MIYOSHIN海外ニュース

世界の役立つ情報をわかりやすくお伝えします。

コロナの後に何が起こるかーフランスの子育て支援策

f:id:MIYOSHIN:20200509153145j:plain

英国のライバル、フランスの特徴

昨日は英国について書きましたが、今日はその永遠のライバル、フランスについて書きたいと思います。

フランスは英国と色々な意味で対照的です。

  1. 食事がうまい。(英国の食事は動物の餌程度に思っている。)
  2. 制服が嫌い。
  3. 退屈なのがきらい。(ラグビーのプレースタイルなども対照的です。)
  4. 植民地を沢山持っていたが、最後は母国で死にたいと思っている。(英国民は植民地に骨を埋めても良いと思っている。)
  5. 規則をあまり守らない。
  6. バカンスのために働いている。

フランスは自由

フランスは自由を最も尊ぶ国です。唯一存在するルールは人に迷惑をかけない事。このルールさえ守れば何をやってもいいのがフランスです。過去にパリの新聞社がイスラム教の始祖ムハメットを侮辱したとして、イスラム系テロリストに襲われましたが、言論に何のタブーもありません。神様だろうが大統領だろうが侮辱しても合法な国です。オランド前大統領は女性関係の噂が絶えず、大変な女たらしとしていつも風刺漫画に記載されていました。しかし政治家には人格よりもリーダーとしての実績を求めるのがフランスの社会です。以前ミッテラン大統領が愛人と食事をしている事を記者に咎められた際に、大統領が「Et alors(それが?)」と回答し、そのまま雲散霧消となってしまいました。日本じゃ安倍総理が愛人を作ったら大変な事になりますよね、規則をあまり守らないのも特徴で、以前深夜のパリで赤信号を前に待っていたら、信号を無視して渡っていったおじさんがこちらを振り返って「こいつ馬鹿じゃないか」といった表情をしたのが忘れられません。彼らにとってみれば「信号は人間のためにあるんだ。車が通っていないのに何故待つ必要あるんだ」という事なんですね。ともかく自由、個人本位ですからパリに芸術家が多く集まるのには理由があります。

ユニークな子育て支援策

コロナはフランスでも多くの死者を出しました。多くの老人が亡くなられたと伝えられています。フランスも他の欧州諸国と同じく、少子高齢化に悩まされています。しかし少子高齢化への対策で、一番成功しているのはフランスなんです。フランスはご存知の通り、旧植民地からの移民が多い国です。前回ワールドカップでフランスは2回目の優勝を遂げましたが、そのメンバーを見ると、生粋のフランス人は殆どいません。アフリカからの移民の子孫がメンバーになっているんですね。移民は経済に活力を与える一方、様々な社会問題も引き起こしています。そこでフランスは思い切った子育て奨励策をとりました。シラク 三原則というものがそれですが、その狙いは何と「フランス語を話す人間を増やす。」というものなんです。フランスは自国の文化に相当な誇りを持っており、その文化を維持するには言葉が大事であり、フランス語を話す人間を増やす必要があるとの結論に至った様です。シラク さんは日本通の大統領として有名ですが、彼の名前がついた3原則とは下記の通りです。

  1. 子供を持つ事により新たな経済的負担を生じさせない。
  2. 無料の保育所を完備する。
  3. 育児休暇から3年後に女性が職場復帰する際に、その3年間ずっと職場に居たとみなして、会社は処遇しなければならない。

無料の保育所を完備するというのも凄いですが、3番目はびっくりですね。要するに育児休暇を取る前の勤務評価をそのまま3年後も適用すると言っている訳で、これで女性は職場での昇進や昇級に遅れが出るのではとの不安から開放される訳です。日本の企業で3年も休めば、昇格には当然影響出ますし、ボーナスも下がります。いやーこれは本当に子供は社会の宝だと思わなければ出来ない政策だと思います。フランス政府は上記の三原則を婚外子(結婚していないカップルからの子供)にも適用しましたので、一気に出生率が上がりました。今や婚外子の方が多いそうで、この位思い切った決断をしないと、子供増えないんですね。

日本の将来

現在団塊の世代300万人が毎年引退し、それに対して新しい労働人口は100万人しか増えません。恐ろしいスピードで労働人口が失われています。移民という選択肢もありますが、欧州で移民が抱える問題を考えれば、不用意に移民を増やすのは得策とは思えません。子供を社会の宝として皆でサポートしていかなければ、日本の将来は無いと思っています。

 

↓ 日本ブログ文化村ランキングに参加しています。応援ポチお願いします。

にほんブログ村 ニュースブログへ
にほんブログ村