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トランプとバイデン どちらが中国にとって都合が良いか

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大統領選の最大の争点ー中国

トランプ大統領とバイデン 氏の間で、大統領選が繰り広げられる事が決まりましたが、最近の世論調査のほとんどで、バイデン 氏がトランプ大統領を大きくリードしているとの結果が出ています。しかし、トランプ大統領もしたたかな政治家ですので、今後、あらゆる手を打ってくると思います。

今回の大統領選の最大の争点の一つが、中国である事は間違いないのですが、その中国は、トランプ、バイデン どちらが勝った方が、都合が良いと思っているのでしょうか。

トランプ大統領は、コロナウイルス 感染が米国で拡がり始めた当初は、中国に対する批判を抑え気味でした。

特に習主席との個人的信頼関係を強調し、「中国はコロナ対策に関し、良い仕事をするだろう。」とまで持ち上げた時期もありました。私は、この時点で、トランプ大統領と習主席の間に、大統領再選に関する密約「握り」があったのではと推測しました。

しかし、その後、コロナ感染が急拡大し、米国が世界最悪の感染国になってからというもの、中国批判はエスカレートし、コロナの事を武漢ウイルスと称して、コロナの責任を中国に転嫁する姿勢を鮮明にしました。

香港の問題についても、トランプ大統領は、「一国二制度は終わった。中国は一国一制度を香港に押し付けようとしている。」と批判しました。この様な中国に対する厳しい批判が出るところを見ると、トランプ大統領と習主席の間の「握り」は、もはや効力を失ったかと思いました。(下記ブログご参照ください。)

  

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中国の米国農産物購入が急増

しかし、最近の動きを見ると、未だ両者の握りは有効かもしれません。

その理由は、最近、中国が米国から大量に農産物を買い付けている様なのです。

もし習主席がトランプ大統領に見切りをつけているのであれば、貿易交渉で呑まされた米国農産品の大量買い付けなど実行する訳はありません。

しかし、ウォールストリートジャーナルの報道によれば、4月の両国間の貿易額は397億ドル(約4兆3千億円)と前月比43%も上昇しました。その多くが米国の農産物の輸出です。

中国側は、トランプ政権の中国に対する厳しい批判にもかかわらず、トランプ政権との貿易合意を守り、米国から輸入を増やしていることになります。

ボルトン前大統領補佐官の暴露

上記の私の推測を裏付ける情報が、今日飛び込んできました。ボルトン前大統領補佐官が、自らの著書の中で、トランプ大統領が、昨年6月の習主席との会談において、自らの再選を後押しするため、米国産の農産物を大量購入する様に依頼した事を暴露したのです。

やはり、トランプ大統領と習主席の秘密の約束は、未だに活きていると思った方が良さそうです。

トランプ大統領は、再選のため、中国を表面上スケープゴートにするが、徹底的に中国を追い込まない、その代わり、経済貿易面では、中国は大幅に譲歩し、トランプ大統領に手柄を立てさせるという様な密約がなされているのではないでしょうか。

トランプ大統領にとって、経済は大統領選の最重要争点です。

この分野だけは、アメリカ国民もバイデン 候補よりトランプ大統領が優れていると評価している様です。

過去の歴史を見ても、経済を悪化させた大統領が、再選を遂げた例はありません。

今回は、コロナ感染という予想外の出来事が生じたため、さすがのトランプ大統領もコロナ前の状態まで経済を回復させる事は無理だと思いますが、これから大統領選に向けて、右肩上がりの経済回復を見せれば、「コロナの影響で大打撃を受けるはずだったが、大統領の手腕でここまでリカバリーした。」とアピールできるはずです。

中国の米国からの輸入拡大は、再選戦略において、トランプを強力に支援することになるのです。

中国はトランプ大統領の方がまし

私は、中国はバイデン 候補よりトランプ大統領が勝った方が、都合が良いと思っているのではと推測します。その理由は二つです。

  1. バイデン は民主党の本流を歩んできた人ですので、人道問題にうるさいはずです。中国政府にとって、一番厄介な香港や台湾、そしてウイグル といった問題に、民主主義、人権という切り口で、手を突っ込んでくる可能性が高いです。トランプ大統領は、そもそも人権などより実利が重要ですので、中国人にしてみれば、組みしやすいでしょう。特に、香港の問題は、習主席にとって、死活的に重要であり、今年の9月に行われる香港の立法会(香港の議会にあたる)選挙の前に、国家安全法を、是が非でも導入したい習主席にしてみれば、金で方がつくトランプ大統領の方が望ましいものと推測します
  2. もう一つは、トランプの外交姿勢です。トランプが「アメリカ  ファースト」で臨んでいるのは、中国だけではありません。自由主義陣営の同盟国にも同じ姿勢で交渉していますので、同盟国がアメリカ(というよりもトランプ大統領)に愛想を尽かす例が続出しています。メルケル首相などはその最たる例です。中国にしてみれば、トランプがいた方が、自由主義陣営が仲間割れしやすく、中国の世界戦略上、好都合の筈です。

トランプ大統領は、再選のために何でもやっている様ですが、それがためにアメリカにとって重要なものを失うのは、残念な事だと思います。バイデン 氏もウクライナ疑惑等叩けばホコリが出てきそうな候補者で、米国も、政治家に関しては、人材難だと思います。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございます。