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欧州で再燃するコロナ感染から学ぶ事

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コロナ感染拡大の理由は何か

新型コロナ感染は未だに収まりません。

欧州では冬の到来とともに感染が再拡大し、ドイツを筆頭に多くの感染者と死者を出しています。

ワクチンの接種率も高く、医療システムも完備している欧州で感染拡大が進む理由は何か、効果的な対策はあるのかという問いに対して英誌Economistが「How Europe should deal with covid-19」(ヨーロッパは新型コロナに如何に対処すべきか)と題する記事で答えを出そうとしています。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Economist記事要約

今後数年間で、新型コロナはおそらく季節性疾患として定着し、高齢者や健康状態の悪い人々にとっては致命的な脅威となりえますが、他のすべての人にとっては大した問題とはならないでしょう。

しかし、ヨーロッパが現在経験している様に、そこに到達するまでが大変です。

EUは、過去最高の、1日に約25万件の症例を記録しています。

予防接種が開始されてから11か月後、一部の地域の集中治療病棟はほぼ満員になりました。

世界保健機関は今週、3月までにさらに70万人のヨーロッパ人が死亡する可能性があると警告しました。

 

警戒感が高まる中、政府は再びロックダウンしています。

オーストリアは、ワクチンを摂取しなければ罰金を科すと国民に要求した最初の先進国になりました。

ドイツが続くかもしれません。

デモ隊は、オランダ、ベルギー、イタリアなど、新しい規制に抗議するために街頭に出ており、混乱が生じています。

 

第4の波に対処することは、それを引き起こしている原因を理解することから始まります。

冬の天候が人々を屋内に閉じ込め、ウイルスが容易に広がるため、新型コロナはヨーロッパで急増しています。

EUでは、12歳以上の人口の60%強が完全にワクチン接種されています。

しかし 英国の多くの人の様に、感染を生き延びたことから免疫を獲得していない限り、およそ1億5000万人の人々は無防備なままです。

これは免疫学的に弱いと見られる中国のような場所への警告です。

一方で、2回目の投与から約10週間後に免疫力が低下し始めます。

ブースターショットは不可欠ですが、EUはその準備に時間がかかりました。

ドイツでは、感染は12日ごとに倍増しています。

その理由の1つは、英国では23%であるのに対し、3回目の投与を受けたのはわずか8%からです。

 

パンデミックではよくあることですが、政府は感染の指数関数的成長に巻き込まれています。

彼らは遅れて行動するので、極端な手段に頼らなければなりません。

抗議者たちは、彼らの自由が踏みにじられていると言います。

予防接種を拒否する人々の多くは、国には彼らを強制する権利がないと主張しています。

その議論には欠陥があります。

理由の1つは、ワクチンを接種していないと、他の人に感染させる可能性が高くなることです。

ワクチンを受けていない人は医療システムを崩壊させ、コロナとは関係のない人を含む多くの死者を出します。

政府が病気の蔓延を遅らせるためにロックダウンに訴えなければならない場合、反ワクチン接種者はワクチン接種者の自由を奪っています。

 

政府の介入の目的は、コロナを根絶することではなく、新規感染者数を管理し、その広がりを遅らせることです。

そうする事で、医療システムを保護し、ワクチンを投与し、モルヌピラビルなどの強力な新薬を調達するための時間を稼ぐことで、命を救います。

 

簡単な方法は、手洗いとマスク着用を促進することです。

どちらも病気の蔓延を減らしますが、誰の自由にも大きな影響を与えません。

次にブースター接種が、感染を遮断し、個人と社会全体を保護します。

国はまた、公共の場所へのアクセスのために予防接種や陰性検査を要求するなど、既存の措置を実施することができます。

 

ドイツやオーストリアのように、病気が蔓延しているにもかかわらず、これらの対策のほとんどが実施されている場所での急増を抑えるには、それだけでは不十分かもしれません。

さらに、予防接種が国による陰謀であるとあなたが信じるならば、ワクチン強制はあなたの疑いを確認するだけであり、お金と人々を反ワクチンキャンペーンに引き付けます。

こういった動きは、今後何年にもわたってワクチンへの信頼を損なう可能性があります。

一部のヨーロッパ諸国のように、政府の政策が失敗した場合、唯一の緊急ブレーキは、より多くのロックダウンとなるしかありません。

我が国はどうすべきか

医療水準が高いドイツやオーストリアでこれだけの感染拡大が進むとなると、我が国も例外だとは言い切れません。

今、私はトルコのイスタンブールに居ますが、感染拡大が始まった昨年初めには全くと行っていいほどマスクの着用が見られなかったこの国でも、今や公共の場所ではほとんど皆マスクを着用しています。

町中至る所に手指の消毒液が置いてあり、その数は日本以上かもしれません。

マスク、手洗いこの二つを我が国も励行する事が必要でしょう。

そしてワクチンのブースター接種、幸いにも日本には反ワクチン論者が欧州ほど多くないですが、ワクチンを打たない人は結果的にワクチンを打った人の自由を奪っている事を認識して欲しいものです。

最後に水際対策も重要です。

島国という利点を日本は最大限に使って、変異株の流入を可能な限り食い止める事が必要でしょう。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました