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神秘のピラミッドもコロナには勝てずー閑古鳥がなくエジプト

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苦境に立つエジプト観光業

エジプトといえばピラミッドを連想される方が多いでしょう。

確かにピラミッドは誰もが行ってみたいスポットですが、今年はコロナの感染で閑古鳥が泣いている様です。

エジプトの観光業界の状況に関して英BBCが「Egypt desperate to revive coronavirus - hit tourism industry(コロナショックから必死で再起を図るエジプト」と題して記事を公開しましたので、かいつまんで記事の内容をご紹介したいと思います。

BBCの報道

ピラミッドの神秘は、過去何千年にも亘り世界の人々を虜にしてきました。

しかし、コロナウイルスの拡散は、ピラミッドに関与する数百万の人々の生活を一瞬にして台無しにしました。

7月1日にピラミッドは観光再開となりましたが、訪れるのはわずかなエジプト人だけです。外国人観光客は訪れません

ラクダのガイドを25年やっているAshraf Nasrは、天を仰いで語ります。

「現状は大変厳しい。我々は4ヶ月もの間自宅で過ごさざるを得なかった。ラクダは餌代だけで毎日6ドルも必要なんだ。」

彼は自分の家族を養うため、2頭のラクダを売り払わざるを得ませんでした。

エジプトでは、2015年に政治的混乱や飛行機テロなどで旅行業界は大きな打撃を受けましたが、その後急速に回復してきました。

2019年には1300万人もの外国人旅行客が訪れ、今年は1500万人に達しようかという矢先、コロナの感染が始まりました。

「ついこの間まで、随分忙しかったのに、コロナのせいで全てが変わってしまったわ。」と語るのはツアーガイドのShahenda Adelさんです。彼女は1,000ものツアーをキャンセルされました。「私たちはホテルの予約をキャンセルし、旅行会社の予約も同様にキャンセルしました。そこでの仕事は全て失われました。そして運転手もレストランも同じ運命です。」

エジプトの観光大臣はエジプトに与える損害の大きさを憂えます。

「エジプトは毎月10億ドルを失っている。これからの数週間でさらに大きな損害を受けるだろう。観光業はエジプトのGDP国民総生産の12%以上を占めるのです。」

エジプトは首都カイロに新たな考古学博物館を今年オープンし、ツタンカーメン王の遺物を展示する予定でした。

しかし、コロナの影響で、この博物館のオープンは来年に延期される様です。

エジプトに観光客が戻ってくるのはいつになるのでしょうか。

欧米先進国の客が欲しいがために、ガードを下げる南の国々

うーん、エジプトかなり厳しいですね。

日本でもGo To キャンペーンが近々始まる予定で、感染者が最も多い東京から地方に人が移動することが危惧されています。

同じことが世界で起きようとしています。

感染者が最も多い米国から、多くの旅行者が海外に出かけ、感染を広げる危険性が指摘されているのです。

エジプトなどにとってみれば、米国人旅行者はまさにドル箱であり、彼らの落とす外貨で食べている人が数百万人単位でいます。

「コロナにかかる危険性があるから、今年は来るな。」などとアメリカ人に対しては口が裂けてもいえません。

こういう国が結構多いのが現状です。

私が愛するトルコも同じ状況です。

今年、米国人が無条件で訪問できる国はほんの一握りです。

何とその中にメキシコチュニジアと並んでトルコが入っているのです。(エジプトでさえ、PCRテストに陰性が条件とされている。)

トルコは涙ぐましい努力をして、感染をこれまで食い止めてきました。

8300万人の人口に対して、5000人をわずかに超える死者は、欧州に比べてもかなり良い数字です。

トルコは感染者を抑えるために、厳しいロックダウンも行ってきました。

それだけに、米国人旅行者をこの時期無制限に受け入れるという判断を行った事に、正直驚きました。

EUがトルコへの旅行制限を解除しなかったため、トルコとしては米国人旅行者を受け入れないと、観光業が深刻なダメージを受けるということなのでしょうが、感染者拡大が心配です。

海外に行かれる方は十分な準備を

今夏、海外旅行に行く予定がある方は、再考された法が良いと思います。

どうしても行く必要がある場合は、万一の時の治療機関の確保やサポートしてくれる人の事前チェックなど万全の備えをされた方が良いでしょう。

「いや、大丈夫だ。具合が悪くなれば、フライトスケジュール変更して日本に直ちに帰国するから。」とおっしゃるかもしれませんが、一旦症状が出て、発熱すると飛行機に乗れませんので、この手は残念ながら使えません。

現地の病院に入院せざるを得なくなるのです。

この点、十分ご理解の上、旅の予定を立てられる事をお勧めします。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。