インドの急激な改善
インドは今年春過ぎ、新型コロナ感染者が急増し、医療システムが破綻したと伝えられました。
しかし、最近インドは元の生活を取り戻している様です。
どうやってインドは新型コロナを抑え込んだのでしょうか。
この点について英誌Economistが「How did India beat Covid-19?」(インドがコロナを打ちまかした理由)と題した記事を掲載しました。
Economist記事要約
インドの公衆衛生システムが新型コロナ感染の津波で崩壊してからわずか数か月後、インドの状況は急速に改善しています。
10月21日、首相のナレンドラ・モディは、インドが10億回目のワクチンを投与したと宣言しました。
デリーやムンバイなどの大都市では、新型コロナ専用病棟は事実上空です。
ある政府病院の医師は、デリーでは海外のどこよりもウイルスに感染するのが今では難しくなっていると語りました。
インドの経済は依然として不安定ですが、株式指数は最高値を更新しています。
しかし、この明白な安堵感は、多くの死体がガンジス川に沿って急いで埋葬された最近の大量死の記憶と一致しません。
インドはどのようにして新型コロナを打ち負かしましたのでしょうか?
明白な事実は、インドが新型コロナを打ちまかしたのではなく、逆に、新型コロナがインドを打ち負かしたということです。
新規感染者数がほぼ垂直に上昇していた4月と5月、世界はインドを心配そうに見守っていました。
インドは、デルタ変異株(WHOがギリシャ文字への切り替えを主張するまで、単に「インド変異株」と呼ばれていました)の最初の発生に襲われました。
その凶暴さは、世界のいくつかの地域がまだ経験しています。
インド人は数え切れないほど亡くなりました。
過剰死亡数(通常の年と比較してコロナでの死亡者数を推測する主張)で推測すると、パンデミックにより460万人が命を落としました。
生き残った人々は、インドが世界の製薬工場としての地位を確立しているのに、政府がワクチンを早期に調達できなかったことを非難しました。
あらゆる種類のシステムがシャットダウンしたため、ワクチン接種は順調に進みませんでした。
にもかかわらず6月、感染の波が急上昇したのとほぼ同じ速さで、感染者数は急降下しました。
その時点では人口の10%もワクチン接種を受けていませんでした(グラフを参照)。 2週間以内に、デルタ以前のレベルに戻りました。
医学的介入のおかげではありません。
今週発表された血液の調査によると、デリーの住民の90%以上が、抗体を持っています。
最悪の危機を乗り越えたインド人は、自然の免疫によって安全に保たれています。
現在、インドでの予防接種キャンペーンは、着実に進んでいます。
モディ氏の71歳の誕生日を祝うために、1日にワクチン接種の式典が開催されました。
パンデミックが猛威を奮っていた時、彼は身を隠していました。
現在、モディ氏は彼の肖像画を公式予防接種証明書に載せることに熱心です。
すべてのインド人の半数以上が少なくとも1回のワクチン接種を受けており、ほぼ25%が2回目のワクチン接種を終えていると考えられています。
自然の免疫力さえ減衰するので、それは有用あことです。
政府は現在、毎日約15万人の新規感染を監視しながら、6百万以上の予防接種を行っています。
コロナウイルスの封じ込めや駆除についての議論はこれ以上ありません。
この厳しい年を通して健康と生計を維持することができたほとんどの人々にとって、生活は正常に戻っています。
インドと我が国の相違
インドはワクチンが間に合わなかったので、最終的には国民のほとんどが自然感染する事で、集団免疫を得て新型コロナを抑え込んだという訳ですね。
それにしても400万人を超える死者とは驚きます。
我が国でこの様なやり方をすれば政権は持たないと思います。
我が国の方がずっと高齢化が進んでいますので、インドと同じやり方を採用すれば、はるかに大きな犠牲者が出ると思われます。(中位年齢で比べると、インドは25歳、我が国は49歳です。)
一つ朗報があるとすれば、世界で最大の人口を持つと言われるインドがほぼ集団免疫を獲得した事から、新たなインド変異株の発生の可能性が少なくなった点かと思います。
最後まで読んで頂き、有り難うございました。