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英国メディアが分析する菅首相の突然の辞任

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突然の菅首相の発表

今日、大阪のホテルで菅総理が今月下旬に予定される自民党総裁選挙に出馬しないというニュースを聞きました。

これには驚きました。

菅総理は盟友である二階幹事長の首をすげ替えても、総裁として続投したいとの意向を持っていたからです。

表向きの説明は、「コロナ対策と総裁選は両立しない。前者に集中したい。」と言うものでしたが、実際は総裁選に勝てる見込みがなくなったので降りたと言う事だと思います。

このニュースは世界中を駆け巡りました。

英誌Economistも早速「Suga Yoshihide falls on his sword」(菅首相は引責辞任した)と題した記事を早速掲載しました。

今回の辞任劇は英国からはどの様に見えるのでしょうか。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Economist記事要約

菅氏が自民党総裁に就任し、首相に就任したとき、多くの人が彼が主役になることに対応できるのか疑問に思いました

菅氏は、官僚をコントロールする事には長じており、政治の陰の面に優れていましたが、国民に直接接する部分には優れていませんでした。

1年後、答えは明らかです。

彼の内閣は70%を超える支持率で始まりましたが、現在、一部の世論調査では30%を下回っています。

 

菅氏は9月3日、9月29日の自民党総裁選に、立候補しないと発表しました。

それは党員を安堵させるかもしれません。

彼がリーダーシップをとった過去1年間、自民党は一連の補欠選挙と地方選挙で苦戦してきました。

これらは多くの人が菅氏のリーダーシップに対する審判と見なしています。

衆議院選挙は今秋に迫っています。

 

一方、菅氏の政権はいくつかの成功を収めています。

彼は、2050年までにカーボンニュートラルになるという目標を、長い間気候変動対策で遅れをとっていた日本に設定しました。

彼は、デジタル技術のさらなる使用を推進して、古臭い政府サービスの問題を解決しようとしました。

そして、新型コロナへの彼のアプローチは混乱し、国民の多くに不満を残していますが、日本は絶対数でも人口比率でも他のどのG7諸国に比較して死亡数が少なくなっています。

 

菅氏の主な問題は、国民と効果的にコミュニケーションをとることができないことでした。

彼の演説は、乾いた官僚の説明のように聞こえます。

彼は「何も言わない」と日本共産党の志位党首は言います。

彼の冷たさの原因についての説明はたくさんあり、それらの多くは偽物です。

一部には雪に覆われた秋田で育ったからだと言われています。

他の人々は彼が貧しい農民の息子で、世襲政治家の安倍氏などとは出自が違うからだと言います。

もっと寛大な説明は、彼は政治ではなく政策の人であるということです。

「菅氏は結果がすべてだと信じている人です」と自民党大統領選挙で菅氏を支援する積もりだった甘利氏は言います。

しかし、彼でさえ、「途中のステップを人々に説明する方法も重要です…そしてそれは菅氏が非常に苦手なことです」と認めています。

 

菅氏にとって残念なことに、それはまさに今の日本の有権者が彼らの政治指導者に望んでいるように思われることです。

ある若い自民党議員は、「危機の時代に、人々は政治家から同情されたいと思っているが、菅総理からは、それが感じられない。」と語ります。

昔の日本の政治家は国民向けメッセージにほとんど注意を払わなくても済みましたが、「その様な資質は今日の日本国民には受け入れられない」と日本の政治を長年見てきたジェラルド・カーティスは言う。

 

それでも、菅氏が自民党のリーダーシップコンテストを生き残る可能性はあるように思われました。

彼は自民党支持者の間ではトップの支持率を得ていましたし、安倍首相、麻生財務相、自民党幹事長の二階氏のる三大元老の支持を得ていました。

そして、現在可能性のある後継者の誰も、菅氏ほど説得力がありません。

 

これは、日本の政治における競争の残念な欠如を反映しています。

自民党の党員は国会選挙で多くの議席を失うことを心配しているかもしれませんが、実際に権力を失う可能性があると考える人はほとんどいません。

野党があまりにも人気がないからです。

また、自民党内の競争は、健全なリーダーを生み出していません。

「それも変化です。」とカーティス氏は言います。

「それは、自民党のダイナミズムの欠如を示しています。」

最近の日本の政治では、良い侍を一人でも見つける事が難しい様です。

菅氏の無念

菅野首相に関して、国民の評価はあまり高くありませんが、私はそこそこの実績を残したと評価しています。

コロナ対策が失格だと言われる方も多いのですが、Economistが言う様に先進国の中で日本は死者数が圧倒的に少ないです。

又、ワクチンも欧米に比べれば遅れましたが、国産のワクチンがない中で、相当数のワクチンを確保した点は評価されるべきです。

通信料金を大幅に値下げさせたのも功績ですし、族議員の反対を押し切ってデジタル化に舵を切ったのも正解です。

オリンピックも強い反対がありながら、首相の判断で実現させました。

そんな功績があったにも拘らず、悲しいかな菅首相は説明能力に欠けていました。

総理には自分の言葉でわかりやすく語りかける能力が必要です。

菅さんにそういう能力が少しでも備わっていたら、偉大な実績を残せたのではないかと思うと残念です。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。