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中国によるフランスの木材買い漁りの是非

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中国の爆買いの影響

「ウッドショック」という言葉が最近良く聞かれる様になりました。

これはコロナ感染が広まるにつれ、在宅勤務を始めた米国国民が新たに郊外に家を購入したり、自宅をリフォームした事から木材価格が高騰し、国際市場にも波及した事を指します。

日本の木材市場も高騰しています。

私も知らなかったのですが、日本の木材自給率というのは意外に低く、3割を若干超える程度です。

日本の建設業界は輸入木材に頼っており、日本の住宅価格にも今回のウッドショックは大きな影響を与えています。

ちなみに日本に欧州から輸入された木材(欧州材)の値段は今年3月に1立方メートル辺り3万5千円程度だったものが、6月には8万円に値上がりしています。

住宅建設ラッシュが生じているのは、米国だけではありません。

中国も同様の建設ブームが起きている様で、欧州材の値上がりの原因はどうも中国の買い漁りが影響している様です。

この問題について、仏紙Les Echosが​​「La Chine siphonne la forêt française」(中国はフランスの森林を吸い上げている)と題した記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Les Echos記事要約

それは木材加工産業をうんざりさせています。

今年の初め以来、収穫されたオークの30%以上が「丸太」、つまり木の幹の形でフランスを離れ、他の場所でさまざまな製品に加工されています。

昨年以来、輸出量が爆発的に増加し、これらの丸太の向け先はヨーロッパ以外である事をフランスの加工業者を嘆いています。

「フランスやEU本部が対応策を取らない限り、中国はフランスの森を吸い上げ続ける」と全仏木材連盟(FNB)は非難しています。

2021年1月から5月末までに、輸出された23万m3のオーク材の丸太のうち、「187,167m3が中国に行きました[…]。これは2020年と比較して+ 42%です! 」とFNBは抗議します。

「 2021年1月から5月の間に、276,499m3のフランス針葉樹が中国に向けて輸出されました。これは2020年より66%多い」とFNBは説明しています。

中国による爆買いは、ヨーロッパのいたるところに見られ、「stoplogexport」というタイトルのオンライン請願を引き起こしました。

 

他の場所と同様にフランスでは伐採が規制されており、国の承認を条件としていますので、より多くの木が伐採されていることを意味するものではありません。

しかし、年間の収穫量が限られているため、丸太の輸出の爆発的増加により、ヨーロッパの製材所に供給危機が生じています。

EU本部による対応策を求めて、請願書が出されました。

今年の中国の購入の急増には理由があります。

ロシアの輸出は世界の丸太貿易の5分の1を占め、70%は中国に向けられていました。

しかし、ロシアは加工産業を保護するために、2022年1月1日に丸太の輸出を禁止することを決定したのです。

「アフリカは10年間丸太を輸出しておらず、2022年からロシアは加工製品のみを輸出する予定です。現在、ヨーロッパのみがそれを許可しています。EU本部は自由主義の教義から抜け出さなければならない」とFNBの総代表ニコラス・ドゥザイン・ディディエは述べました。

しかし、フランスはEU本部と世界貿易機関の規則に対して無力だと感じています。

それでも、「数か月前、ルーマニアはEU本部に助言を求めずに丸太の輸出を禁止することを決定しました」とニコラス・ドゥザイン・ディディエは述べています。

FNBは、それほど過激ではありませんが、欧州の需要に優先的に対応するための税制上の優遇措置を望んでいます。

中国の爆買いの是非

この記事から、中国が米国と同様に木材を買い漁っている様子が良くわかります。

しかし、この買い漁りがけしからんと断じるのも一方的に過ぎるかも知れません。

もし中国が環境破壊を起こすほどの大量の木材を世界市場から調達しているのであれば、非難されるべきと思いますが、今回の中国の買い付けはEUのルールの範囲内で行われている様です。

また木材の売買には買い手の中国だけでなく、売り手のフランス企業も関与しているわけで、木材の買い付けを非難するなら中国人に高値で売りつけるフランス人も批判されなければなりません。

中国がやっている事は何でも悪いという極端な意見は如何なものかと思います。

ケースバイケースで、冷静に対応した方が良さそうです。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。