高齢化に伴う認知症の増加
我が国は少子高齢化の最先端を走っていると言われます。
東京にいるとそれ程感じませんが、地方に行くと若い人が本当に少なくなっていることを実感します。
少子高齢化で怖いのは、年金会計の問題もそうですが、ケアが必要なお年寄りの世話を誰が行うのかという問題です。
特に認知症にかかったお年寄りは、場合によっては24時間つきっきりで世話をする必要があります。
この認知症の問題について英誌Economistが医学雑誌Lancetの論文を取り上げて解説しました。
Lancetは英国の医学雑誌で米国のNew England Journal of Medicineと並んで最も権威のある医学雑誌と言われています。
かいつまんでご紹介したいと思います。
Economist記事要約
今日、世界で推定5,700万人が認知症を患っています。
認知症は、最悪の場合、24時間のケアが必要な不治の病です。
医学雑誌Lancet Public Healthに発表された研究に依れば、2050年までに認知症患者数は3倍の1億5千万人に達し、女性は特に増加する様です。
認知症における最も重要な危険因子は言うまでもなく年齢です。
認知症は、数十の様々な病気を包含していますが、その中で最も重要なのはアルツハイマー病であり、症例の60〜80%を占めます。
ほとんどすべての人は、年をとるにつれて発症する可能性が高くなります。
認知症患者数の増加は、主に人口の増加と寿命が伸びる事に起因します。
そのため、サハラ以南のアフリカなど、人口が最も急増している地域で、今後最大の増加が予想されます。
これは、認知症が現在のように、主に先進国の問題ではなくなることを意味します。
一方、先進国では、高齢化が主な原因で認知症の増加が予測されています。
Lancet Public Healthの研究では、年齢とは異なり、喫煙、肥満、高血糖、低教育など避ける事が可能なリスクも考慮されています。
すでに北米とヨーロッパでは、認知症の発生率、つまり、特定の年齢の認知症患者の割合が著しく低下しています。
これはおそらく、教育へのアクセスと心臓血管系の健康の改善によるものです。
調査によると、これらの進歩により、認知症になると予想される人々の数は世界で620万人減少すると予測されています。
ただし、一部の国での肥満、喫煙、高血圧の増加はそれを相殺する以上のものであり、それは680万人の症例につながります。
もちろん、これらすべての予測は正確ではありません。
しかし、世界は膨大な数の認知症患者と一緒に暮らすことを学ばなければならないということです。
アメリカは昨年、初期段階のアルツハイマー病の治療薬を承認しましたが、まだワクチンも治療法もありません。
これらの人々が必要とするケアのコストを誰がどの様に支払うかについては、まだどの国でも決まっていません。
そして、多くの場所で、誰がケアするのかもはっきりしていません。
個人でできるだけの予防を
残念ながら人は老いから逃れる事はできません。
加齢と認知症が深く結びついているのであれば、ある確率で歳を取れば、認知症になると言う事です。
これを避けるために可能な限り、食事や運動に気をつける必要があるでしょう。
喫煙や肥満、高血糖が認知症の要因になるとは知りませんでした。
出来れば周りの人に迷惑をかけない様に老いて行きたいものです。
健康年齢を出来るだけ伸ばす様に皆さん頑張りましょう。
最後まで読んで頂き、有り難うございました。