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新変異株オミクロンにどう対処するか

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新変異株の出現

南アフリカで新たな変異株が発見され、オミクロンと命名されました。

この変異株に関する研究結果は未だにどの政府も入手していませんが、欧州を初めとして多くの国(我が国を含む)が南アフリカからの渡航を禁止しました。

この様な素早い決断はデルタ株流行の際には見られなかったものです。

英誌Economistが「Countries are scrambling to stop a new covid variant」(新しい変異株を阻止するために各国は対策を急いだ)とする記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Economist記事要約

新型コロナの感染が世界に教えた教訓が1つあるとすれば、それは早期の行動が報われるということです。

判断の拠り所となるデータを一週間待てば感染が急増し、取り返しのつかない事態に陥ります。

そのため、11月25日に南アフリカで新しい変異種が心配されるとの情報が流れるや否や、ヨーロッパをはじめとして多くの国が1日以内に南アフリカからの渡航を禁止しました。

11月26日、世界保健機関は、この変異株にオミクロンという名前を付けました。

 

オミクロンに関する懸念はたくさんあります。

最大のものは、今日世界中のコロナ感染を支配しているデルタよりも感染能力が高いかもしれないということです。

もしそうなら、オミクロンは数ヶ月以内にデルタに取って代わる可能性があります。

もう1つの懸念は、今日のワクチンやコロナに対する薬が、オミクロンに対して効力が低い可能性がある事です。

 

現時点では、これらの懸念が正しいかどうか定かではありません。

オミクロンが実際にどれほどの脅威をもたらすかについて研究機関から確かな証拠が得られるまでには、数週間から数ヶ月かかるでしょう。

その間、多くの国が新しい変異株が旅行者と共に自国に侵入するするのを阻止しようとしています。

当然です。

彼らは、最善を期待しながら、最悪の事態に備え時間を稼ごうとしています。

 

数はまだ少ないにもかかわらず、この新しい変異株が南アフリカの多くの州で急速に広がっていることが確認されました。

オミクロンの特徴は突然変異の多さで約50個あります。

突然変異が多いからと言って必ずしも危険だという訳ではありませんが、オミクロンのもののいくつかは、ウイルスの感染性を高める性質のもので、他の変異株の研究でも発見されています。

 

オミクロンの突然変異がワクチンの効力を弱めることが判明した場合、ワクチンを微調整する必要があるかもしれません。

西欧諸国で最も広く使用されているワクチンメーカーのファイザーとBioNTechは、6週間以内にmRNAワクチンを作り直し、100日以内に出荷できると述べました。

オミクロンが南アフリカで支配的になったとしても、それが世界の他の地域でデルタに取って代わるかどうかは不明です。

南アフリカには、他の場所では見られなかったベータ変異株の感染がありました。

一方で、ヨーロッパを席巻したアルファは、南アフリカでは見られませんでした。

 

以上の様に、オミクロンについてはまだ多くのことが解明されていません。

しかし、明らかなことは、昨年末にデルタがインドに出現したときよりも、世界がそれに対応するのに準備が出来ているということです。

デルタが「懸念される変異株」としてWHOに特定されるまでに、デルタはすでに世界の多くの地域に広がり、最終的にはパンデミックの新たな波を引き起こしました。

オミクロンがそのような規模で世界的な脅威をもたらすかどうかはまだ分かりません。

人類は学習している

オミクロンの出現は、昨日より世界の株価を大きく引き下げるなど大きな影響を与えています。

しかし、Economistが述べる様に、人類はデルタの失敗から学んでいます。

各国が水際対策を強化するなど、WHOの発表を待たずに、(いつもこの機関は決断が遅いです。寄り合い所帯だからでしょう)早め早めの決断を行なっています。

最善を期待しながら、最悪の事態に備えるという危機管理の要諦を踏み外さない限り、人類はこの新たな変異株にもうまく対応していくでしょう。

 

最後まで読んで頂き、有難うございました。