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韓国は米中どちらに付くのか

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中国に忖度し始めた韓国政府

昨日、EUが米中どちらに付くかというテーマでブログを書きましたが、もう一つ今後の去就が注目される国があります。

それは韓国です。

韓国は8月29日、米領グアムで行われた米日韓の防衛大臣会議を欠席しました。

韓国がこの会議を欠席したというニュースは日本では大きく取り上げられませんでしたが、この会議は米国の要請で行われたものですから、それを断ったという事実は米国政府にも衝撃を持って受け止められた筈です。

韓国は米中の対立が深まる中、徐々に中国への配慮が目立つ様になってきたと思います。

少なくとも現在の文在寅(ムンジェイン)政権は、表面上は、米国の同盟国の様なふりをしていますが、内心は中国に傾いていると思います。

北朝鮮に対しての対応も不可解なものがあります。

南北連絡事務所爆破事件が起きてからも、まるで腫れ物に触る様な対応で、強い抗議を行なっていません。

韓国では脱北者(北朝鮮から韓国に亡命してきた人たち)を中心に、北朝鮮との国境線で気球にビラを付けて北朝鮮側に飛ばすという運動を行っていますが、この運動を北朝鮮政府の抗議を受けて、取り締まっている様です。

金正恩政権の厳しい検閲下で暮らす北朝鮮の人たちに、国外の情勢を伝えるこの活動は民主的で、普通なら政府は支援こそすれ、取締るべきものではないと思いますが、何故韓国政府は取り締まっているのでしょうか。

この点に関して、米ウォールストリートジャーナルが「Seoul Cracks Down on Dissent Against North Korea」(韓国政府北朝鮮に対する反政府活動を弾圧)と題して記事を掲載しましたので、かいつまんでご紹介したいと思います。

ウォールストリートジャーナル記事要約

韓国政府は朝鮮半島の人権に対する北朝鮮に次ぐ二番目の脅威になっています。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は7月、北朝鮮の独裁者、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の人道犯罪に抗議する活動家の取り締まりを命じました。

韓国の国家警察は100を超える人権組織に対して政治的動機に基づく捜査を実施し、大統領は言論の自由を違法化する新法を推進しています。 

文氏は、北朝鮮との関係改善に自らのレガシーを賭けていますが、実際のところ、それは北朝鮮の危険な独裁政権にへつらう事を意味しています。

金正恩氏の妹である金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長は6月4日、風船を使用して非武装地帯にビラをまいている韓国人らを非難しました。

彼らを「人間のくず」や「駄犬」と呼び、韓国政府に「この茶番をやめさせる法律の制定」を要求しました。

数時間後、韓国政府はビラ散布活動を禁じる方針を明らかにしました。

警察は活動家の事務所を家宅捜索し、対北関係を統括する統一省は2団体の設立許可を取り消しました。

文大統領の最終的目標は2045年までに南北統一を果たす事ですが、大半の韓国人は文氏のこの取り組みを支持していません。

しかし、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領や金大中(キム・デジュン)元大統領と同じく、同氏はそれを実現する決意です。

これは間違いなく2022年の韓国大統領選の争点の1つになるでしょう。

一方、米国は韓国政府の自由の抑圧に声を上げるべきです。

連邦議会は北朝鮮への無線送信のための資金を増やすべきです。

トランプ大統領は、大半の韓国人が支持している2万9000人の在韓米軍兵士を切り札に活用できます。

反発を受ける可能性の高い駐留費用の負担増額を要求するよりも、「軍隊再配置」の名目で地上軍をさらに撤収すれば、韓国人有権者を自己満足から目覚めさせられる可能性があります。

米国は朝鮮半島の自由、民主主義、平和のために、韓国と北朝鮮の検閲官が強制しようとしている沈黙を破らなければなりません。

韓国が中国陣営に取り込まれる可能性

南北統一の最大の障害は何でしょうか。

それは韓国に展開する駐留米軍です。

もし南北が統一されて、その国が米軍の駐留を許すのであれば、中国は南北統一を決して許さないでしょう。

中国にとってみれば、北朝鮮は扱いにくい相手ですが、米国と安全保障条約を結んでいる韓国との間にある緩衝国として不可欠の存在です。

米軍の基地が現在の北朝鮮にまで広がる事は中国にとって悪夢でしかありません。

南北統一と駐韓米軍は同時には成り立たないのです。

これは米軍をそのまま駐留させた東西ドイツ統合と全く違います。

南北統一を目指す文大統領としては、この問題を解決するには駐韓米軍を撤退させるしか方法がありません。

文氏は、この目標に向かって準備を進めていると思います。

えー、韓国は米軍と安全保障条約を結んで、自由民主主義陣営の一員ではないかとおっしゃる方も多いと思いますが、朝鮮半島の歴史を振り返れば、朝鮮は常に中国の圧力にさらされてきました

中国と朝鮮半島の間には何ら遮るものがありません。中国は何度も朝鮮半島を侵略し、自分の属国として従えてきました。

中国にとってみれば、朝鮮半島に米軍が駐留している現在の状態は、喉元に短刀を突きつけられた状態です。

一刻も早くこの状態を解消しようと韓国に圧力をかけている筈です。

自分の国の運命を決めるのは国民です。

外国人の我々が、韓国の運命についてどうのこうの言うのは差し控えたいと思います。

しかし、もし朝鮮半島に中国に近い統一政権が生まれれば、この地域の安全保障に甚大な影響があります。

朝鮮半島から米軍が撤退すると言う事は、日本は仮想敵国と日本海を隔てて直接向き合うことになりますので、これは一大事です。

韓国が今後どちらへ向かうかを占う上で、重要なのは2022年の大統領選挙です。

もしこの選挙で文大統領が再選される様なことがあれば、韓国は南北統一を実現する動きを加速化するでしょう。

その場合、米軍は韓国から追い出される事になるでしょう。

日米はこれにどう対処すべきでしょうか。

韓国にも言論の自由や個人の人権といった価値観を大事にする人が多いと思いますので、彼らが自由で開放された陣営を選ぶ様な環境づくりをすべきと思います。

その意味では、トランプ大統領の駐留費の増額要求というのは、最悪の手だと思います。

米国が中国を押さえ込もうと考えるなら、韓国の米軍基地は極めて価値が高く、維持する価値があるでしょう。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。