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5Gの本質ー米中の対決は何故

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 5Gに関する根本的な疑問

5Gの運用が始まりました。

鳴り物入りで始まった5Gですが、率直に言って、5Gに関しては、次の様な疑問が湧いてきます。

  1. このサービスは本当に必要なのか
  2. 何故、米国はHuaweiを目の敵にするのか。

5Gは本当に必要か

これまで、通信は急速な進歩を遂げてきました。

3Gでは音楽ダウンロード、4GではYouTubeなどの動画ダウンロードが可能になりました。

それでは5Gでは何が可能になるのでしょうか。これが正直言って良く見えないのです。

専門家に依れば、これまでの通信に比べ、遥かに早く、遅滞なくデータを転送することができる様になる様ですが、これで人々の生活は大きく変わるのでしょうか。

普通の人にとってデータをたくさん使う用途というのは、YouTubeの動画を見るくらいですが、現在の4Gでも十分な解像度で見れますし、DVD一枚が数秒でダウンロードできると言われても、スマホにDVDをダウンロードする機会も必要性も無いのが現実です。

5Gが使われる他の用途としては、遠隔手術とか無人運転の自動車同士が5Gで繋がるとか、はっきり言ってそれがどうしたという内容で、米中両政府が大騒ぎをする理由になる様な代物ではありません。

日本の通信キャリアの方にも、お話をお聞きしましたが、ユーザーにとって、5Gはほとんどメリットが無い上に、キャリアとしても基地局整備に膨大な金がかかるので、本音ではあまりやりたくないそうです。

米国がHuaweiを目の敵にする理由

上記の通り、大したサービスも無い中で、米国政府がHuaweiを目の敵にする理由がこれまで理解できませんでしたが、様々な文献に目を通すことにより、米中対立の本質がおぼろげながらに見えてきましたので、ご紹介したいと思います。

中国の5G通信網整備

国民にこれと言ったメリットが無い中で、膨大なコストを掛けて、5Gネットワークを全国に張り巡らそうとしている国があります。

それは中国です。中国は庭先をニワトリが走り回る様な農家にまで、5Gネットワークを広げようと躍起になっています。それは何故でしょうか。

5Gの技術に関しては、ダウンロードのスピードが注目されがちですが、アップリンク(データをネット上に上げる)のスピードにも注目すべきです。

自分のスマホやパソコンからこれほど大量のデータをアップロードする機会は普通ありません。

でも重要な用途があるのです。それはあなたのパソコンやスマホの全てのデータを、一瞬にして誰かが吸い上げる事です。

監視カメラのデータ処理

もう一つ重要な用途があります。

データの中でも重いのは、動画及び音声データです。

中国は5G通信網を広めるとともに、全国に監視カメラ網を張り巡らせようとしていますが、何十億個に達する監視カメラから得られる動画情報を当局が吸い上げようとすれば、今の4G通信網ではパンクしてしまいます。圧倒的に高速な通信網を必要としている訳です。

中国は国民の一人一人が、誰とどこでどの様な話をしているか、ネット上でどの様なメールを交換しているか、ネット上でどのサイトを訪問し、どんな記事を読んでいるか等、既存の通信網では把握する事が不可能であった膨大なデータを、5Gを使って、完全に手中にしようとしています。

最新のAI技術を駆使すれば、これらの情報から巨大な人脈ツリーを作り上げる事ができ、反政府分子をあぶりだす事も可能になると言われています。

国際的監視網構築の恐れ

中国政府は、この壮大な監視網を中国で作り上げ、更にHuaweiを通じて、その監視網を世界にひろげようとしているのではと疑われています。

もちろん、Huaweiはこれを否定していますが、通信システムにはソフトウェアのアップデートのため、通常バックドアと呼ばれる保守用の秘密のゲートが設けられており、Huawei製品にもそれが存在する様です。このバックドアを通じて、個人の情報にアクセスされる事が危惧されています。

私の家にはAmazonエコーというスマートスピーカーがありますが、彼は私が「アレクサ」と呼び掛ければ、いつでも応答します。という事は、彼は私の会話をいつも聞いているという事です。

スマートスピーカーだけではありません。スマホも呼び掛ければ応答しますし、あなたのご自宅の空気清浄機や自動掃除機などにマイクが仕込まれていれば、あなたの会話は筒抜けになります。

IOT(Internet of Things)の全てがインターネットに繋がる世界では、あなたのプライベートライフは、誰かにさらされる危険性があります。

中国とGAFAの関係

今後、心配されるのは、中国とGAFAの関係でしょう。

もちろん、GAFAはコンプライアンスの概念を持っていると思いますが、それだけに個人情報の漏洩うるさい民主主義国での活動は制約が多く、窮屈な思いをしている筈です。

一方、中国は14億人の膨大な人口と個人情報にうるさくない環境とが相まって、生体情報などビッグデータが入手しやすく、GAFAにとっては大変魅力的なマーケットと思います。

GAFAは今のところ、アップルを除いて、中国市場から締め出された存在です。しかし、フェイスブックのザッカーバーグ氏は、習主席との面談の際に、「自分の娘の名付け親になってほしい。」と懇願したと伝えられています。中国への強い関心がうかがえます。

中国とGAFAが結びついたりする様な事は、容易には起こらないと思いますが、今後の動向に注意が必要と思います。

 

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