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オンラインゲームの使用制限を課した中国

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IT企業への締め付けを強化する中国

中国政府は最近世界を騒がせるニュースを提供してくれています。

特にIT企業に対する圧力は西側では見られないもので、アリババの創始者ジャック マーが失踪したり、最近は外資のオンライン教育塾が廃業に追い込まれたりしました。

そんな中国で、今回子供のオンラインゲームで遊ぶ時間を制限する事が決定された様です。

この措置に関して、英誌Economistが「​​China imposes the world’s strictest limits on video games」(オンラインゲームに世界で最も厳しい制限を課す中国)と題した記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Economist記事要約

共産主義独裁国家において資本家であることは大変な仕事です。

過去数か月の間に、中国当局は独占力の乱用とデータの悪用の疑いで大手テクノロジー企業を追求しました。

彼らは有料の家庭教師事業を禁止し、大企業や億万長者を抑圧しました。

取り締まりは、中国の最大のテクノロジー企業の価値を1兆ドル(約110兆円)以上減じたと考えられています。

 

8月30日、この国のオンラインゲーム業界年間売上高460億ドルで世界最大)が最新のターゲットになりました。

新しい規則では、「未成年者の心身の健康を効果的に保護する」ために、18歳未満の子供は、金曜日、土曜日、日曜日、祝日の午後8時から午後9時までのみオンラインゲームをプレイできると宣言されています。

 

ルールは世界で最も制限が厳しく、何千万人もの人々に影響を及ぼします。

中国の子供たちの約3分の2は、定期的にオンラインゲームをプレイしていると考えられています。

しかし、その考えは新しいものではありません。

中国は10年以上にわたって、オンラインゲームの中毒性と腐敗性を懸念してきました。

検閲官は政治や流血などに眉をひそめ、中国での販売許可を求める外国のゲームに変更を加えてきました。

これらの以前のルールには抜け穴がありました。

中国の「依存症対策システム」では、ゲーマーは本名と政府発行のID番号を使用してオンラインでプレイし、割り当てられた時間が経過するとゲームから起動する必要があります。

しかし、子供たちは大人の資格情報を使用してログインし、長いゲームセッションに目をつぶったインターネットカフェで遊ぶことができました。

今回、当局はそのような回避策を阻止することに熱心なようです。

 

今回の措置の厳しい性質にもかかわらず、直接の影響は抑えられました。

発表後、Tencentとライバル企業のNetEaseの株価はわずかに下落しました。

中国には約1億1000万人のゲーマーの子供がいると考えられていますが、Tencentは、ゲーム収益の2.6%のみが16歳未満のプレーヤーからのものであると述べています。

長期的な結果はより苦痛になる可能性があります。

今日の10代のゲーマーは、明日の可処分所得を備えた若い成人ゲーマーです。

 

もう一つの問題は、取り締まりがどこまで広がるかということです。

約5,000万人の中国人ゲーマーが、米国の企業であるValveが運営するPCゲームのオンラインショップであるSteamを使用していると考えられています。

このオンラインショップは、中国のグレートファイアウォールによって不思議なことにブロックされていません。

中国人ゲーマーはSteamを通じて、2万を超えるゲームを楽しむ事ができました。

兆候は不吉です。

2月、Appleは中国語版のアプリストアから数万のライセンスのないゲームを削除しました。

2月に発売されたSteamの簡素化された検閲準拠の中国語版には、ゲームはほとんどありません。

しかし、取り締まりが続けば、中国のゲーマーはすぐにローカルバージョンが利用可能な全てであることに気付くでしょう。

ゲームの時間制限は悪いことではないが

子供を有害なメディアやゲームから守るという趣旨そのものは、特に違和感はありません。

この観点から言えば、西側諸国ももう少し厳しい措置をとるべきではないかと思います。

子供の精神衛生上好ましいとは思えない内容のゲームに世界中の子供が毒されている事を考えると、中国政府のやっている事は批判の対象どころか称賛すべきことかも知れません。

事はゲームにとどまりません。

西側にはどう見ても社会のためにならないものが大きな存在感を持っているケースがあります。

公営ギャンブルやカジノ、パチンコなどはその一例ですが、これらギャンブルによってどれだけ多くの家庭崩壊が生じているか、為政者は考慮に入れているのでしょうか。

一部の国ではマリファナなど麻薬も公認しようと言う動きが出ています。

禁止すると闇市場で取引されるので、公認して税金を課した方が良いとの理屈らしいですが、納得がいきません。

これら社会に有害なものを、自由な社会は効果的に取り締まれないのが弱みといえば弱みです。

 

一方、中国の不気味なところは、中国政府が思う様に国民を操ろうとしている様に思えるところです。

今回のオンラインゲームの制限も、テレビゲームを通じて西側の価値観が国民に浸透するのを避けたかったのではないかと思いますが、国民の思想や行動をコントロールしたいという政府の思惑が透けて見えます。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。