世界中に顔を出す政治家
昨日のブログでインドを訪問したプーチン大統領を取り上げましたが、この政治家は西側ではあまり評判がよくありませんが、世界中の至る所に登場するという意味では、誰よりも上を行っている様です。
彼に関して、仏紙Les Echosが「Vladimir Poutine omniprésent sur la scène internationale」(世界のどこにでも現れるウラジミールプーチン)と題した記事を掲載しました。
かいつまんでご紹介したいと思います。
Les Echos記事要約
バイデン大統領が主宰する木曜日の民主主義サミットにおいて、プーチン大統領は招待されない大物の一人になるでしょう。
しかし、クレムリンの主であるプーチンは至る所で話題に上ります。
ロシアと西側の緊張の中心にあるウクライナ問題に関して、バイデン大統領は火曜日のビデオ会議でプーチンにウクライナに侵入しないとの約束を求めました。
しかし、ロシアの大統領は、曖昧さにかけては右に出るものがなく、米国大統領を煙に巻きました。
7月に発表された長い記事の中で、クリミア半島で勝利したが、2014年にウクライナを失ったクレムリンの主は、ロシア人とウクライナ人は「精神的、人間的、文明的なつながりがあり、何世紀にもわたって一体である」と書いています。
ここ数週間のロシア軍の「異常な」動きはウクライナを震え上がらせました。
昨年の春の様に、ロシアは西側からの「激しさを増す活動」に対応しているだけだと言います。
しかし、10月末以降、ソーシャルネットワーク上のビデオでは、重火器を持ったロシア軍がウクライナ国境に向かって移動していることが示されています。
その後、移動は激化し、戦車、大砲、その他の装備を備えた機甲師団も参加しました。
その数175,000人と推定されます。
「ヒステリック」とプーチン大統領は西側の反応を形容します。
彼はいかなる好戦的な意志も否定し、西側に責任を負わせます。
伝統的な価値観の擁護
プーチンにとって、西側との各危機は、彼が衰退していると考える西側のシステムを非難する絶好の機会です。
大帝国主義ロシアに言及してソ連を懐かしむ元KGBスパイは、自由主義を時代遅れと見なし、伝統的な価値観を擁護したいと考えています。
伝統的な価値観の保護者であるロシアが未来を築くと主張しています。
彼はアジアでも存在感を高めています。
中国の習近平主席とは個人的な友好関係をアピールしています。
しかし、月曜日にはインドへも足を運びました。
そこでは「信頼できる同盟国」と大統領は印露関係を定義しました。
それは、ウクライナの前線の緊張から遠く離れて、ロシアが世界の舞台で孤立していない事を示す効果的な方法だったかも知れません。
世界一長い国境線を持つ国ロシア
ロシアの肩を持つわけではありませんが、ロシアという国は非常に守るのが難しい国です。
世界で一番長い国境線だけではありません。
その国境は多くの場合天然の障害物、山脈や大河で守られていません。
過去の歴史を振り返っても、多くの外敵の侵入を許してきました。
ナポレオンやヒトラーを撃退したからいいじゃないかという議論もありますが、その過程で数えきれない程の犠牲者を出しています。
従い、旧ソ連の時代から国境の外側に衛星国を置きたがりました。
東欧の国はまさにロシアを西側から守る障害物の役割を果たしていたわけです。
しかし東欧はNATOに取り込まれ、ロシアは一枚また一枚と薄皮を剥ぐ様に衛星国を失った訳です。
そういうロシアにとってウクライナは絶対譲れない最後の一線なのだと思います。
もしウクライナがNATOのメンバーになったらそれはロシアにとって悪夢以外の何ものでもありません。
ウクライナをNATOに取り込もうという動きは西側の一部にありますが、それは虎の尾を踏む行為になるでしょう。
最後まで読んで頂き、有難うございました。