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トランプ支持者の国会乱入を容認する共和党支持者 - 変容した共和党支持層

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国会乱入の衝撃

昨日のトランプ支持者の国会議事堂乱入には驚きました。

死者も4名出たとの事ですので、これは米国政治史に汚名を刻んだ出来事と言えるでしょう。

この日国会では大統領選の選挙人投票が行われており、その最中にデモ隊が警官のバリケードを突破して押し行ったのですから、普通では考えられない出来事です。

しかも、トランプ大統領はデモ隊を前にして、国会への乱入を扇動する様な演説を行っており、大統領の責任も問われるべきと考えます。

この様な民主主義の根幹を揺るがす様な事件を前にして、さすがの共和党支持者たちも呆れ果てただろうと思ったのですが、どうもそうではなさそうです。

英誌Economistが「Nearly half of Republicans support yesterday’s invasion of the US Capitol- Some Trump supporters, meanwhile, are blaming the violence on Antifa」(共和党支持者の約半数が昨日起きたトランプ支持者の国会乱入を支持している - 一方、トランプ支持者の一部はAntifa『左翼過激派』による暴力だと批判している)と題した記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Economist記事要約

アメリカの大統領が彼の支持者に国会議事堂を襲撃するように扇動することによって彼の在任期間を終えるのは衝撃的です-特に再選キャンペーンで対立候補がアメリカを無法状態に陥らせることを恐れると彼が主張していただけに、意外ですが驚くことではありません。

1月6日、トランプ支持者の群衆が警察を圧倒して議会を占領した後も、トランプ大統領は、11月の大統領選挙が「盗まれ」、「詐欺的」であると主張して、彼らを動機付けた陰謀説を唱え続けました。

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出典:Economist

昨日1人の女性が射殺され、他の3人が「救急措置」で死亡したという騒乱についてのトランプ氏の意見も、トランプ氏に投票した多くの人々によって共有されているようです。

世論調査であるYouGovによる1,397人のアメリカ人有権者の調査では、反対するよりも多くの共和党員がトランプ支持者の行動を支持すると述べました(それぞれ45%から43%)。

対照的に、ほぼすべての民主党支持者と、無党派有権者の3人に2人は暴力に反対だと述べました(上記グラフを参照)。

ニュースについての意見だけでなく、根底にある事実の理解についても、両者の意見は分かれています。

ビデオは、暴徒が警察官を攻撃し、窓を壊していることを示しました。

襲撃の後、銃、パイプ爆弾、モロトフカクテルが見つかりました。

しかし、共和党の回答者の58%は、抗議は「より暴力的」ではなく「より平和的」であると述べました。

民主党員においてはわずか4%しか同じ様な見方をしていません。

共和党の有権者は、右翼のメディアによって作られたストーリーにさらされているため、今後数日で彼らの意見は変わる可能性があります。

二つの保守的なニュース局であるFoxNewsとNewsmaxのコメンテーターは、暴力が発生したことを否定していませんが、代わりに加害者の正体について疑問を投げかけています。

「これらの人々はトランプの支持者のようには見えません」と、Newsmaxの司会者であるグレッグ・ケリーは語りました。

「アジテーターが誰であるか知りたいのです」とショーン・ハニティーはフォックスでのプログラム中に発言しました。

いくつかの共和党の政治家が同様の主張をしました。

そして、共和党議員であるMoBrooksとMattGaetzは両方とも、トランプ支持者を装った左翼のアンティファ運動のメンバーが暴力を振るったと主張しています。

 

これらは信じがたい議論です。

何故なら今回の事件は大統領自身が先導したものだからです。

「1月6日のワシントンでの大抗議」とトランプ氏は12月19日にツイートしました。 「そこに行こう。大胆に行動せよ!」。

共和党の変質

多くの識者が指摘する様に、現在の共和党は昔の共和党ではなくなっています。

トランプ大統領は、2016年の大統領選においては全くのダークホースで、共和党の候補にさえ選ばれるとは予想されていませんでした。

しかし、彼はラストベルトと呼ばれる経済が低迷している地域の恵まれない白人に焦点を当て、「白人、男性、低学歴」というそれまでの共和党では主流では無い支持層を新たに掘り起こしました。

これが彼を大統領に押し上げた訳ですが、同時に共和党の支持層も新たな支持者が加わる事により変容しました。

今やこの新たな支持層がなければ、各議員も選挙で勝てない訳で、これが共和党の中でトランプ大統領への求心力が高まった原因となっていると思います。

トランプ大統領が共和党の支持層に引き起こした大きな変容は、トランプ大統領がたとえ失脚したとしても、その影響は色濃く残っていくでしょう。

新たなトランプが登場して、グローバリズムに背を向け、アメリカファーストを唱える可能性は十分にあります。

何故なら前述の白人、男性、低学歴の人たちがそれを望んでいるからです。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。