日本株は儲からないは本当か
株式の専門家でもないし、株を本格的に勉強したり、株式市場に大金を投じた訳でもないので、株式市場に関してブログを書くつもりはありませんでした。
しかし、今日ウォールストリートジャーナル(WSJ)に掲載されたIn the Long Run, Stocks Really Do Go Up(株は長期では値上がりする。日本株においても)と題する記事は、私の先入観を覆す内容でしたので、ご紹介したいと思います。
株を良くご存知の方には当たり前の内容かも知れませんが、私にとってはまさに目から鱗の内容でした。
WSJ記事要約
株価は、長期的には往々にして値上がりしあす。
このアドバイスは、数兆ドルに上る投資決定の大半において核心をなしてきました。
しかし、反論もなくはありません。
反論材料の1つとして日本が引き合いに出されることがあります。
日経平均株価は今週、30年ぶりに3万円の大台を回復しましたが、1989年につけた史上最高値はまだ更新していません。
しかし、これは配当の再投資という現実を無視しています。
長年にわたり資金を投じてきた多くの投資家にとって、リターンは明らかにプラスです。
日本株バブルの絶頂だった1989年12月に市場に参戦していたとすれば、状況がとりわけ暗く見えることもあったでしょう。
過去31年の期間において、毎月約1万円を積み立てた投資家は、すべて現金で保有した方がましだったかもしれません。
しかし足下では、その投資家は比較的恵まれた状態にあるはずです。
MSCI日本株インデックスに1989年12月以降、毎月1万円を投資していれば、今では約770万円に価値が膨らんでいます。
これに対し、金利1%で同じ資金を銀行に預金していれば、その価値は440万円程度です。
しかし、バブル崩壊前に資金を投じていた哀れな投資家はどうか?
多額の損失を出したのではないか?
その答えは、長期投資家であればおそらくノーです。
バブル崩壊までの数年間の株式リターンはあまりにも爆発的に伸びており、ほとんどの投資家は損失を出していないはずです。
相場が最も落ち込んでいた2003年4月でさえ、20年前に株を購入していれば、投資リターンはプラス83%です。
ほぼインフレが存在しない国において、これは悪くありません。
1989年以降の日本の金融市場のパフォーマンスは、株6割・債券4割のポートフォリオの根拠にもなっています。
パフォーマンスが最も低迷していた期間に、投資家は債券で数十年に及ぶ強気相場を享受したでしょう。
バブル崩壊以降のFTSE日本国債インデックスのリターンは170%を超えます。
長期の株投資でも利益を得られないことは確かにありますが、そのほとんどは政情不安や戦争に関連する場合です。
ロシア株式市場への投資は1917年の革命後に無価値になりましたが、債券、不動産、銀行口座でさえも、投資先としての惨状はほとんど変わりませんでした。
クレディ・スイス・リサーチ・インスティチュートによると、1900~2019年における英国、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、米国(いずれも20世紀に侵略や社会崩壊を免れた)の実質株式リターン(年率)は5~7%でした。
30~40年をかけた株式投資で運用成績がマイナスになるのは、極めて不運なケースか、または非常に極端な状況で他にリターンを提供する代替策がほとんどない場合でしょう。
やはり長期分散投資がベストか
株は多くの投資対象の中で、長期的に見れば最も優れた投資先である事は歴史が証明しています。
しかし、バブルが弾けた後の日本はこの法則が当てはまらないと思っていました。
株価は1989年の12月29日に38,915円のピークをつけてから長期間低迷しました。
私はこの期間日本株に投資した人は大したリターンを得られていないと思っていたのですが、大きな勘違いでした。
市場は長期分散投資が日本の様な成熟市場においてもリターンを生む事を示している様です。
株式市場というものは常にIT株の様な新しいプレーヤーが次から次へと現れ、市場を引っ張っていくのが、他の投資対象と違う点だと思います。
私は学校で「投資」が何かという事を教えるべきだと思っています。
日本では貯蓄が美徳という戦前の教えが未だに尾を引いている様で、若い人もあまり投資に関心がありません。
投資に関するリスクを十分理解した上で、自分たちの将来のために投資蓄財を行っていくという事は非常に重要な事だと思います。
もちろん、株式市場の動向は予測不能ですが、投資のリスクとリターンを正しく理解していれば、「より的確な判断」が可能となります。
少子高齢化が進む日本の若い人に投資の勉強は不可欠でしょう。
最後まで読んで頂き、有り難うございました