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メタバースとは何 - Facebookが社名を変えた理由

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社名を変えたフェイスブック

フェイスブックのザッカーバーグ氏が社名を聴き慣れたFacebookからMetaに変更すると発表した時、Metaとは何だと思った人が多かったと思います。

私もその一人です。Metaをウィキペディアで調べると「​​メタヴァース は、SF作家・ニール・スティーヴンスンによる1992年の著作『スノウ・クラッシュ』の作中で登場するインターネット上の仮想世界のこと。転じて、将来におけるインターネット環境が到達するであろうコンセプトモデルや、仮想空間サービスの通称としても用いられる」と書かれています。

これだけだと何のことかわかりませんが、要すればインターネット上に自分の変身とも言えるアバターを登場させ、そのアバターに普通では体験できない様な事を体験させ、本人はその擬似体験を楽しむという事なのかと思いましたが、どうもそれだけではなさそうです。

英誌Economistが「Don’t mock the metaverse」(Metaverseを馬鹿にしてはいけない)と題した記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Economist記事要約

「メタバース」は、ユーザーが内部で金儲けをし、遊び、買い物をする今日の2次元インターネットの3D続編です。

10月28日、ザッカーバーグ氏がFacebookのブランドをメタプラットフォームに変更したとき、多くの人がソーシャルメディアの巨人が自社のスキャンダルから注意をそらそうとしているのかと思いました。

ザッカーバーグ氏は、会社が抱える問題に対処するよりも、エキサイティングな新製品について考える方を好むタイプかもしれません。

そして誇大広告は巨大IT企業の常套手段です。

しかし、この新分野の分析をやめるのは賢明ではありません。

メタバースを真剣に受け止めるのには十分な理由があります。

 

1つは歴史的考察です。

コンピューターの機能が向上するにつれて、コンピューターが提供する内容はより豊かになります。

インターネットは、最初は黒い背景に白いテキストを映し出すことから始まりましたが、画像が1990年代に追加されました。

2010年代にはビデオが主流になりました。

そこから、3次元への移行は、コンピューティング能力の着実な成長の論理的帰結です。

 

その進歩は単なる理論以上のものです。

Googleマップは、現実世界の駅、ショップ、通りを含む仮想空間をすでに提供しています。

ビデオゲーム業界は、既に何年もの間、仮想世界を販売してきました。

1999年に発売されたオンラインゲーム「EverQuest」は、ピーク時に50万人の加入者を抱えていました。

5年後に発売された「Worldof Warcraft」は、1,200万人に達しました。

最近では、月に2億人が、ビデオゲームの「Roblox」に没頭しています。

多くの人が実際のお金を仮想商品に費やしています。

何百万人もの人々にアイデアが既に普及している場合、そのアイデアが決して普及しないとは言えません。

 

最後に言えるのは、馬鹿にされたからと言って将来モノにならないわけではない事です。

2005年にYouTubeが登場したとき、コメンテーターは、ケーブルテレビが手軽に観れる時代に、寝室で自分たちを撮影している10代の若者を見たいと思う訳がないと酷評しました。

20年の間に、オンラインデートは、人に会うための目立たない方法として、普及していきました。

スマートフォンは、これまでに製造された製品の中でも最高のベストセラー商品ですが、レンガほど重くて大きい初代の携帯電話は、1990年代に、投資銀行家のステータスシンボルとして嘲笑されました。

 

これは、すべてのシリコンバレーの思いつきが自動的に成功するという意味ではありません。

また、モバイルインターネットなどがそうだった様に、メタバースが一夜にして成功する訳でもありません。

しかし、比較的近い将来に何かメタバースの様なものが出現するという考えは、真剣に検討する価値があることを示唆しています。

ザッカーバーグ氏の目指すところ

確かにここのところの技術の進歩は目覚しく、今後VRなどの3次元の技術は、本物と変わらない擬似体験をさせてくれるかもしれません。

個人的には高さが20メートル以上もある大波に乗ってみたいですね。

本物であれば命を危険にさらしますが、擬似体験であれば問題ありません。

体を包み込む轟音、パイプラインの中をすり抜ける爽快感をコンピュータが味合わせてくれるのもそう先の事ではないでしょう。

ところでザッカーバーグ氏などITの巨人たちの狙いは何なのでしょうか。

任天堂の「あつまれ、どうぶつの森」というビデオゲームもアバターを使って擬似体験をしているという意味ではメタバースと呼べる様ですが、こんなのはかわいいもんです。

Facebook社が今年発表した独自のメタバース「Horizon Workrooms」はずっと先を行っています。

このプラットフォームでは、NFT(非代替性トークン)が使われており、メタバース内の土地やアバターを自由に売買する事が可能だそうです。

​​NFTとは、ブロックチェーン技術を用いてつくられる、唯一性を持つデジタルデータのことですが、どうもザッカーバーグ氏は仮想空間をマネタイズすることによって莫大な収入を得ようと狙っているのではないかという気がします。

GAFAはGAMAと今後呼ばれる様になるかも知れませんが、彼らが引き続き新しいビジネスモデルを開拓していくことになりそうです。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。