結果が生じる事がよくあります。

東京一極集中

日本でもずいぶん昔から東京一極集中を是正しようとの試みが何度か行われてきましたが、笛ふけど踊らずで状況が改善されるどころか、一極集中は益々進み、田舎は若者を都会に吸い取られて老人しか住まない廃墟と化しつつあります。私も久しぶりに故郷に帰ってみると、頭の中に残像として残る昔の活気が一切感じられない街がそこにあるのに驚く事しばしばでした。古くは田中角栄が日本列島改造論を唱えて、新幹線や国道をどんどん作って、地方に資金をばらまき、地域活性化を図ってきたのですが、現実は政治家の思う通りにはならなかったのです。ただ今回のコロナウイルスはこの地方分散を一気に実現させかねない力を持っています。

ドイツは何故感染被害が少ないのか

欧州は今回のコロナで最も被害を被った地域ですが、その中でドイツだけが他の主要国に比べて被害が少ない事ご存知と思います。その理由としては、ドイツの医療インフラの優越性や積極的にPCR検査を行ったドイツ政府の施策が挙げられますが、私はもう一つあると思っています。それはドイツがフランスや英国の様に首都に人口が集中していない事です。ドイツは歴史的に小さな国の連合体ですので、今も地方政府が力を有しており、中央集権のフランスとは違います。今回のコロナの伝染経路を見ていると、やはり人の出入りが激しいロンドン、パリといった国際都市で急速に感染が広がっています。ドイツの都市人口ベスト10をご参考までにお伝えします。因みにドイツ全体の人口は8280万人でこれは欧州最大です。(単位:万人)

  1. ベルリン 361
  2. ハンブルグ    183
  3. ミュンヘン   145
  4. ケルン  108
  5. フランクフルト  74
  6. シュツットガルト63
  7. デュッセルドルフ  61
  8. ドルトムント   58
  9. エッセン   58
  10. ライプチヒ 58

おいおい本当かという感じですよね。100万人を超える都市が4つしかないんです。日本は12都市が100万人を超えています。日本からの国際線が乗り入れするドイツ金融の中心地フランクフルトは何と74万人しかいないんです。

パリ、ロンドンへの集中

これに比べて他の欧州都市はどうかというと。

パリ   1,221万人

ロンドン 898万人

圧倒的にパリ、ロンドンに人口が集中しているんです。フランスなど国全体の人口が6,200万人ですから、五人に一人がパリに住んでいるわけです。これだけ人口密度が高いと感染も進みます。ドイツは逆に人口分散してるから比較的安全なんですね。人口が集中していないという事は、地価が安いという事にも繋がります。従いドイツ人は他の国に比べてより広い家に住んでいると言われています、これも伝染病の感染を防ぐ意味で効果があったでしょう。

通勤地獄におさらば

コロナはこれまで田中角栄始め多くの政治家が物凄いお金と時間を投じて実現を図ろうとしてきた地域分散を、一切お金を掛けずに実現しようとしています。リモートワーキンギに慣れた東京のサラリーマンは、もう通勤地獄を経験したくないでしょうし、実際問題として、多くの仕事は都心に社員を集めて行う必要がない事が判明しました。ITリテラシーが欠如したいわゆる「働かないおじさん」は抵抗するでしょうが、頭の良い経営者はコロナ後の厳しい環境を乗り越えるためにも、固定費である都心のオフィスコスト削減に大鉈を振るう筈です。となると多くのサラリーマンがリモートワークをごく普通に行う時代が近いうちに訪れると思います。でもこの流れを定着させるためには、もう少し努力が必要と思います。

東京に負けない魅力的な地方を作れるか

若い人が何故東京に来たがるかというと、文化の中心であるからなんて事じゃないんですよね。やはり儲かりそうな仕事があるからなんです。今後コロナの影響で東京への一極集中の勢いは一旦弱まるかも知れませんが、地方が東京に勝るとも劣らぬ就業の機会を提供しないと、また若者は東京に戻って行ってしまいます。そういう観点で地方都市の奮起が求められます。京都は頑張ってますね。京都という街は京セラ、村田製作所、オムロン、ロームなど結構尖った技術を売りに世界市場でも異色を放つ企業が少なくありません。以前、京都に本社を持つ会社に「何故、京都を離れないのか」と聞いた処、優秀な学生が関西圏にいるからとの答えが返って来ました。大学が京都経済圏を支えているんですね。地方創生を進める上では、コロナの力を借りれる今が絶好のチャンスだと思いますが、それを根付かせるためには、東京に集中した大学をある程度地方に分散させる必要があるかと思います。

 

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