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外国人から見た菅首相支持率急落の理由

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支持率の急落

菅首相の支持率が急落しました。

今では不支持率が支持率を上回る様になった様です。

これだけ短期間に支持率が落ちるのは珍しいケースですが、外国人から見るとその理由はどの様に見えるのでしょうか。

英誌Economistが「Suga Yoshihide is failing to connect with the Japanese people」(菅義偉は国民とのコミュニケーションに失敗している)と題した記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Economist記事要約

菅氏は官房長官時代、日本のモノマネ芸人たちを困らせました。

「彼には独特の特徴が全くありません。」と彼らは言います。

有権者は、菅氏が9月に首相に就任したとき、74%もの高い支持率を記録しましたが、彼が脚光を浴びている時間が長ければ長いほど、日本人の満足度は低くなります。

最近の世論調査では、その支持率は33%に低下しました。 

新型コロナの新たな波が、菅氏の支持率を更に低下させました。

ほとんどの日本人は、政府がウイルス予防を景気回復よりも優先することを望んでいますが、菅氏は後者に重きを置いています。

昨年末に感染者が急増しましたが、政府はGo to キャンペーンに固執し、ウイルスの蔓延に直接的な影響を与えなかったと主張しました。 (京都大学の研究者たちは最近、そうではないことを示す研究を発表しました。)

政府が市民に大人数での食事を避けるよう呼びかけた時、菅氏は豪華なステーキハウスで8人のゲストと夕食に出席した事を非難されました。

Go to キャンペーンを中断した後、菅氏は非常事態を宣言するかどうかについて悩み、最終的には1月上旬に段階的に宣言しました。

日本人の約80%は宣言が遅すぎると感じました。

 

菅氏の性格は彼の問題を悪化させただけです。

内閣官房長官として、彼の素っ気ない態度は、時には戦闘的なスタイルでマスコミとの駆け引きに役立ちました。

しかし、彼はより広く国民に話しかけるとき、口調を変えることができませんでした。

「首相に就任した後も、内閣官房長官を務めている」と慶大の曽根教授は語ります。

ある野党議員は、国会で管氏が「回答を控えさせて頂きます。」というフレーズを113回発したと主張しました。

菅氏の「自助」と「自立」の話は、感染拡大の中で政府から最も支援を必要としている人たちから批判を浴びています。

上智大学の中野浩一は、「今は新自由主義の改革派になる時ではありません。」と述べています。

政治ニュースレターの編集者である利川隆夫氏は、「菅氏は改革の目標を明確に説明していない。前任者の安倍晋三氏は全体を俯瞰する『鳥の目』を持っていたが、菅氏は詳細に焦点を当てた『蟻の目』しか持っていない。彼はナンバー2が向いており、リーダータイプではありません。」と述べています。

 

菅氏の信奉者は、新型コロナが収まれば、有権者が炭素排出量の削減、政府サービスのデジタル化、研究開発とインフラへの資金提供など、彼の長期的な政策アイデアを評価するようになることを期待しています。

しかし、一連の難儀な補欠選挙が迫っています。

自民党の評価は、菅首相自身ほど低くはないものの、下落しており、補欠選挙はその支持を測るテストとなっています。

政府が2月下旬に開始する予定のワクチン接種がスケジュール通りに行われるかは、さらなる試練となります。

今年の夏にオリンピックを開けるかどうかの決定もそうです。

これらの課題は非常に困難であるため、潜在的な挑戦者を怯えさせることによって、少なくとも短期的には、菅氏が仕事を続けるのに実際に役立つ可能性があります。

「すべてのライバルは、今が首相になるのに悪い時期であることを知っています」と、東京の政策研究大学院大学の飯尾淳は言います。

しかし、自民党の多くは、菅氏が10月までに行われなければならない総選挙に彼らを勝利に導くパワーを持っているかどうか疑問に思い始めています。

9月に予定されている自民党総裁選が彼らの視野に入っています。

首相の役割

首相の仕事はつくづく大変な仕事だと思います。

以前はともかく、最近はテレビカメラの前で自ら国民に話しかけ、問題が起これば、自らの言葉で説明を行う様求められます。

その巧拙は支持率に直ちに跳ね返り、首相の不人気は、党内のライバルの台頭を許しますので、常に人気取り政策を行う必要があります。

Go to キャンペーンも菅首相にしてみれば、自粛生活に疲れた国民に羽を伸ばしてもらい、一方で経済浮揚の手段として活用しようという狙いだったと思います。

しかし、結果は全く裏目に出てしまいました。

国民の新型コロナへの警戒心を読み間違えた結果と思いますが、日本は欧米に比べれば遥かに感染者数は少なく、もう少しうまく説明頂ければ国民の理解を多少なりとも得られたのではと思います。

菅首相もずいぶん苦労されている様ですが、やはり原稿をまる読みするのではなく、自分の言葉で国民に語りかける姿勢が必要なのではないでしょうか。

昔、第二次世界大戦中にルーズベルト大統領がラジオで国民に語りかけた路辺談話は有名ですが、国民に対して直に説明する姿勢は、益々大事になっていると思います。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。