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既存の自動車産業を破壊する革命児イーロン マスク

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年内に完全自動運転車完成か

今日の英BBCは、テスラ社イーロン マスク社長が「年内にテスラは完全自動運転車を完成できる」と語ったと伝えました。

あのイーロン マスクの事だから、テスラ社の株価対策だろうと推測される方もおられるかと思いますが、Space X社の業績などを見ても、彼は発言したことを実行に移してきました。

今やテスラ社の時価総額は、トヨタを抜いて自動車メーカーとしては世界一になったのですから、彼の発言を夢物語と簡単に片付けるのは避けた方が良いと思います。

マスク氏は次の様に語っています。

  • 現在、テスラの車はレベル2の自動運転を達成している。
  • これは何か問題が起きた時に、即座に人間に介入を要求するレベルだ。
  • 完全な自動運転車であるレベル5に移行するのに、テスラ社としてはハードウェアの変更は不要だ。ソフトウェアの変更だけで対応できる
  • 技術面での根本的な問題は既にない
  • 細かい問題がたくさんあるが、これは年内に片付くだろう。
  • ロングテールと呼ばれるこれら小さな問題を解消するために、世界各国でのテストが必要となる。

自動運転車普及に尻込みする自動車産業界

これに対してマーケットアナリストのTim Urquhart氏は「典型的なマスクのほらだ。」とマスク氏の見方を一蹴しています。

彼によれば、マスク氏が自らのレベル2の自動運転システムに名付けた「Autopilot」という呼称は誇大広告にあたるし、例えテスラの車が技術的に完全自動運転車のレベルに達したとしても、法制度の整備が整わないと、公道でテスラの完全自動運転車が走ることは許されないとしています。

Urguhart氏の意見は、自動車産業界の意見を代弁している様に思われます。

自動車産業というのは、非常に裾野が広く、日本では最も雇用を創出している産業です。それは製造業だけにとどまりません。

自動車保険を提供している損害保険会社や販売金融に関わる銀行やリース業にまで拡がります。

彼らは一様に完全自動運転車に反対なのです。

と言うのは、完全自動運転車になれば、車は運転を楽しむものではなく、単なる移動の手段になります。

となると、車は所有するものではなく、必要な時にロボットタクシーを呼べば事足りるわけです。車の需要は急減するでしょう。

しかも電気自動車が主流になるでしょうから、内燃機関を得意とする既存自動車メーカーは、ほとんどが生き残れないでしょう。

従い、既存自動車メーカーは、公にはしていませんが、完全自動運転車を簡単には認めない様に、各国当局に働きかけているのものと推測します。

完全自動運転車の開発に積極的な中国

しかし、そんな中で、完全自動運転車に積極的な国があります。それは中国です。

中国は、先進国が上記の事情から完全自動運転車の実現に尻込みする中、積極的に開発を進めている様です。

BBCに依れば、2016年にアップルが10億ドルを投資した中国のDiDi社は2030年までに100万台以上のロボットタクシーを普及させたいと語っています。

この会社日本のソフトバンク社も投資していますが、日本市場にもタクシー配車アプリで参入している会社です。こんな開発もやってたんですね。

完全自動運転車の完成度を高めるには、膨大な数のテストを行い、トライアンドエラーを重ねる必要がありますが、欧米や日本では、国民が公道でのテストを容易には許しません。

中国はいわゆる民主主義国と違い、開発独裁の国ですので、多少事故が起きたとしても、強引に自動運転車のテストを公道で行うことが可能です。

従い、自動運転車の開発では、中国の会社が断然有利な立場にあるのです。

日本はどう対応すべきか

こういう動きに対して、日本の自動車メーカーはどう対応すれば良いのでしょうか。

間違いなく中国の動きに目を光らせていると思いますが、遅かれ早かれ中国勢は開発を成功させます。

その頃、日本勢が参加したところで、遅れは取り戻せません。

そうなれば、自動運転のソフトウェアを握った会社の傘下で、下請けとして働かざるを得なくなります。

自動車産業は日本で最も重要な産業です。これからの行方が注目されます。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございます。