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米国における暴動の本質

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米国における暴動の拡がり

米国の暴動は50州に広がりました。日本のマスコミの報道を見ると、「トランプ大統領の発言が人種間の対立を刺激、各州で大きなデモ、暴動を引き起こした。黒人を中心としたマイノリティーの怒りが爆発するのは致し方ない。」というトーンのものが殆どです。

確かに大統領は「略奪の始まりは銃撃の始まりだ。」とのひどいツイッターを行いましたが、テレビ映像を見る限り、暴徒たちは、店舗に押し入り、商品を盗み、警察車両に放火しています。

平和的なデモを行っている方もいますが、一方で明らかな犯罪行為を行っている暴徒たちがいる事も事実です。

米国の心ある人たちは、この暴動をどう見ているんだろうと思い、米国の新聞をいくつかあたった処、ウォールストリートジャーナルが社説でこの問題に触れていました。かいつまんで内容をご紹介します。

  •  多くの都市で見られた暴力は、歴史上稀に見る激しさであった。この激しさは、事件に対する暴力として、正当化できるレベルではない
  • 暴動を起こした人々は、罪を受けていないばかりか、更に大規模な暴動を計画している。政府が行うべきは、何の罪もない人々の生命と財産を守り、秩序を回復するである。
  • ニューヨーク、フィラデルフィアやセントルイスといった民主党リベラル派系の都市では、暴徒が乱暴狼藉を働くのを当局が容認した。
  • セントルイスでは暴徒の無差別な銃撃により、警官が四人負傷した。店舗が放火略奪にあったが、暴徒たちは組織化されており、路上に寝そべって消防車の到着を意図的に遅らせた。
  • ニューヨークでは5番街のダウンタウンに近い店舗はほとんど襲撃された。ニューヨークの警察官は36.000人もいる筈だが、十分な数の警官が配備されていない。
  • 警察が積極的な警備を行なわない為、とりわけ貧しい地域、マイノリティーが居住している地域に大きな被害が生じている。コロナの感染から立ち直ろうとする彼らに大きな打撃を与えている。
  • これら暴動を容認した都市に共通するのは、民主党の市長や知事に率いられている点である。彼らは、米国が構造的に差別主義であり、暴動はそれに対抗する正当な表現方法であると信じているものと思われる。彼らは暴動を起こしたものに形式的な反対姿勢を見せるが、彼らの違反行為を防止するための行動はとらない。
  • これはリベラルなメディアや知識人たちにも当てはまる。総じて彼らは暴動を社会的不正に対する抗議行動として理解できるとする。しかし彼らは燃え盛る暴動の現場から遠く離れたところに住んでいる。
  • 米国民は平和的に抗議を行う事を認められており、今回のジョージ フロイドさんの事件はその理由に当然なりうる。しかし暴力行為が続く中、善良な米国市民は警察の介入を支持し、安全な生活への復帰を最重要視するだろう

暴動に対するスタンスの違い

私はトランプ大統領の肩を持つわけではありません。

彼が行ったツイッターは、火に油を注いだのではないかと思いますし、今回の彼の行動も11月の大統領選をにらんだ上でのパーフォーマンスと捉える事もできます。

又、ウォールストリートジャーナルは保守系の新聞ですので、多少割り引いて考える必要があると思います。

ただ、民主党も今回のジョージ フロイドさんの事件を政治的に利用しようとしている様に感じます。彼らとしては、こんな事件を起こしたのは、そもそも差別主義のトランプ大統領が悪いんだと言いたいのだと思いますが、政治的効果を最大化するために、暴動を見て見ぬふりをするのはやりすぎの様な気がします。結果として、一番被害を受けるのは、社会の底辺で生きるマイノリティーの人たちです。

この様な民主党の行動が、来る大統領選で、彼らの期待する様な効果が得られるかどうかは疑問です。大半の国民にとってみれば、やはり安全、安心に暮らせる街が最優先事項なのですから。

この度、不幸にも亡くなられたジョージ フロイドさんの弟さんが、お兄さんが亡くなられた場所で、今回の暴動に関して声明を発表されました。

兄の死をきっかけに街を破壊するのはやめよう。街を破壊しても兄は帰ってこない。平和的に抗議を行なおう。

全くその通りだと思います。亡くなられたお兄さんも自分の死がきっかけで、商店が焼き討ちにあったり、人々が負傷したりすることは望んでいないはずです。

 

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