アップルの罠
以前、私がアップル製品に囲まれているという事をお話しした事があります。
確かに、アップル病に罹っていると言っても良いほど、アップル製品を使っています。
いや使わされていると言っても良いでしょう。
アップルは一旦使い始めると、他社の製品に移る事が難しい仕組みを巧妙に組み込んでいます。
例えばあなたがiPhoneを使っていれば、スマホを新しくする時にアンドロイド系に変えるのは相当困難が伴います。
私も一度試した事がありますが、データを新しいスマホに移転するのに相当苦労しましたし、アンドロイド系のスマホの使い方に慣れるのに時間がかかりました。
結果として、iPhoneに戻る羽目になったのです。
これはスマホに限りません。
デスクトップだろうがラップトップだろうが会員IDさえあれば、アップルの機器は直感的に動作を行わせる事が可能です。
一旦アップルの罠にハマれば、そう簡単に抜け出す事は出来ません。
そんな中、アップルウォッチの新モデルが発売になりました。これも買いでしょうか。
米紙ウォールストリートジャーナル(WSJ)がこの商品に関して「Apple Watch 6 and SE Review」と題する記事を掲載しましたので、かいつまんでご紹介したいと思います。
WSJ記事要旨
今年、ぜひ身に着けてもらいたいものがあります。マスクです。
では、最新型の「アップルウオッチ・シリーズ 6」(基本価格399ドル。日本では4万2800円)はどうでしょうか。
結論から言えば、必ずしも着用する必要はありません。
ちょっと待って下さい。
今年は最先端の腕時計型健康ハイテク機器を購入するには、もってこいの年ではないでしょうか。
ウエアラブル端末は今、コロナ感染の初期兆候のチェックから心臓疾患の検知、緊急対応サービスへの自動通報まであらゆる事が出来る様になっています。
確かに、スマートウオッチの中で最上位のアップルウオッチ・シリーズ 6はそうしたことが可能です。
しかし、もっと安いモデルにもそうした機能は付いています。
既に2~3年前のアップルウオッチを持っている人にとっては、この新モデルで得られるメリットはあまりありません。
ディスプレイやバッテリー駆動時間など中核となる機能は変わっていません。
一つ前のモデルのアップルウォッチ 5と最新型の6の基本的な違いは、血中酸素濃度計が付いているかいないかです。
今年の目玉となる血中酸素濃度計(コロナ感染の初期兆候のチェックに使われる)を手動で実行したとき、測定失敗を示すメッセージが表示されることが多く見られました。
また、信頼性のあるパルスオキシメーター(クリップ型の血中酸素濃度測定器)の数字が99%となっているにもかかわらず、ウオッチでは94%など低い数字が表示されることがありました。
これだけ誤差のある計器を常時携帯する意味をあまり感じません。
最新のモデルも、充電はほぼ毎日必要です。
アップルウオッチを着けたまま眠る場合、起きたら充電する必要があります。
ライバル社のフィットビット・センス(330ドル)であれば、充電は5日に1回くらいで済み、体温や血中酸素濃度、心拍数が測定可能です。
唯一、アップルウォッチに関して、余分なお金を支払ってもいいと思えたのがECG(心電図計)です。
アップルウオッチが最初に発売された5年半前と比べると、防水機能やディスプレーの大型化、バッテリー駆動時間の向上、センサーの高度化など、技術は飛躍的に進歩しています。
こうした進化に伴って、フィットネスとヘルスがこの製品の主な用途になりました。
しかし、シリーズ4の時点で既にそれはほぼ達成されました。
それ以降あまり進化していないのは、アップルが次の画期的な改良を実現する(本体を薄くしつつ、バッテリーの持ちをよくする)方法を見いだせていないからだと思われます。
それでも大きな飛躍は今後有りうるでしょう。
心拍計と血中酸素濃度計の2つは既にシリーズ6に搭載されていますが、体温計と血圧計は未だです。
高度なヘルスセンサーとソフトウエアを組み合わせれば、アップルウオッチをはじめとするウエアラブル端末は「常駐の健康監視人」になれるでしょう。
私のお勧め
私がアップルウオッチを使っていない理由は二つです。(シリーズ2を使ってすぐ使用を停止し、フィットビットに乗り換えました。)
先ず、重くて分厚い事。
バッテリーの持ちを良くするため仕方がないのかも知れませんが、多くの機能を詰め込んでいるせいもあって、大きくなっています。
二つ目、これは最も重要な事かも知れませんが、バッテリーが一日しか持たないことです。
腕時計式端末の最も魅力的な機能は睡眠深度の測定だと私は思っています。
WSJの記事でも触れられていますが、アップルウオッチは起床したら充電しないといけません。
ライバルのフィットビット社の製品であれば、5日程度充電が持ちますので、一日中安心して付けていられます。
腕時計型ウエアラブル端末をご検討の方は、現時点では、フィットビットを購入する事をお勧めします。
私も、WSJのいう通りウエアラブルの将来には期待していますが、現時点の血中酸素濃度計やECG(心電図計)の精度に多くを期待するのは危険だと思います。
まだまだこれらの機器の完成度は低いと思った方が良さそうです。
最後まで読んで頂き、有り難うございました。