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ワクチンの効力が長続きしない理由

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ワクチンの効果持続性

日本でもワクチン接種率が5割を超えた様で、ワクチン担当の河野大臣は米国を追い抜いたと自慢げに語りましたが、これは我が国のワクチン接種体制が米国より優れていると言うよりも、米国では八千万人と言われるワクチンを受けたがらない層があるからだと思います。

一方、これだけ接種率が高まってくると、いよいよ集団免疫ができるのではと期待が高まってきますが、どうもそう簡単にはコロナは退治できない様です。

ウォールストリートジャーナル(WSJ)が「Some Vaccines Last a Lifetime. Here’s Why Covid-19 Shots Don’t.」(他の病気のワクチンは一生有効なのに、新型コロナワクチンの効果が長続きしない訳)と題した記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

WSJ記事要約

新型コロナウイルスワクチンはなぜ、効果が長続きしないのでしょうか?

はしかワクチンは生涯、効果が持続します。

水痘ワクチンは10~20年、破傷風ワクチンは10年以上です。

しかし新型コロナについては、1回目の接種を受けた成人が早ければ半年でブースター接種(追加接種)を受けるべきかを巡り、米当局者が承認の是非を検討しています。

ワクチンの目標は、自然感染した場合に得られる防御を提供することにありますが、重症化や死亡のリスクを避けながらこれを行う必要があります。

 

「本当に望ましいワクチンは、ウイルスにさらされても感染を予防するものだ」。エモリー大学のラストム・アンティア教授(生物学)はこう指摘します。「だがすべてのワクチンが理想的なわけではない」

アンティア氏によると、予防効果は3レベルに分類されます。

具体的には、感染と他人への伝染を完全に予防できる、重症化と他人への伝染を予防できる、そして重症化だけを予防できるです。

ワクチンの効果は、接種により生み出した免疫反応の程度や接種により生まれた抗体が弱体化するペース、ウイルスや細菌が変異する傾向があるかどうか、また感染の箇所によって決まります。

予防効果の基準とは、罹患(りかん)を十分に防ぐために必要な抗体の水準です。

これは病原体によって異なり、どのように判断するのかさえ異なります。

オレゴン健康科学大学のマーク・スリフカ教授は「基本的には血液1ミリリットル当たりの抗体か中和抗体のレベルだ」と説明します。

破傷風については、1942年にミリリットル当たり0.01国際単位が基準であることが確認されました。

ドイツの研究者らが動物実験で得られた結果を試すため、意図的に自らの体を病原体にさらすことで分かりました。

はしかの基準が確認されたのは1985年。献血イベント直後に、大学寮がはしかにさらされた後のことです。

学生の献血サンプルで抗体の濃度を測定し、はしか感染の予防にはミリリットル当たり0.02国際単位が必要なことが特定されました。

これらの疾患については、ワクチンへの反応の程度と抗体の弱まるペースから、持続的な免疫反応が生成されます。

はしかの抗体は非常にゆっくりと消えていきます。

破傷風の抗体ははしかよりも速いペースで衰退しますが、ワクチン接種が必要な量をはるかに超える抗体を作り出すため、消滅分を相殺します。

問題をさらに複雑にしているのが、ウイルスや細菌が人間の免疫反応をすり抜けるよう変異することであり、このことが抑制をさらに難しくしています。

はしか、おたふく風邪、風疹、水痘のウイルスが変異することはほぼありません。

一方で、新型コロナについては、これまで少なくとも8種類の変異ウイルスが見つかっています。

前出のスリフカ氏は「これによりワクチンが効果を発揮するのが難しくなる」と指摘します。

「時間とともに複数のターゲットを追うことになる。インフルエンザのウイルスも変異します。インフルエンザの場合、変異株にできる限り近いワクチンを毎年作ることで適合してきました」

インフルエンザワクチンの効果は少なくとも半年持続します。

変異を続けるウイルスに対抗できる有効なワクチンを製造する難しさは別として、集団免疫を形成することでコロナに打ち勝つとの期待も出ています。

だが、前出のアンティア氏は、コロナウイルスの感染の仕方を踏まえると、実現は期待できないと話します。

「多くの呼吸器系感染症については、ワクチン接種により長期持続する集団免疫を生み出せる公算は小さい」と同氏は語ります。

「集団免疫はわずかな期間しか持続しない。ウイルスがどれだけ速く変異するか、免疫がどれだけ速く衰退するかに左右される」

問題の一つは、コロナウイルスが気道の上部と下部の両方で複製することです。

スリフカ氏は「肺と体の循環は良いが、鼻孔の表面はそうではない」と指摘します。「深刻な病気を阻止できるのは、気道の下部に抗体があるおかげだ」

しかし気道の上部で低レベルの感染が起こるリスクはくすぶります。

コロナワクチンは今後、変異株に対抗できるよう改良される見通しです。

またイペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者によると、次世代ワクチンは鼻と肺の湿った表面にある免疫を強化することが主眼になる可能性があります。

Withコロナ時代の生き方

ロンドンに住む友人の話を聞きましたが、ロンドンではほとんどの人がマスクを着用しておらず、日本人の彼はオフィスで唯一マスクをつけているそうです。

パブではビールのジョッキを片手に大声で会話をしているらしく、感染者数は最近うなぎのぼりになっていると聴きます。

ジョンソン首相は集団免疫を期待して、コロナ前の状況に戻そうとしている様ですが、これが成功するかどうかは疑問です。

やはり新規変異株に対応して、ワクチンを打ち続ける事が最も重要な対応策と思います。

これがWithコロナ時代で経済再開を可能にする唯一の処方箋ではないでしょうか。

皆さん、あまりがっかりしない様にしましょう。

これまでインフルエンザのワクチンを打った方多いと思いますが、あまり効かなかったと思います。

新型コロナワクチンはそれに比べれば遥かに効きます。

科学の進歩は、間違いなく我々を救ってくれています。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。