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海外に出たがらなくなった日本の若者

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海外雄飛の夢

最近、日本の若い人は海外にあまり出たがらないという話を聞きます。

私は若い頃、海外で生活したくてうずうずていたので、この話を聞いた時は驚きました。

会社に入ってから初めて飛行機に乗り、最初の到着地パリで見た凱旋門は今も忘れません。

あの時の高揚感は、海外で一山当ててやろうという若者特有の冒険心が背景にあったと思います。

日本人が海外留学したり働いたりする事に消極的である事について、英誌Economistが「Few young Japanese want to study or work abroad - With unemployment low, there is little professional advantage in doing so」(殆どの日本の若者は海外で学んだり働く事を望んでいない - 失業率が低いので、海外に行くメリットがない)と題して、記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Economist記事要約

齋藤千尋と齋藤聖香は双子です。

現在26歳で、彼らは東京北部で共に育ちました。

彼らはハリウッド映画への情熱を含む多くの興味を共有しています。

しかし、千尋が医学を学ぶためにハンガリーに移り、聖香は芸術を追求するために日本の大学に入学した時、彼らの道は別れました。

「私はいつも外の世界に興味を持っていました」と千尋は言います。

彼女の姉も留学を考えていましたが、結局断念しました。 「日本ではたくさんのことを学ぶことができました」と聖香は言います。 

 

近年、海外への進出にあまり関心のない「内向きの若者」の台頭により、日本のジャーナリスト、政策立案者、ビジネスリーダーの間で嘆きの声が上がっています。

文部科学省によると、海外に留学している大学生は4%に過ぎないと言います。

2019年の別の政府調査によると、韓国人の66%、ドイツ人の51%が留学を望んでいますが、日本の若者は3分の1だけです。

同様に海外で働くことについても日本人は積極的ではありません。

2017年に産業能率大学が行った調査によると、若い従業員の60%は他国で働きたくないと考えています。

10年前にこの数字は36%でした。

 

 1980年代後半から2000年代初頭にかけて、海外で学位を取得する日本人の数は急増しました。

円高により、多くの人が奨学金やローンなしで留学することができました。

日本の銀行は、毎年数百人の社員をアメリカのビジネススクールに派遣しました。

「ハーバードの同じ教室には何十人もの日本人がいました」とハーバードビジネススクールに通った大阪成蹊大学の平賀富和は回想します。

「私たちは一緒に勉強してノートを共有したので、全員が卒業することができました。」

 

今日、海外の中国人とインド人の学生は日本人をはるかに上回っています。

これは、日本の失業率が低いのも一因です。

失業率は、新型コロナが始まるまでの3年間、3%を下回りましたが、海外での仕事や勉強はとにかく実用的ではなくなりました。

東北大学の米澤彰純氏は、新卒者が日本で就職しやすいため、留学には「メリットが少ない」と述べ、「ある意味、日本の労働構造は学歴による差別を行っていない」と語りました。

いずれにせよ、外国の教育機関の学位を持っている人の報酬は、国内で勉強した同僚の報酬とほとんど変わりません。

 

同様に、海外で働いた経験が報われることはめったにありません。

代わりに、多くの企業が従業員の間で「日本らしさ」を高く評価していると、国際基督教大学の加藤恵津子は嘆きます。

海外での経験はもはや昇進のチャンスを増やすようには見えません。

海外支店ではなく、日本のオフィスを異動する従業員の方が、より早く昇進する可能性があります。

 

外の世界への恐怖は、何人かの若者が海外に行くのを思いとどまらせます。多くの人が、彼らの孤立の理由として、彼らの「英語アレルギー」を挙げています。

彼らの不安は全く根拠のないものではありません。

日本人は隣国の韓国に次ぎ、英語能力の指標で低いランクにあります。

 

孤立性の高まりは、国際舞台でより積極的な役割を果たすことを熱望している政府にとって厄介です。

「日本は衰退していますが、その衰退にさえ気づいていません」と平賀氏は言います。彼は、国の影響力が衰えていると感じています。

企業にとっても、国際経験のある若手社員の不足は、海外でより多くのビジネスを行うという彼らの目標達成を困難にします。

「世界の他の地域では、非常に大きな成長が期待されます」と米沢氏は言います。

「その波には日本も乗らなければなりません。」

海外に興味を失った本当の理由は

私が海外に留学した1980年代は、上記記事の記載通り、日本企業の海外留学熱が極めて高く、海外に日本人留学生が溢れていました。

しかし、この熱はあっという間に冷めて、今や中国人はもとより、韓国人留学生にも抜かれてしまった様です。

この原因は何でしょうか。失業率が低いのも一因かも知れませんが、主因ではないと思います。

一つは、海外留学生をまともに評価しなかった日本企業の人事制度にあると思います。

海外のビジネススクールで学んだ人材を日本のドブ板営業の現場に戻したりすれば、当の本人にしてみれば、海外で勉強した事を、会社は全く評価してくれないと失望するでしょうし、そういう人たちが転職したケースを私は何人も見てきました。

日本の人事システムは、今は多少改善されたと思いますが、海外で学んだ事を業務に生かす様に設計されていませんでした。

もう一つの理由は、海外市場と本気で向き合っていない会社が多い事だと思います。

グローバル化とか海外市場開拓とかお題目を唱えたものの、本腰を入れて取り組んでいこうと会社トップが覚悟を決めていない会社が多いのです。

日本の会社は海外の人材を受け入れることにも極めて消極的でした。

これは裏を返せば、海外で教育を受けた日本人人材を正当に評価しない事にも通じます。

日本企業はこうやってグローバル化、ダイバーシティの波に乗り遅れ、90年台以降衰退の道をたどったという訳です。

今からでも遅くありません。

楽天は社内公用語を英語にしていますが、そのためか、社内はインド人や中国人など多国籍の人材で溢れています。

世界に追いつくためには、世界中の人材を集めて、英語で意思疎通を行う環境を整える必要があります。

「青年よ大志を抱け」日本の若者に海外に活躍の場を求めて欲しいと思います。

我々経験者もそれが如何にエキサイティングなものか伝える必要があるでしょう。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。