MIYOSHIN海外ニュース

世界の役立つ情報をわかりやすくお伝えします。

ワクチン供給で国際的影響力を増す中国

f:id:MIYOSHIN:20201109170936j:plain

コロナ第二波の襲来

冬を迎えて、世界中で新型コロナが猛威を奮っています。

欧州では多くの国で再度のロックダウンが開始されました。

一刻も早いワクチンの開発が待たれます。

いくつかのワクチンは、年内に最終承認が下りそうですが、ここでも中国メーカーが先行し、中国政府はワクチンを戦略的に利用する事を考えている様です。

米紙Foreign Affairsが「China Is Winning the Vaccine Race」(中国はワクチン競走において勝利しようとしている)と題した記事を発表しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Foreign Affairs記事要旨

2020年、中国は新型コロナへの最初の対応を失敗しました。

その結果、この病気は世界中に蔓延し、経済を壊滅させ、120万人以上の死者を出し、中国のイメージをひどく傷つけました。

 2021年に、中国は世界中の人々にワクチンを供給する事で自らのイメージを回復しようとしています。

 

世界中で、11の新型コロナワクチンが規制当局承認の最終段階です。

その内、4つは中国製です。

武漢を拠点とするシノファームのワクチンは今月または来月に最終承認される予定です。

モデルナやファイザーなど主要なアメリカのワクチン候補は、同じ頃に承認される可能性があります。

しかし、トランプ政権は、人類の半分以上を占める発展途上国の人々にワクチンを配布するため、中国と競争する積もりはありません。

米国は、発展途上国の人々に20億回分のワクチンを接種するという世界保健機関(WHO)のプログラムへの参加を拒否しています。

ワクチンの開発と流通に対する米国のアプローチは、やはり「America First」でした。

米国は、公衆衛生分野を中国に譲ることにより、北京がワクチンの開発と流通の世界的リーダーとしてだけでなく、発展途上国の救世主としての地位を構築することを可能にするでしょう。

 

中国がワクチン開発の競争に勝ったとしても、彼らが欧米、または日本の市場に参入する可能性は低いです。

中国メーカーは、先進国市場での販売に必要な規制上のハードルをクリアするのに苦労しています。

しかし、世界人口の半分以上が生活し、多くの政府がワクチンを買う余裕がないアジア、アフリカ、中東、ラテンアメリカと言った広大な新興国市場では、中国の生産者が支配する態勢を整えています。

中国のワクチンは、バングラデシュ、ブラジル、エジプト、インドネシア、パキスタン、ロシア、サウジアラビア、トルコなど18か国でフェーズ3の臨床試験が行われています。それは巨大な潜在的市場です。

 

習近平主席は、中国のワクチンはすべて「世界の公共財」になると約束しました。

彼の言葉通り、中国政府はラテンアメリカとカリブ海諸国にワクチン代金を支払うために10億ドルの融資を約束しました。

メキシコは先月、中国の融資で7000万回分を購入する契約を締結しました。

中国は、自国民全員にワクチンを接種する前から、これら他国への輸出を開始する予定であり、これは確実に他国からの称賛を生み出そうとする狙いがあります。

 

2013年以来、北京は一帯一路イニシアチブを通じて発展途上国のインフラプロジェクトに融資を供与してきました。

これらメガプロジェクトの多くは、新型コロナ感染とその後の経済危機のため、破綻しました。

2021年、中国は「ヘルスシルクロード」に世界の注目を集めることで、「略奪的」な貸し手であり、債務の罠を仕掛けているというアメリカの非難を避け、世界の公衆衛生の技術的リーダーおよび後援者としてのブランドを確立しようとしています。

 

ワクチン供与には代償が伴います。中国政府は、少なくとも、相手国が謝意を示すことを期待するでしょう。

新型コロナ感染の初期、セルビアの大統領は、大量の医療物資が中国から到着した後、中国の旗にキスをしました。

世界の公衆衛生に対する中国の新たな献身を受け入れるのは、国の政府だけではありません。

国際機関も、同じです。

WHOのテドロス事務局長は2017年の北京での演説で次の様に述べました。

「健康をテーマに、人々の間の古くからのつながりを強化する『ヘルスシルクロード』に関する習近平主席の提案は、先見の明があります」

トランプが約束した様に、来年7月にWHOから米国が撤退した場合、WHOが方針を変更する可能性は低いでしょう。

 

中国は当初、新規コロナウイルスの制御に失敗したことにより、外交的代償を払いましたが、発展途上国の公衆衛生プロバイダーとしての地位を確率することにより、その傷ついた評判を修復しようとしています。

米国政府が競争を拒否し続けるならば、それはワクチン競争で敗北する危険を冒すだけではありません。

それは中国が一流の技術力の名声、多くの新しい潜在的な同盟国、そして世界的なリーダーシップを勝ち取ることを可能にするでしょう。

トランプ大統領の最大の問題点 - America First

新型コロナに関しては、中国政府の犯した罪は重いと思います。

感染初期の情報隠蔽は世界中に被害を拡大させました。

今、彼らはワクチンを世界中の発展途上国に拡販しようとし、世界のリーダーとしての地位を確立しようとしています。

しかも、膨大な金銭的利益を得ることになります。

これは典型的なマッチポンプと言えるでしょう。

しかし、これを座視してなすがままにしている米国政府も情けないですね。

ここでも「America First」が邪魔をしているわけで、やはりトランプ大統領の問題はこれに尽きると思います。

「America First」はとどのつまり「Trump First」と言う事ではないでしょうか。

トランプ氏の大統領選での敗因は、一回目のテレビ討論会の姿勢にあったと私は思っています。

あの討論会で、トランプ氏はバイデン候補の発言を何度も遮り、司会者の制止も振り切って自論を通そうとしました。

他人の意見に耳を傾けようとしない傲慢な態度が視聴者の反感を誘ったものと思います。

思い返せば、トランプ氏の側近も次から次へと彼のもとを去って行きました。

トランプ氏の耳に痛い事をアドバイスした為に、更迭されたのだと思います。

周りをイエスマンで固めれば、裸の王様になります。

少なくともバイデン氏はこの点では、トランプ氏より遥かに良さそうで、ワクチンに関しても、まともな政策を打ち出してくれると期待しています。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。