コロナで自由を奪われた人々の鬱憤
皆さんコロナ感染が収まったら何をしたいですか。
私はなんと言っても海外旅行ですね。
これほど海外に行かなかった年はなかったので、昨年は相当フラストレーションがたまりました。
私の様な海外旅行好きは珍しいかも知れませんが、殆どの人が非常事態宣言で行動の自由を縛られ、窮屈な思いをしていると思います。
特に若い人は、高齢者への感染を防ぐために、街に出るなと言われている訳ですから、彼らの不満は推して知るべしだと思います。
米紙ウォールストリートジャーナル(WSJ)が「After the Covid Pandemic, a Surge in Demand for Meals, Entertainment and Vacations」(新型コロナ感染収束後、外食、娯楽、休暇の需要が急増する - アメリカ人は通常、景気低迷の後に物を買いますが、今回はサービス需要が急増するでしょう)と題した記事を掲載しました。
かいつまんでご紹介したいと思います。
WSJ記事要約
新型コロナ流行が収束した後の日常生活について、いくつかアドバイスしておきたいと思います。
レストランはかなり前から予約し、航空券にはそれなりの代金を支払う覚悟をしたほうがよいでしょう。
応援するチームの試合は安い席で見るものだとあきらめ、映画館にはかなり早めの到着を心がけましょう。
コロナがもたらした不況は前例のないものです。
通常は景気が悪化する中でも底堅いはずのサービス需要が急減し、コロナ流行前の水準をはるかに下回ったままです。
ただ、ワクチンを接種する人が増え年内にコロナ危機が和らいでくれば、景気回復は目覚ましいものになる可能性があります。
回復がどの程度になるかは推測の域を出ません。
サービス支出に関しては、米国の限られた過去の経験に照らすと、回復は控えめになる筈です。
しかし、人々の間にはコロナ下であきらめた全てのことを取り返そうとする渇望があり、多くの人が貯蓄をため込んでいることを考えれば、今回はその反対になりそうです。
満たすのが困難なくらいの、サービス需要の回復が目前に迫っているかもしれません。
サービス支出は米国の国内総生産(GDP)の約半分を占めており、米国内では5人に4人以上がサービス部門で働いています。
景気後退は通常、靴下から自動車に至るまで、モノの消費低迷によって引き起こされます。
米国人はモノよりもサービスにはるかに多く出費するにもかかわらず、景気が悪化し始めると、まず高額の買い物から控える傾向があるためです。
今回の不況は様相が異なります。
サービスへの支出が減少したということだけでなく、昨年春の短期間を除けば、コロナへの対応として車や洗濯機を購入するなどモノの消費が活発化したからです。
商務省のデータによると、昨年10-12月期にモノへの支出は実質で前年同期比7.2%増となる一方、サービス支出は6.8%減となりました。
一方、景気回復の初期段階は通常、モノの消費がけん引役となります。
これは、例えば古い洗濯機を買い替えるなど、不況の間に蓄積された繰り延べ需要が放出され始めるためです。
過去の景気後退からの転換局面では、サービス支出はさほど増えませんでした。
そうした支出が大きく落ち込んでいなかったことが理由の一つです。
ところが、ほぼ 1 年にわたる巣ごもりを強いたコロナが収束すれば、様相は大きく異なるでしょう。
外食の回数を増やし、映画へも頻繁に出掛け、野球の試合観戦も増やすということは、容易に想像できます。
長期バケーションの予約をし、遠く離れた家族との失った時間を取り戻すために飛行機の利用を増やすこともあるでしょう。
さらに、コロナ下における消費縮小と政府によるコロナ対策現金給付による収入底上げのおかげで、多くの家計では消費に回せる資金が増えました。
FRBのデータによると、昨年7-9月期末の時点で、家計が保有する現金と現金同等物は2019年末を2兆2000億ドル(230兆円)上回りました。
追加経済対策が議会で成立する可能性が高まっている現在、高水準にある貯蓄率がさらに上昇する公算は高いです。
ドイツ銀行のエコノミスト、ピーター・フーパー氏は「人々のポケットには余ったお金が大量にあり、それを使うことになるだろう」と述べます。
こうした現金の多くは、コロナ下でも仕事を維持しやすかった、比較的所得の高い層が保有しています。この層はまた、自由に使えるサービス支出の割合が高いのです。
労働省の2019年のデータによると、所得別の上位10%の世帯は中所得世帯に比べ、外食への出費は2倍以上、娯楽は3倍以上でした。
サービス支出が実際に急回復した場合、需要急増がみられるのはこうした分野でしょう。
航空会社やホテルなど旅行関連の分野も同様と思われます。
失業中のサービス業労働者にとって、これは朗報になるかもしれません。
レストラン業界の労働者の数は、コロナ流行前と比べて200万人以上も少なく、運が良ければ大部分が再び雇用されるでしょう。
とはいえ、モルガン・スタンレーの米国担当チーフエコノミスト、エレン・ゼントナー氏は「一部では供給が制約になるかもしれない」と述べます。
ホテルの部屋数や飛行機に搭乗できる人数は限られており、価格の上昇も予想されます。
サービス部門がどれだけ早く回復するかは、最終的にはコロナ流行がどれだけ早く収束し、どれだけ早く不安を感じずに外出できるようになるかにかかっているでしょう。
コロナの新規感染者数がここにきて減少するなど明るい兆しもある一方で、既存ワクチンの効果があまり期待できない可能性のある変異ウイルスの出現など、懸念すべきこともあります。
米国のコロナ制御が早ければ早いほど、サービス部門と経済の見通しは明るくなります。
ため込んでおいた余剰現金をいくらか使う準備をしておいても良いでしょう。
日本でも需要爆発の可能性
非常事態宣言下の都内では、飲食店の多くが閉店しています。
行きつけの店が閉店しているのを見ると、その幾つかはこのまま廃業してしまうのではと不安になります。
実際に廃業に追い込まれたレストランも出始めています。
しかし消費の反動は自粛期間が長かっただけに、我が国でも激しいものになるでしょう。
ホテル、レストラン、飛行機等、今閑古鳥が泣いている業種は様変わりすると思います。
もちろん、コロナ感染拡大によりテレビ会議が普及した事から、航空業界のビジネス客需要など完全には元に戻らないものもあるでしょう。
しかし、観光客はVRが如何に進化しようが、生の体験とはくらべものにならないので、一気に観光需要が爆発する可能性があります。
ワクチン次第というところもありますが、将来起きうるサービス産業の急回復というシナリオも頭の隅に置いておく必要があるでしょう。
最後まで読んで頂き、有り難うございました。