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新型コロナを恐れるなとのトランプ発言に意外な科学者の支持

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トランプ大統領の発言波紋広げる

トランプ大統領がコロナに感染して、入院したことは世界中を驚かせましたが、退院後、彼が「新型コロナを恐れるな」とツイッターで呼び掛けた事が、世界中で論議を呼んでいる様です。

「消毒液を注射してみてはどうか」などと過去に発言した大統領の一言ですから、科学的根拠が無さそうに思えますが、意外や意外、この発言に科学者の支持が集まっている様です。

この点に関して、ウォールストリートジャーナル(WSJ)が「Trump, Covid and Reason」と題して記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

WSJ記事要旨

トランプ米大統領が5日、「新型コロナを恐れるな」とツイートしたことで、ウイルスの危険性を大統領が再び過小評価したとの批判が強まりました。

トランプ氏はあいまいな表現を好まず、しばしば、向こう見ずな行動を取ってきました。

しかし科学者らは、トランプ氏の主張の基本的部分、つまり米国民はウイルスと共存する方法を学ぶべきだという主張をおおむね支持しています。

メディアはあまり関心を示していませんが、感染学の専門家集団がまとめた「グレートバリントン宣言」はリスクの高い人々を守る一方で、他の人々には普通の生活を認めることを推奨しています。

そして同宣言には、2300人以上の医学、保健分野の科学者、2500人の医師らが署名しています。

彼らは、こうした対応を「フォーカスト・プロテクション(対象を絞った防衛策)」と表現しています。

しかしそれは、スウェーデンがこれまで取ってきた対応と実質的に同じものであり、今では世界保健機関(WHO)でさえ推奨しています。

米国の左派勢力は依然として、こうした主張を異端とみなしますが、マクロン仏大統領を含む欧州諸国の多くの指導者も、こうした対応を支持する方向へと徐々に移行しています。

政府のロックダウンによる間接的損害には、子どものワクチン接種率の低下、心血管疾患の症状悪化、がん検診の受診率低下、メンタルヘルスの悪化が含まれますが、それは向こう何年にもわたる「超過死亡」(過去のの死亡者数から予測される予想死亡者数を上回る死亡者数)の増加につながり、労働階層や若年層に最も重い負担を負わせます。

米疾病対策センター(CDC)は今年新型コロナに関連しない超過死亡が約10万件あったと推測しています。

これには心血管疾患、糖尿病、がんなどが含まれます。

この多くは、政府が必要不可欠でない処置の中止を病院に求めたことが原因となっています。

失業率が上昇する中、うつ病が悪化する人や、薬物の乱用や過剰摂取の件数が急増しています。

小児科医らは、休校によって児童虐待や事故によるけがが急増しており、休校が学習や精神的な成長の妨げにもなっていると報告しています。

グレートバリントン宣言の執筆者たちが指摘するように、「新型コロナによって死亡するリスクは、若年者よりも高齢者や病弱な人々の方が1000倍以上高くなっています。

実際のところ、子どもにとって新型コロナは、インフルエンザのリスクよりも危険性が低い」のです。

同宣言は「われわれは、集団免疫に到達するまで死亡率と社会的被害を最小限に抑えることを目標とすべきだ」と述べています。

これは、介護施設の職員に頻繁に検査を施すことなどにより、高齢者とリスクの高い人々を保護する一方、合理的な予防措置の下で学校、大学、レストラン、ビジネスを再開することを意味します。

新型コロナはバイデン候補が勝利してもなくならないでしょうし、恐らくワクチンが出回った後でさえもそうでしょう。

治療の進歩によってリスクの高い人も驚くべき回復結果を示しており、トランプ氏はその典型的なケースとなるかもしれません。

恥ずべき点は、新型コロナがあまりにも政治問題化してしまい、グレートバリントン宣言に参加する科学者たちの冷静な提言がかき消されてしまっていることです。

しかし新型コロナへの対応については、同宣言こそが最良のアドバイスです。

スウェーデンから学ぶ知恵

確かに非常事態宣言など厳しい措置は、経済への影響はもちろん、多くの弊害を生みました。

メンタルの面でも、家庭内暴力やうつ病などを増加させました。

最近、竹内結子さんや三浦春馬さんなど芸能人で自殺される方が増えていますが、これもコロナとは無縁ではないと思います。

映画の撮影や演劇の世界では、密は避けられません

現場で一人でも感染者が出れば、一巻の終わりです。

封切りは見送られ、上演は場合によっては中止されてしまいます。

そんな芸能界、演劇界には、以前とは比較にならない重い空気が漂っているのではないでしょうか。

新型コロナは怖い病気ですが、国民全員がひきこもる必要は無いのではないでしょうか。

メリハリのきいた措置を行う事で、効果的に対応できると思われます。

WSJの文中にも出てくるスウェーデンがどうなっているか調べてみました。

この国は集団免疫の早期獲得を目指しましたが、死亡率が他の欧州諸国に比べて高くなり、新型コロナ対応で失敗した国というレッテルを貼られました。

ところが、現在、素晴らしい結果を示しています。

同国におけるコロナ死者数は激減しました。

同国は強制的なロックダウンを行っていないので、一見穏やかに見えますが、ソーシャルディスタンスの徹底や集会の禁止、高齢者施設への訪問禁止などメリハリの効いた措置により、効果を上げていたのです。

同国の公衆衛生庁は7月17日の記者会見で、首都ストックホルム市では集団免疫をほぼ達成したと推定できると発表しました。

同国のマスク着用率は6%と日本の86%に比べて著しく低いですが、老人や病人など重病化する可能性のある人を徹底して守る事で、スウェーデンはコロナと共存する事に成功したと言えるでしょう。

日本も集団免疫を目指そうなどと主張するつもりはありませんが、スウェーデンのやり方は参考になると思います。

 

最後まで呼んで頂き、有り難うございました。