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来年はどんな年になるか - 英誌Economist編集長の予測

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米の販売にも大きな影響を与えたコロナ

英誌Economistは毎年、翌年に関する予測を行う様です。恒例の予測記事が昨日掲載されました。

今年は新型コロナの感染で世界中に激震が走った年でした。

たかが感染病がこれほどの大きな影響を先進国から発展途上国に及ぼすとは誰も思っていなかったでしょう。

今日農業関係者の方と話していたら、今年日本で米の販売量が激減しているというお話を聞きました。

外食産業がコロナの影響で不振に陥った為に、米の販売量が落ちたとの事でした。

外食で食べても自宅で食べても同じ量食べるのだから、米の需要は結局同じではないかという議論もある様なのですが、現実は販売量が激減し、稲作農家が別の作物を栽培しないといけなくなるという問題に発展している様です。

事ほど左様にコロナはあらゆる分野に大きな影響を与えています。

それではEconomist編集長の予測する来年を見ていきましょう。

Economist編集長が予測する2021年

21という数字をラッキーだと思いますか?

この数字はサイコロの合計数であり、賭けと競馬に関連します。

アメリカでカジノに入ることができる最低年齢であり、ギャンブラーに人気のあるブラックジャックを含むカードゲームではお馴染みの数字です。

この数字は、異常な不確実性を帯びる来年にふさわしいようです。

来年訪れる最も大きなチャンスは、新型コロナ感染をコントロールできる事です。

しかし、一方で、健康、経済、社会的安定に関するリスクはたくさんあります。

来年注目すべき10のトピックについてご説明しましょう。

  • ワクチンを巡る争い

ワクチンが大量に入手可能になると、焦点はそれらを如何に配布するかという困難な作業に移ります。

ワクチンは、誰がいつ入手すべきかをめぐる国内および国同士の争いを伴うでしょう。

更にやっかいな問題は、提供されたときにワクチンを拒否する人が何人いるかという問題です。

  • 不均一な経済回復

経済がパンデミックから立ち直るにつれ、不均一な感染拡大と取り締まりが繰り返される為、回復はまだらになります。

政府は、企業の生命維持から失業した労働者の支援へと転換します。

強い企業と弱い企業のギャップが広がるでしょう。

  • 世界の混乱の修復

ホワイトハウスの新たな主人バイデン氏は、崩れつつあるルールに基づく国際秩序をどの程度修正できるでしょうか。

パリの気候温暖化条約とイランの核合意から出発することになるでしょう。

しかし、崩壊はトランプ大統領より前から始まっており、バイデン氏の任期中の修復は困難でしょう。

  • 米中の緊張高まる

バイデン氏が中国との貿易戦争を中止することを期待しないでください。

代わりに、彼はそれをより効果的に行うために同盟国との関係を修復したいと思うでしょう。

アフリカから東南アジアまで多くの国が、米中いずれかの肩を持つ事を避けるために最善を尽くすでしょう。

  • 最前線に立たされる企業たち

米中対立のもう1つの前線はビジネスであり、HuaweiとTikTokの明白な例だけでなく、ビジネスがさらに地政学的な戦場になっています。

企業経営者は外からの圧力だけでなく、内部からの圧力にも直面するでしょう。

従業員と顧客は、気候変動と社会正義にも立ち向かうことを要求しているからです。

  • 技術革新がもたらすもの

 2020年、新型コロナ感染が広がった為、ビデオ会議やオンラインショッピングそして在宅勤務や遠隔教育まで、多くの新技術の採用が加速しました。

2021年には、これらの普及がどの程度定着するか、または後退するかが明確になります。

  • 移動しない世界

観光業は縮小し、国内旅行に重点がおかれる様になります。

留学生に大きく依存している大学と同様に、航空会社、ホテルチェーン、航空機メーカーは苦戦するでしょう。文化交流も同様でしょう。

  • 気候変動が創出する機会

政府が雇用を創出し、排出量を削減するためグリーンディール計画に資金を投入するため、気候変動に対して行動を起こすチャンスが到来します。

2020年から延期された国連気候変動会議で、各国の削減公約はどれほど野心的なものになるでしょうか。

  • Deja Vuの年

オリンピック、ドバイ万博、その他多くの政治、スポーツ、商業のイベントが1年後に開幕するために最善を尽くしているため、多くの点で2020年の2回目の開催のように感じられるかも知れません。すべてが成功するわけではありません。

  • 他のリスクに対する注意喚起の呼びかけ

パンデミックの危険性について何年も警告してきた学者やアナリストは、抗生物質耐性や核テロなどの他の無視されたリスクに関しても政策立案者の注意を喚起しようとしています。

 

新型コロナ、不均一な景気回復、そして地政学上の様々な問題を考えると、来年は特に予測が難しいことが約束されています。

この毎年恒例の予測が、あなたのリスク管理に一助となる事を願っています。

それはすべてが凶運と暗闇ではありません。

危機から得られるいくつかの教訓と前向きな変化の可能性についても考察した上で、サイコロを思い切って振りましょう。

あなたは勝つ可能性だってあるのです。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。