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外国人特派員が見た日本のコロナの現状

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英国特派員の日本レポート

コロナ感染の現状如何でしょうか。

連日の様に、ワイドショーはコロナ問題を時間をかけて取り上げ、やれ東京の感染者が二百人を超えたとか、PCR検査が十分でない等問題を指摘していますが、外国と比較すれば、かなり良い部類だと思います。

外から日本の状況を見た場合、どの様に評価されているか、4年間東京に駐在した英国人特派員の記事が英誌Economistに記載されましたので、ご紹介したいと思います。

Economist記事要約

日本は2度の感染者急増を経験したと報道されていますが、他国との比較で言えば単なる低いうねりの様に見えます。

1億2千7百万の人口を持つ国で、死者はたった1,600人強です。

日本には世界の10大都市のうち2つがあり、人口が最も高齢化しており、人口の3分の1近くが65歳以上である事を考えれば、これは驚異的です。

 

英国と比較してみましょう。日本の半分の人口で、高齢者が少ない(65歳以上の人口は5分の1に過ぎない)にも拘らず、43,000人近くが亡くなっています。

第二波の感染者急増があり、第一波よりも多くの感染が記録されています。

10月12日、ジョンソン首相が英国で新たな行動制限を発表した一方、日本の生活は今では通常に近いものに戻ってきています。

春の都市封鎖も英国より短く、範囲がはるかに限定されており、法的強制力のある規制ではなく政府の要請に基づいていました。

 

特派員が東京から(日本航空)のフライトでヒースロー空港に足を踏み入れた途端に、ウイルス対策に関する様々な問題が見てとれました。

人々の口や鼻が覆われていないのを見るのは不安でした。

日本のパスポート担当官はフェイスマスクとバイザーを着用しています。

イギリスの対応者は彼らの顔を全く覆っていませんでした。

 

この光景は、翌日以降、数回の外出でも繰り返されました。

私たちは、公園に足を踏み入れました。

看板には「同行者はマスクを着用しなければならない」と書かれていましたが、ほとんどすべての親が走り回って大声で話し、マスクを着用していませんでした。

近くの喫茶店もそうでした。

英国政府が9月24日にマスクを義務化した後でも、多くの人はいい加減に対応している様でした。

日本では、マスクがなければ、不安を誘発する様に感じます。

感染が始まって以来、路上でマスクを着用していない小学生以上の日本人を見かける事はまれでした。

マスクが、正しく着用された場合、他の人へのウイルスの拡散を大幅に減少させるだけでなく、着用者を保護することもできることを示唆しています。

 

日本にはにはマスクを着用してきた長い歴史があります。

1918年のスペイン風邪の感染の後、広くマスクは採用されました。

1970年代の東京の大気汚染問題は、習慣を維持する理由をもたらしました。

そして、従業員が休まない様にマスクをつけて出社させる習慣、花粉症等の理由で、新型コロナ感染の前に、マスクの着用は普及していました。


日本は歴史的に有利なスタートを切っただけではありません。

個人の自由とマスクの着用の関係について政治的な論争は巻き起こりませんでした。

政府の指示なしに、マスクは2月から当然の様に着用され始めました。

日本では他に搭乗者がいない場合でも、しばしばドライバーがマスクを着用しています。

英国では逆で、搭乗者がいるのに、ドライバーはマスクを着用しません。

 

今やマスクを着用する文化のない他の国々でもマスクを着用しています。

現在、イタリア人の約85%が、公共の場では常にマスクを着用していると述べています。

英国では、その数字は5分の1未満です。問題の一部は政府広報です。

マスクを着用すると逆効果になる可能性があるという最初の警告は、間違っていたにも拘らず、訂正されていません。

 

マスクだけでは、ウイルスが日本と英国に影響を与えた方法の違いを完全には説明できないでしょう。

日本が良い結果を出した他の理由も幾つか議論されています。

人々は抱き合ったり握手したりするのではなく、離れて立ってお辞儀をします。

他の人々は、日本人が過去により多くのコロナウイルスにさらされており、それらに対してより耐性があると考えています。

 

6月、麻生太郎財務相は、外国の発信者に、国の低い死亡率は、民度が違うと述べました。

それは人種差別だとの批判を呼びました。

しかし、多くの日本人は、他国のコロナ感染被害を驚きをもって見てきました。

彼らは、なぜ外国の人々がマスクを着用したり、手指消毒剤を携帯したりしないのか疑問に思っています。 

 

日本も非常に厳しい入国制限を維持しています。現在、159か国からの人々の入国を完全に禁止し、9月まで、住民の出入りを禁止しています。

しかし、他の予防策に関しては、日本は緩いです。

十分な数のPCR検査を行っていません。

社会的距離は最小限です。

しかし、時が経つにつれ、日本政府をを批判するのは無理があると思う様になりました。

他の国に先立って数ヶ月間早期に閉鎖されていた学校は、6月に再開され、現在も続いています。

ビジネスは大きな打撃を受けましたが、再開することができました。

マスクを着用することはほとんど費用がかからず、その有効性の証拠が増えています。

それは特派員が獲得した日本の習慣の一つになりました。

マスクの効用

私も3月末までイスタンブールに滞在していました。

当時はイスタンブールも感染が始まったばかりでしたが、マスクは薬局でも売られていませんでした。

テレビでは、保健省高官が「マスク着用の必要は無い。くしゃみをするときは、肘で口を覆う様に。」ともっともらしく説明をしていました。

そもそも彼らはマスクに馴染みがないのです。

日本で感染が外国の様に広がらない理由は、マスクが一つの理由ですが、もう一つは強制されなくても、行動を規制する同調圧力だと思います。マスクを着用せずに地下鉄に乗り込んだ乗客に対する、他の乗客の視線厳しいです。

しかし、油断は禁物です。皆さんくれぐれもご自愛下さい。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。