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ニューヨークタイムズの賛辞を素直に喜べないフランス人

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ユニークなフランス人の性格

フランスという国は面白い国です。

特に、国民の性格がユニークです。

大統領だろうが首相だろうがこっぴどく批判しますが、心の底では愛国主義者です。

ルソーやモンテスキューを生んだフランスが自由民主主義の発祥の地であり、米国などが自由民主主義のリーダーであると主張すると何を偉そうにと鼻でせせら笑っています。

心の底では自由の女神をお前らに送ったのは誰か忘れたのかと思っています。

未だに大国意識が強く、それは第二次世界大戦中、ロンドンに逃げて亡命政権を作ったドゴール将軍が、連合軍が勝利するや否や勝利国側に堂々と座った図々しさを受け継いでいます。

お隣のドイツには何をやっても負けてばかりですが、力に頼りすぎる隣国の欠点を利用して、EUの中では一番の発言力を確保しています。

しかし、一方で自虐的で、自分たちの幸福を素直に認めようとせず、常に不満を持っています。

こんなフランス人の特徴がよく現れた記事が仏紙Les Echosに記載されました。

「Le retour du « modèle » françaisC'est cyclique : lors de chaque crise mondiale, la France fait mieux que les autres, et les Anglo-Saxons érigent notre système économique en modèle. Mais ces performances sont souvent dues à notre « édredon » de dépenses publiques financé par la dette...」(「フランスモデル」の復活 - 世界的な危機のたびに、フランスは他の国よりも優れているとして、アングロサクソンは私たちの経済システムをモデルとして設定する。 しかし、これらのパフォーマンスは、多くの場合、債務による公的支出により実現されている)と題された記事かいつまんでご紹介したいと思います。

Les Echos記事要約

世界で危機が起こる度に、アングロサクソンのメディアは、「コルベール主義(重商主義)」の欠陥を指摘し、「フランスの経済モデル」を再評価します。

これは、特にリーマンショック後に見られた現象です。

今、新たな「フランスの時代」がやって来ました。

先週「ニューヨークタイムズ」で、経済学者のポール・クルーグマン氏は、「フランスは他の国よりも優れている」と述べました。

同記事によると、フランスは、危機からの脱却のチャンピオンだそうです。

 

大統領が誰であろうとフランスを社会主義国と見なしている米国では、フランスの選択が賢明であったことを指摘するのは勇気が必要です。

実際、我々は学習支援によって若者の失業率を減らすことができました。

又、世帯に小切手を送るのではなく、大規模なワークシェアリングに頼ることで、従業員を企業に留めることが可能になりましたが、アメリカの雇用主は現在「大量退職」に直面し、従業員を確保することに苦労しています。

 

発表されたばかりの2021年の7%の成長は、周期的に訪れるフランスに対する評価を確実に刺激するでしょう。

この数字が2020年の8%の現象を補うものではないにしても、フランスは米国よりも、おそらく英国よりも、そしてドイツよりもはるかに優れているからです。

2009年のリーマンショックの際も、フランスはほぼ単独で、プラスの成長率を記録しました。

当時の「フランスの成功」にはもう一つ原因がありました。

規制の擁護者であるフランス人は、混乱の中で国際機関を統治していました。

IMFのカーン、WTOのラミー、欧州中央銀行のトリシェ...そしてサルコジ大統領は、EUの議長国としての特権を利用して2008年末にワシントン金融会議を組織しました。

フランスには再びEUの議長国がまわってきており、マクロンも足跡を残したいと考えています。

 

「フランスは順調ですが、悲惨な気分です」と題した記事を最近英誌「エコノミスト」は掲載しました。

たとえ不満が私たちの遺伝子だとしても、私たちの喜びを損なうことはありません。

しかし、これらのパフォーマンスが「いかなるコストをかけても」という政策のおかげで得られたことを忘れるのは難しいです。

したがって、債務が再び重くなり始めるときに、フランスモデルの欠陥として持続不可能になるでしょう。

資本主義の将来

「米国の大統領が誰であれ、フランスを社会主義国と思っている」との一説は面白いですね。

岸田首相の「新しい資本主義」の中身は一向に明らかにされませんが、富の格差がいずれの国でも拡大している中、フランスのやり方は一考の余地があるかも知れません。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。