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米紙が伝える東芝株主の反乱

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経営陣に突きつけられたノー

先日、東芝の株主総会で、予想外の出来事がおきました。

経営陣が提案する取締役会のメンバー、中でも重要な議長の留任を株主が拒否したのです。

これは経営側が用意したシナリオ通り議事が進む日本企業の株主総会のやり方に一石を投じた事件として、今後語り継がれる事になるでしょう。

海外メディアも一斉にこの事件を報道していますが、今日は米紙ウォールストリートジャーナル(WSJ)の「Toshiba’s Shareholder Revolt Is Japan’s Too - Managers at other big Japanese firms should jettison their resistance to change too—or they may find themselves without a job」(東芝株主の反乱 - 日本の経営者は変化に対する抵抗をやめるべきだ、さもなくば職を失う事に)と題した記事をご紹介したいと思います。

WSJ記事要約

日本の由緒ある大企業である東芝において株主が異例な勝利を挙げました。

これは、日本のコーポレートガバナンスにとって極めて重要な一歩となる可能性があります。

東芝の株主は、金曜日の年次株主総会で永山治会長の再選に反対票を投じました。

彼らは、創立以来146年の歴史を持つ日本を代表する会社が、何年にもわたるスキャンダルの後に新たなスタートを切る必要があるという明確なメッセージを経営陣に突きつけました。

 

6月10日に外部の弁護士が発表した株主委託報告書によると、同社の経営陣と取締役の一部は、外国人投資家が権利を行使することを阻止するために政府当局者と共謀しました。

東芝の筆頭株主であるシンガポール拠点のヘッジファンド、エフィシモキャピタルは、昨年の株主総会で自身の候補者を取締役会に入れることができませんでした。

東芝の投資家は3月、昨年の投票に至るまでの問題について独自の調査を実施することに合意していました。

 

この報告書の公表を受けて、東芝は2人の幹部と2人の取締役が辞任すると発表しましたが、今日の投票は、中途半端な改革に満足していないことを意味しています。

外国人投資家は東芝の株主の半分を占めています。

議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービスとグラス・ルイスからの永山氏の再任に反対する様アドバイスした事も株主の背中を押す事に役立ったでしょう。

 

東芝の経営陣は、もはやもの言う株主の声を無視することはできません。

後者は、会社が耳を傾けることを拒否し続ける場合、おそらく彼ら自身の候補者を取締役会に強制することができるでしょう。

 

重要な要求の1つは、東芝がプライベートエクイティ企業などによる買収案に前向きになる事です。

関心を抱く候補者に不自由することはありません。

東芝はプライベートエクイティの格好のターゲットです。

その価値の大部分は、新規株式公開を模索しているメモリチップ事業であるキオクシアの40%の株式に由来しています。

会社の残りの部分は、エレベーターから下水道システムまでのビジネスの雑多なものであり、それらがより適切に管理されれば、非常に価値のあるものになる可能性があります。

投資家は、今回のスキャンダルが経営陣に会社の価値を高めることを強い、最終的に身売りも視野に入ってくるため、東芝の株式は今年69%増加しました。

これは、近年の最高の業績の1つです。

 

東芝は、これまでのすべての危機を完全に終わらせるためにも、目の前の危機をチャンスに変える必要があります。

会社は誰のものか

会社は誰のためにあるのかという問いに、日本では顧客であるとか従業員であるとかと答える人がいますが、資本主義の原理から言えば、それは株主です。

今回の東芝のケースは、この原則を株主から改めて突きつけられた形となりました。

私の自宅には東芝製の冷蔵庫があります。

東芝で白物家電を担当していた部署は2016年に中国企業に買収されましたが、私はその前にこの冷蔵庫を購入しました。

考えてみると、東芝は長い間、原子炉や最先端のフラッシュメモリーを製造しながら、洗濯機や冷蔵庫を作る会社でもあったわけです。

東芝はライバルの日立製作所が集中と選択に転じたのとは対照的に、企業の再編成に遅れをとりました。

もの言う株主からすれば、これは容認しがたい経営陣の怠慢でしょう。

しかし、東芝が原子力発電から防衛機器そして半導体までカバーする重要な戦略企業である事を考えると、安全保障の観点から日本政府が介入したくなるのもわからないではありません。

今後、一私企業のリストラと国の安全保障という二つの対立する概念の中で、微妙なバランスが求められる事になるでしょう。

東芝が迷走を始めたきっかけは、米国の原子力発電エンジニアリング会社ウェスティングハウス社の買収(2006年)でした。あの6,400億円とも言われる買収資金を半導体に投じていれば、東芝がサムスン電子の様な存在になれたのではないかと残念です。

今日本政府は半導体産業を再生させるべく新しい支援団体を立ち上げようとしていますが、時既に遅しとならなければ良いのですが...

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。