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中国政府の教育産業への取り締まりの真の狙いは

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大幅な下落を示した中国企業株価

中国企業の株価は今週大きく下げました。

このきっかけは中国政府の教育産業への締め付けが原因とされています。

最近の一連の措置は、経済開放に待ったをかけようとする中国共産党の意向が反映されている様に思いますが、英誌Economistが「China’s crackdown on the online-education business marks a turning-pointLess capitalism, more state」(オンライン教育ビジネスに対する中国の取り締まりはターニングポイントを示している - 資本主義よりも国家)と題した記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Economist記事要約

金持ちになることは素晴らしいと鄧小平は言ったと伝えられます。

しかし「ジャック マーほど金持ちになる事は、それほど素晴らしい事ではない」と昨年11月、同氏のアントグループの新規株式公開が中国の金融規制当局によりキャンセルされた時に投資家は理解しました。

多くの外国人投資家は、それを中国の最も有名な億万長者への迫害と解釈し、あまり大きくなりすぎないようにと他の大金持ちに警告しました。

しかし、それ以降の数か月で、取り締まりの範囲はますます拡大しました。

中国の2つのインターネット大手、AlibabaとTencentは、独占禁止法当局によって取り扱われています。

今月初め、配車サービスである滴滴出行(Didi)は、ニューヨークに上場してからわずか数日後に当局の網にかかりました。

そして先週、教育産業がターゲットになりました。

新しい規制は、海外から遠隔教育を行う事、外国人投資家から投資を仰ぐ事、そして利益を上げることを教育企業に禁じています。

学童を教えたいのであれば、誰も金持ちになるべきではないという事です。

 

この官僚的な中国政府の措置に対する市場の反応は、急激な売りでした。

ニューヨークに上場している中国のオンライン家庭教師会社のトリオの株価は3分の2下落しました。

パニックはアメリカに上場している他の中国企業にも広がりました。

この種の最大の株式を追跡するナスダック ゴールデン ドラゴン チャイナ インデックスは、3日間でほぼ20%下落しました。

これは中国の国内株式市場にも伝染し、株価は全面的に下落しました。

中国政府の意向は明らかです。

彼らの意向に沿って、彼らが指示する条件で、自国内の取引所で資本が調達されるべきと思っています。

これが金融市場に与える影響は長引く可能性があります。

中国自体が最大の敗者かもしれません。

 

国外における中国ハイテク企業の市場価値への影響から始めましょう。

最近の一連の動きは、ハイテク企業への投資が規制リスクを伴うことを示したため、ナスダック指数も、中国のテクノロジー株の暴落に対応して売り切りました。

アメリカでは、バイデン政権も独占禁止法を強化することにより、ビッグテックの監視を強化しようとしています。

しかし、アメリカでの独占禁止法の行使は法的な文脈で行われます。

当局がハイテク巨人の翼を切り取ることができる範囲を制限する法律があります。

多くの人が業績悪化で苦しんでいる中、アルファベット、アップル、フェイスブック、マイクロソフトは今週、記録的な第2四半期の業績を公表しました。

中国のライバルが官僚的形式主義に陥っているなら、それはすべてアメリカのビッグテックにとって良いことです。

 

そして、取り締まりは確かに中国のハイテク企業に害を及ぼすでしょう。

近年中国のベンチャーに投資した外国投資家は今週、公的市場で打撃を受けました。

これらのベンチャーの価値は、事実上凍結されています。

若い中国企業のIPOへの道-ベンチャーキャピタリストが彼らのお金を取り戻すための重要な方法が今や危機にさらされています。

多くの中国企業は、海外で資金を調達しています。

このルートは永久にブロックされる可能性があります。

 

さらに心配なのは、国内の非技術系企業への投資であっても、恣意的なルール変更のリスクにさらされていることです。

それは中国企業の資本コストを上昇させるでしょう。

中国の証券規制当局は今週、国際銀行家との会合を急いで招集し、教育に基づく企業のみが標的にされていることを伝えて彼らに安心させようとしました。

それは、市場を驚かせた中国の政策が、誤った計算に基づいていた事に気づいたことを示唆しています。

 

資本市場は、規制当局が好きな時にに閉めたり開けたりできる蛇口ではありません。

中国は、透明性のある規則を守り始めているという評判を獲得し始めていました。

しかし、それはまさに共産党が嫌う一種の従属なのです。

中国政府の真の狙いは

今回の一連の動きは、中国社会が抱える矛盾が噴出した様に思えます。

中国は鄧小平の経済開放政策によって、大きく成長しました。

この経済成長の過程で、貧富の差が急速に拡大してきています。

ジャック マーの様な世界的な大富豪が多数生まれる一方で、世帯の4分の3は年収30万円に満たない貧困に喘いでいます。

今回の政府の教育産業への措置も、都市部の裕福な家庭の子弟が塾や家庭教師を使って一流大学に進学する事によって社会的不平等が拡大したからだと思います。

共産党としては大多数の貧者の不満を反映せざるをえなかったものと思われます。

しかし、共産党の恣意的な政策は、外国投資家が一番嫌う予測不可能な政府介入です。

投資家が「透明性のある法の支配」を好むのは、リスクが予測できるからです。

今回の中国政府の介入は今後も影響を引きずる事になるでしょう。

 

しかし、一方で今回の一連の出来事が中国政府の計算ずくの作戦である可能性も否定できません。

彼らは外国への依存度を低めようとしています。

外国資本に過度に依存した場合、米中関係が悪化すれば、大きな影響を被りかねません。

リスクを最小化するために、多少のマイナスの影響を覚悟の上、中国が米国とのデカップリングを自ら開始している可能性もゼロではない様に思います。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。