MIYOSHIN海外ニュース

世界の役立つ情報をわかりやすくお伝えします。

SNSの功罪

f:id:MIYOSHIN:20200605142810j:plain

ブログを始めて感じた疑問

ブログを書き始めて、いわゆるSNSというものに本格的に触れる様になりました。

社会に発信していく以上、自分の記事をたくさんの読者の方に読んで頂きたいと思うのは当然です。

ネット上にはインフルエンサーと言われる先達がおられて、ツイッターやブログのフォロワーを、如何に増やしたら良いか熱心に教えておられます。

私も彼らのアドバイスを読んでみたのですが、中には違和感を感じさせるものもありました。

例えば「人は毒のある記事を読みたがるので、炎上する様な記事を書こう。」といったものです。

SNSは広告収入と深く結びついています

読者をたくさん獲得する様なサイトはGoogleなどから高い評価を受け、高い広告収入を得る事ができます。という訳で、PVと呼ばれる読者数を増やすことに、皆躍起になります。

抑制の効いた記事は地味ですので、あまり読者の関心を引きませんし、炎上もしません。読者を獲得する観点から見ると、価値のない記事になってしまう訳です。

というわけで、読者獲得を意識するがあまり、SNS上では物事を誇張し、事実が歪められた記事が拡散する傾向にあります。

特にツイッターはその最たるもので、2−3行の短いメッセージは、舌足らずの内容になりがちで、読み手に誤解を与える危険性が高まります。

世論を作り上げるSNS

SNSが、今や、世論を作り上げる上で非常に重要なツールになったことは確かです。

米国では、トランプ陣営も反トランプ陣営もSNSを駆使して選挙民から支援を得ようとしています。

怖いのは、大衆操作の高度な手法が導入されて、SNSによって国民が操られる危険性です。

SNS上には多くの匿名アカウントがありますが、中にはある政治的なメッセージを大量にリツイートする様に、あらかじめ仕組まれたアカウントもある様です。

また、SNSの主催者側が恣意的にあるメッセージを読者に読ませようとすれば、それも可能であり、お勧め記事として送られてくる記事を不用意に読んでいると、政治的に洗脳されてしまうという事も起こり得ます。

或いは、逆に読ませたくない記事があれば、これに日を当てない様にする事も可能です。

しかもSNSは基本的にチェックが緩いので、Fake News(嘘の情報)も簡単に流れてしまいます。

主催者側はこれらを見つけて削除すると言っていますが、毎日、何十億という情報が流れるのに、その一つ一つの情報をチェックする事は不可能ですし、そもそも主催者側はその情報が真実かどうか判断する能力に欠けています。

世界中のフェイスブックのユーザーは、1日約1時間をフェイスブック上で過ごすそうです。

フェイスブックはユーザーに対して、彼らが開発したアルゴリズムを使って、ユーザー個人個人の政治的傾向に基づいてニュースを配信しているそうです。

例えば、保守派の人には、オバマケアの問題点に関した記事を、そしてリベラルな人には人種差別関係の記事を配信しているそうです。

フェイスブックは、ユーザーを自分のサイト上に、出来るだけ長く留めたいので、この様なニュース配信を行っているわけですが、これは自分と対立する陣営の意見を聞く機会を失わせ、保守リベラルの二極化を拡大しかねないと心配になります。

複数の異なったニュースソースの重要性

私は古いかもしれませんが、大手新聞社、通信社をベースに情報収集しています。

もちろんそういう情報ソースも、リベラル、保守それぞれバイアスがかかっていますが、彼らには社会的信用があります。

彼らが流す情報がうそだと判明すれば、社会的信用に傷がつきます。従い、彼らは社会的責任を感じながら、発信しているはずです。

この姿勢はどこの誰かわからない人(筆者も含めて)よりも信用が置けるというのが私の考えです。

物事は見る角度により形を変えますので、出来るだけ多くの国のニュースに触れる様に心がけています。

悪用の可能性

もし大衆扇動の天才であったヒトラーが今生きていれば、SNSに飛びつくに違いありません。

大衆心理を煽るためにはSNSは最高の手段です。

自分の毒のあるメッセージが、あっという間に大衆に拡散していくのを、彼はほくそ笑んで見る事でしょう。

英国のEU離脱の国民投票の際に、離脱派の作戦を指揮したカミングス氏(現在ジョンソン首相政治顧問)は、誰もが予想しなかった離脱派の勝利を、SNSを駆使して実現させました。

彼は心理学や統計学の高度な手法を駆使して、SNS戦略を練ったと言われています。

一方、外国の介入も怖いですね。

前回の米国大統領選ではロシアの介入が問題となりましたが、世界で最強の権力者を決める選挙に、外国勢力がSNSを使って関与してくる可能性は十分にあります。

民主主義の重要なインフラと信じられたSNSが、政治勢力或いは外国に悪用されて、選挙結果に大きく影響する。これは悪夢ですね。

SNSは個人の意見を広く世界に知らせしめる上で、重要な手段である事は確かですが、一方、SNSの特質そしてその大衆心理を操る危険性というものを良く理解した上で、利用する事が重要だと思います。

 

*気に入って頂ければ、ブックマーク及び読者登録お願いします。