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ワクチン生みの親BioNTech社社長が語るオミクロン

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急速に広がるオミクロン

新しい変異株のオミクロンは日本でも見つかった様ですが、どの国も水際対策を強化している様です。

いまだに得体が知れないオミクロンについて意見を求めるとすれば、MRNA技術を使ってファイザーと共にワクチンをいち早く開発したBioNTechの社長ウール シャヒン氏ではないでしょうか。

英誌Economistが同氏とのインタビューに成功しました。

「BioNTech’s vaccine may need a tweak, but its founder is unfazed - Ugur Sahin stresses the importance of booster shot」(​​BioNTechのワクチンは微調整が必要かもしれないが、その創設者は動揺していない。ウール・シャヒンはブースター接種の重要性を強調)と題された記事をご紹介したいと思います。

Economist記事要約

世界中が、最新の変異株であるオミクロンの蔓延を憂慮しているため、ファイザーと提携して最初の効果的なワクチンを考案したドイツ企業、BioNTechの創設者兼CEOであるサヒン氏の意見は傾聴に値します。

11月29日、世界保健機関は、オミクロンが「非常に高い地球規模のリスク」をもたらすと発表しました。

 

椅子に腰を下ろしたサヒン氏は、オミクロンについて理解が不足している事を認めながらも、安心感を与えようとしました。

そして、彼はすべての人にワクチンを接種するように、そして二回ワクチン接種を受けた人にはブースター(追加接種)を行うように促しました。

「私は個人的に状況を恐れていません。そのような変異株が来ることを予想していました」と彼は言います。

サヒン氏は、オミクロンがウイルスに対する直接防御の第1層である抗体応答を克服したとしても、免疫系がT細胞を含む第2層で撃退する可能性があると説明しました。

T細胞は感染した細胞を攻撃してウイルスの繁殖を阻止します。

それでも、オミクロンについてはまだ多くのことがわかっていません。

BioNTechは11月26日、新しいワクチンが必要かどうかを判断する前に、2週間にわたって変異株を検査すると発表しました。

同社は、ラボでオミクロンに対して既存の製剤をテストしています。

 

サヒン氏は、ブースターを持っている人は保護される可能性がありますが、ワクチンを2回接種しただけの人は保護されない可能性があると言います。

ウイルスが広がると、BioNTechは、ワクチンを1回、2回、または3回接種したオミクロンに感染した人々からデータを収集します。

これらのデータにより、サヒン氏のチームは、オミクロンがもたらすリスクがワクチン接種状況にどのように関連しているかを分析することができます

大きな問題は、ブースターショットが十分かどうかです。

 

もう1つの不明な点は、インフルエンザワクチンの場合のように、ワクチンを継続的に更新する必要があるかどうかです。

ウイルスが突然変異を停止すると考える理由はありません、とサヒン氏は言います。

オミクロンの登場は、ワクチンを毎年更新する必要があり、人々は定期的に再ワクチン接種を受ける必要があるという考えを支持しています。

 

オミクロンに感染するとワクチン接種を受けた人々も重症化するのではという心配については、サヒン氏は懸念を和らげようとします。

彼は、ブースター接種された人々は、オミクロンを捕まえた場合軽度または中程度で済む筈だと述べています。

英国は今週、2回目のワクチン接種と追加接種の間に必要な期間を3ヶ月に短縮しました。

BioNTechは、規制当局であるアメリカ食品医薬品局および欧州医薬品庁と緊密に協力しています。

現在、ワクチンを微調整するたびに徹底的なテストを行う必要がないという原則を確立するために、以前の変異株に合わせて調整されたワクチンの臨床試験を実施しています。

それでも、新しいワクチンが利用可能になる前に、早くても3月か4月になるでしょう。

 

一方、初期の変異株の1つであるデルタは、ヨーロッパに非常に大きな打撃を与えています。

大陸全体をデルタから保護するために、サヒン氏は、デルタに感染した1人が平均して他の7人に感染するため、人口の86%が抗体を必要とすると計算しています。

オミクロンはさらに伝染性が高い可能性があります。

たとえば、1人の感染者が平均して他の12人にオミクロンを感染させるとすると、集団の92%が集団免疫を持つために抗体を必要とします。 (ドイツでは、68.5%の人が二回接種を受けています。更に一部の人は感染によって免疫を獲得しています。)

 

しかし彼は、コロナは長い間存在し、ギリシャ語のアルファベットの文字よりも多くの変異株があるだろうと警告しています。

オミクロンの後にパイが来るでしょう。

そして、新しい変異株が必ずしも穏やかであるとは限りません。

移民の子が救った数えきれない命

サヒン氏はドイツに移民したトルコ人の子ですが、移民の子が驚くべきワクチンを開発して、世界中の人々の命を救った事は特筆すべき事です。

コロナに依る死者は世界中で1500万人に及ぶと言われています(実際の公表数字はこれよりずっと少ないですが、これは超過死亡者数から推測した数字です。)

彼の会社が開発したワクチンが数えきれない程の人命を救った事は確かです。

そんな彼の発言には一つ一つ重みがあります。

これからも人類はコロナとの闘いを覚悟しなければなりませんが、彼の言う通り、ワクチンをしっかり打っていけば、重症化を抑える事ができ、いずれ世界中にワクチンが行き渡れば、収束の道が見えてくるのではないでしょうか。

 

最後まで読んで頂き、有難うございました。