来年はどんな年に?
来年2022年はどんな年になるでしょうか。
英誌Economistが「Ten trends to watch in the coming year」(来年注目すべき10のトレンド)と題して記事を掲載しました。
かいつまんでご紹介したいと思います。
Economist記事要約
2021年は世界がパンデミックに抵抗を開始した年でした。
2022年はパンデミックによって引き起こされた問題(新しい勤務形態、旅行の将来など)とより深い問題(中国の台頭、気候変動の加速)の両方で新しい現実に適応する必要があるでしょう。
来年注目すべき10のテーマをご紹介します。
民主主義対強権国家
アメリカの中間選挙と中国共産党大会は、ライバルの政治体制を鮮やかに対比させます。
安定性、成長、革新を実現するのに優れているのはどちらでしょうか?
この競争は、貿易から技術規制、予防接種から宇宙ステーションまで、あらゆる分野で展開されます。
バイデン大統領が民主主義の旗の下で自由な世界を結集しようとしている時、機能不全で分断されたお膝元の国はそのメリットを宣伝する上で不十分です。
パンデミックから風土病へ
新しい抗ウイルス薬、改良された抗体治療、そしてより多くのワクチンが生産されています。
先進国のワクチン接種を受けた人々にとって、ウイルスはもはや生命を脅かすものではありません。
しかし、それでも発展途上国では致命的な危険をもたらします。
予防接種を強化できない限り、新型コロナは、貧しい人々を苦しめるが金持ちは苦しめない風土病の1つになっていくでしょう。
インフレの懸念
サプライチェーンの混乱とエネルギー需要の急増が価格を押し上げました。
中央銀行はそれが一時的なものだと言いますが、誰もが彼らを信じているわけではありません。
英国は、ブレグジット後の労働力不足と高価な天然ガスへの依存により、スタグフレーションのリスクにさらされています。
仕事の未来
将来の勤務形態は「ハイブリッド」であり、より多くの人々が自宅で仕事をするためにより多くの日数を費やすという幅広いコンセンサスがあります。
しかし、詳細については意見の相違がたくさんあります。
週に何日、何曜日?そしてそれは公平でしょうか?
調査によると、女性はオフィスに戻ることにあまり熱心ではないため、昇進において不利になるリスクがある可能性があります。
税制や遠隔地労働者の監視についても議論が高まっています。
IT企業への規制
欧米の規制当局は、何年もの間、ハイテクの巨人を抑制しようとしてきましたが、彼らの成長や利益にまだ打撃を与えていません。
現在、中国が主導権を握り、テクノロジー企業を厳しく取り締まっています。
習近平主席は、ゲームやショッピングなど軽薄なサービスではなく、戦略的優位性を提供する「ディープテック」に焦点を当ててほしいと考えています。
しかし、これは中国のイノベーションを後押しするのでしょうか、それとも業界のダイナミズムを抑圧するでしょうか。
暗号の成長
すべての破壊的技術と同様に、規制当局が規則を厳しくするにつれて、暗号通貨は飼い慣らされています。
中央銀行は一方で、独自の中央集権化されたデジタル通貨の立ち上げを検討しています。
その結果、2022年には暗号ブロックチェーン-クラウドファンディング、より伝統的なテクノロジー企業、中央銀行の間で、金融の未来をめぐる3者間の戦いが生まれます。
気候変動
山火事、熱波、洪水の頻度が増加しているにもかかわらず、気候変動への取り組みに関しては、政策立案者の間で緊急性の著しい欠如が見られます。
さらに、脱炭素化は、地政学的な競争が深まる中、西側と中国が協力することを要求します。
ハーバードのソーラージオエンジニアリング研究チームに注目してください。
2022年に、彼らは高高度気球を使用してちりを放出し、太陽光を薄暗くすることをテストしたいと考えています。
これは、脱炭素化までに多くの時間を必要とする世界が必要とする手法かも知れません。
旅行業界が抱える問題
経済が再開するにつれ、経済活動は活発化しています。
しかし、オーストラリアやニュージーランドなど、コロナゼロ戦略を追求した国々は、ウイルスが流行している世界への移動を管理するという難しい課題に直面しています。
その間、出張の半分がなくなります。
これは高額のビジネス旅行客を失う観光業界にとっては痛手です。
宇宙開発競争
2022年は、政府によって指名された宇宙飛行士よりよりも多くの人々が有料の乗客として宇宙に行く最初の年になります。
中国は新しい宇宙ステーションを完成させます。
映画製作者は無重力下で映画を作ることを競争しています。
そして、NASAは、ハリウッド映画のように聞こえますが、宇宙探査機を小惑星に衝突させます。
スポーツイベント
北京での冬季オリンピックとカタールでのサッカーワールドカップは、大きなスポーツイベントがしばしば政争の具になることを再認識させます。
代表チームによるボイコットは起きないと思いますが、開催国に対する抗議が活発化する事は間違い無いでしょう。
何とかなるでしょう
最近の日本におけるコロナ感染者数の激減は明らかにワクチンの接種率が高まったためと思います。
mRNAという手法でのワクチン開発が行わなければ、世界の多くの国は今でも経済活動を再開できていなかったかも知れません。
ワクチンの奇跡は、人類の叡智が今後の問題も解決してくれるのではないかという期待を持たせてくれます。
気候変動に対処する方法として挙げられた高高度空間への「ちり」放出という手法は面白いですね。
農業関係者等との調整が必要と思われますが、地球の温度を下げるという意味では注目すべきテクノロジーと思います。
最後まで読んで頂き、有り難うございました。