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Google子会社無人タクシーサービスを開始

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自動運転車の進化

私の車には、運転サポート機能が搭載されていて、高速道路上では、前の車を追尾し、カーブもかなりの精度で勝手に曲がってくれます。

とは言ってもこの機能は、あくまで補助的なもので、完全自動運転には程遠いものです。

自動運転にはレベルが5段階あり、下記の様なカテゴリーに分けられています。

レベル 定義
1 ステアリング、加減速のいずれかをサポート
2 ステアリング、加減速の両方をサポート
3 特定の場所で全てを操作、緊急時はドライバーが操作
4 特定の場所で全てを操作
5 場所の限定なく全てを操作

 

現在市販されている車は上記のレベル3以下です。ところが、驚く様なニュースが飛び込んできました。

米国フェニックスで、一般ユーザーに対して無人タクシー運転手がいない)のサービスが開始されるというのです。

この件について、ロイターが「Waymo opens driverless robo-taxi service to public in Phenix」(Waymoがフェニックスにてロボットタクシーを一般ユーザーに開放する。)と題する記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

ロイター記事要旨

Googleの親会社であるAlphabetの自動運転車ユニットであるWaymoは、フェニックスで、無人ミニバンの配車サービスを開始すると発表しました。

数週間以内に、Waymoは、スマートフォンアプリをダウンロードし、フェニックスの130平方キロのエリア内で乗車したい人なら誰でもアクセスできるようにする予定です。
コロナ感染拡大によりWaymoがこの春に操業を停止する前は、完全自動運転車の乗車は、選択された少数の顧客グループに限定されていましたが、今後は一般ユーザーに開放される予定です、

Waymoは、ライバルのロボットタクシー会社に先んじており、今年初め、外部投資家から30億ドル以上を調達しました。

コロナ感染拡大により、車両の衛生管理への懸念が高まり、あらゆる種類の配車サービスの需要が落ち込んでいます。

Waymoの無人ミニバンはリモートで監視され、定期的に清掃されます。

車両を製作しているフィアット クライスラーは、乗るたびにミニバンから空気を洗い流すことができるシステムを設計した様です。

自動運転車を開発しようとする企業は、技術と規制の課題が収入の見通しを押し下げたため、淘汰が進み、一握りの企業に集約されてきました。

Waymoやそのライバルは、商品配送のための商用車の自動化にも重点を置いています。

無人運転車が与える社会的影響

無人タクシーが市場に広がっていくと、どんな変化が起きるでしょうか。

タクシー業界だけに影響は止まりません。

恐らく想像もつかない様な甚大な影響を社会全体に及ぼす事になるでしょう。

タクシー運転手の失業

無人タクシーに運転手は不要です。

しかも人間と違って不眠不休で働きますので、タクシーの稼働率は大幅に上がります

人間と違ってミスを犯しませんし、人権費も削減できるので、タクシー会社のオーナーは運転手を解雇して、無人タクシーに切り替えるでしょう。

ユーザーにとっても、運転マナーの悪い運転手に遭遇するリスクは無くなります。

 

損害保険会社の憂鬱

損害保険会社の利益の源泉は自動車保険です。

しかし無人タクシーは事故を起こしません。

事故が起きない車に自動車保険は不要です。

損害保険会社は稼ぎ頭を失う事になります。(但し、無人運転車普及当初は、事故の責任がメーカーなのか、配車会社なのか或いは衝突した車の運転手なのか明確で無いので、当面、損害保険会社は必要と思われます。)

自動車需要の激減

前述の様に、自家用車から無人タクシーへ乗り換える人は多いでしょう。

それでも自分の車を持ちたいという方はおられると思いますが、彼らが将来購入する車は自動運転車です。

自動運転車にFun to Driveはありません。従い、自家用車を持つモチベーションは低下し、自家用車の需要は激減します。

一方、自家用車が無くなっても、無人タクシーの数が増えれば、自動車産業は安泰じゃないかと思われるかも知れませんが、そうはならないでしょう。

無人タクシーに休息は不要ですし、週末しか使わない自家用車と違って、24時間365日働きます。

回転率が極めて高いので、車の数が少なくて済みます。

車の需要の激減は自動車産業に破壊的なインパクトを与えます。

自動車産業勢力図の激変

上記の様な変化が起こると、この分野の勢力図に激変が訪れるでしょう。

ピラミッドの頂点に立っていたトヨタやメルセデスの様なメーカーは、単なる下請けメーカーになる可能性があります。

代わって頂点に立つのは無人運転車の頭脳を作っているGoogleなどです。

中国もこの分野強いですからバイドゥi辺りが躍り出る可能性があります。

いずれにせよ自動車産業に激震が走るのは間違いありません。

自動車産業でもっている日本やドイツにとっては由々しき問題です。

自動車メーカーはこの変化を出来るだけ遅らせたいのが本心でしょう。

彼らは無人運転車の危険性に焦点を当てて、徹底抗戦するでしょう。

しかし、いずれ無人運転の時代が来ます。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。