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ウクライナ侵攻を中国はどう見ているのか

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ウクライナに興味津々の中国ソーシャルメディア

今回のウクライナへのロシア軍侵攻はどうしても中国の台湾侵攻の可能性を想起させます。

経済制裁でしか対応できなかった西側の反応を中国はどの様にみているのでしょうか。

米紙ウォールストリートジャーナル(WSJ)が「Mockery of West, Warnings to Taiwan Fill Chinese Social Media After Ukraine Invasion」(ウクライナ危機に際し、西側を嘲り、台湾に警告を投げかける中国のソーシャルメディア)と題した記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

WSJ記事要約

中国共産党の機関紙「人民日報」でウクライナの最新の動向に関するニュースを求めている人はがっかりするでしょう。

どこにも関連記事は見当たりません。

これは中国のリーダーたちがこの問題において明確なスタンスをとる事を避けているからです。

しかし、中国のソーシャルメディアでは、インターネットユーザーと著名なナショナリストが、プーチン大統領に同情を示し、西側の信頼性に疑問を投げかけ、紛争を煽っているのはNATO側だと非難しました。

中国のインターネットユーザーは、ロシアのウクライナへの攻撃に対して西側諸国は腰抜けの対応しかできていないと公然と嘲笑し、北京が力ずくで支配することを誓っている台湾とウクライナを重ね合わせています

 

モスクワ国際関係大学の研究員であるイゴール・デニソフは、人民日報に記事がないのは、党内で結論が出ていない事を反映しているが、中国の世論は以前よりも親露であり、ロシアの公式見解の多くを反映していると述べました。

 

ロシアのウクライナ侵攻に対する国民の関心は計り知れません。

ウクライナ危機に関する中国版ツイッターの「微博(ウェイボー)」​​​​の特集は40億回以上の閲覧を獲得しています。

ナショナリストのタブロイド紙である環球時報などは、他の中国の報道機関に比べて制約が少ない様です。

最近の社説では、プーチン氏と中国外務省の両方が、米国の圧力によりプーチン氏が攻撃を強いられたという議論を繰り返しています。

元環球時報編集長の胡錫進は、最近、戦争の原因を「NATOの絶え間ない東方拡大」とするいくつかのコラムを書いています。

中国の外務省や主要な国営メディアのように、胡氏は「侵略」という言葉を避けるように注意を払い、代わりにプーチン氏が「剣を抜く」という婉曲的な表現に留めました。

昨年のアフガニスタンからの米国の撤退と同様に、中国の国営メディアは、米国や西側の同盟国が、彼らが支援すると約束した発展途上国を簡単に放棄すると宣伝しました。

 

ウクライナのゼレンスキー大統領が金曜日に、27人のヨーロッパの指導者にウクライナがNATOに参加するかどうか尋ねた動画は、160万以上のいいねを獲得しました。

「私は直接尋ねました。誰もが恐れています。誰も答えない」とゼレンスキー氏は語りました。

投稿の中で最も人気のあるコメントは、「彼らはすべてリップサービスを行なうが、どの国も軍隊を送らない。」というものでした。

環球時報は木曜日に発行された社説で、ウクライナ危機に対する西側の反応が鈍いことは、中国共産党から距離を置こうとする台湾与党への警告として心に止めるべきだと主張しました。

「ウクライナでの米国のパフォーマンスは、「台湾独立」の擁護者に米国は頼りにならないと感じさせる筈です。ワシントンに頼ることはできません」と社説は主張しました。

頼りにならないとのレッテルを貼られかねない西側諸國

明らかに今回のウクライナへのロシア軍侵入は、中国における台湾侵攻論者を勇気付けるものとなったと思われます。

ウクライナはロシアにとって他国ですが、中国にとって台湾は同じ国です。

香港と同じ様に、中国の好きな様にやらせてもらうと彼らは勢いづいた事でしょう。

これに対して西側には有効な手があるのでしょうか。

力による現状変更に対して、経済制裁程度しか手が無いようであれば、西側は頼りにならないとの印象を発展途上国に植え付けかねません。

ここは踏ん張りどころです。

強権主義の国に決断を踏みとどまらせる有効な手段を見出す必要があると思われます。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。