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コロナはどこから来たのかー動物由来感染症の頻発

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新型コロナは一体どこから来たのでしょうか。動物由来の感染症であることはほぼ間違いありません。

英BBCが「Coronavirus : Fear over rise in animal to human diseases (コロナウイルス:動物由来感染症の増加への恐れ)」と題して、興味深い記事を掲載しましたので、かいつまんでご紹介したいと思います。以下が英BBCの記事要約です。

人間が引き起こした動物由来感染症

国連の専門家は、動物から人間へ移る動物由来感染症(人獣共通感染症)が急速に増加しており、野生動物や環境を保護する行動を起こさなければ、この傾向は継続すると警告しています。

エボラ出血熱、西ナイルウイルス、Sarsも全て動物由来感染症であり、動物から始まり、人に伝播したものです。

しかし、この伝播は自然に起きた訳ではなく、人間が、土地の劣化をもたらし、野生動物の生息圏を脅かし、資源を開発し、気候変動により自然環境を破壊して来た事から引き起こされてきたと、彼らは分析しています。

驚くべき被害の大きさ

19世紀には、少なくとも6つのコロナウイルスの発生がみられました。

コロナウイルスが発生する前20年の間に、動物由来感染症は1,000億ドル(10兆円)もの被害を引き起こしましたが、新型コロナは世界経済に9兆ドル(960兆円)もの損害を与えました。

毎年、中低所得者層を中心に、200万人もの人が、炭素菌、牛結核(牛由来の結核病)、狂犬病などの動物由来感染症で命を落としています。

この中低所得者の人たちは、開発への従事、家畜への高い依存度、野生生物への近接性などが特徴とされます。

肉の消費量の急激な増加

肉の生産量は過去50年でなんと260%も増加しました。

人類は農業を強化し、インフラを拡大し、野生動物の生息スペースを犠牲にして資源を開発しました。

旅行、輸送、食糧のサプライチェーンは、国境や距離を消し去っています。

気候変動は、病原菌の蔓延に貢献しています。

野生動物を脅かし続け、生態系を破壊し続ければ、今後も動物から人間に感染症が伝播することは確実だと国連の担当官は述べます。

我々は、自然環境や生物多様性の保護、持続可能な土地管理に、人類はもっと注意を払う必要があります。

経済発展がもたらす弊害

この記事を読んでいると、人類の経済発展には弊害が伴う物だとつくづく感じます。

確かに、昔の人は肉を今ほど食べていませんでした。

肉食を禁じた江戸幕府は究極のエコ政府だったかも知れません。

同じエネルギーを得るのに、穀物と肉類では必要とする水の量が全く違います。

特に牛の様な大型哺乳類の飼育には莫大な水を必要とします。

200グラムのステーキを食べるのに、灌漑用水として3,200リットルもの水必要だそうです、

人類は、肉を食べるために膨大な水を必要とし、そのために森林を切り開いてダムを作ってきたわけですが、気がついてみると、自然の生態系を破壊し、本来であれば、人間が住むべきでは無い場所にまで、踏み込んでしまったわけです。

ニューヨークや東京のステーキハウスで食べている人は意識していませんが、彼らの食べる肉のために、本来人が立ち入らない様なジャングルの奥地にまで人が入り、開墾したり、ダム工事に従事しているわけですね。

そういう奥地で、今まで人類が遭遇した事のなかったウイルスと人のコンタクトが起きてしまっているものと思います。

この話、解決が非常に難しいですね。

人類は豊かになればなるほど、肉を食べる様になります。

中国が豊かになったために、中国の肉消費量は爆発的に増加したはずですし、今後、インドの様な国が後に続きます。

苦労して豊かになった人たちに肉を食べるなという訳にはいきません。

彼らの胃袋を満たすために、誰かが未踏の地に踏み込んで開墾して行かざるを得ないわけです。

そして動物由来の感染症が新たに発生します。

この問題を解決するためには、大豆などを原料とした人工肉を普及させるという手が有効かも知れません。(しかし、お肉大好きな私には、正直ハードルが高いです。) 

 

最後まで読んで頂き有り難うございました。