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ボーイングの復活に暗雲

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世界最大の航空機市場

ウクライナの戦争に関するニュースの影に隠れ、あまり大きく取り上げられませんでしたが、中国におけるボーイング737型機の墜落は衝撃的でした。

ボーイングのこの小型機は、筆者がこれまで最も多く乗った飛行機であり、その信頼性と適度な機体サイズで、世界の空を席巻してきました。

ウクライナ問題でギクシャクし始めた米中の関係に、この事故がどの様な影響を与えるのか、米誌ウォールストリートジャーナル(WSJ)が「China Eastern Plane Crash Complicates Boeing’s China Relationship」(ボーイングと中国の関係を複雑にする中国東方航空の墜落事故)と題した記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

WSJ記事要約

中国東方航空の737-800の墜落は、中国のボーイング社にとって厄介な時期に起こりました。

ボーイングは、新型機MAXが引き起こした信頼の喪失と中国市場への出遅れを何年もかけて乗り越えた後、重要市場での地位を復活させるため取り組んでいた矢先の事故でした。 

月曜日に、132人を乗せたボーイングの航空機が突然墜落し、生存者はまだ見つかっていません

中国東方航空は、グループ全体で就航中の244機の同型機の運行に影響を与えると公表しています。

ボーイングにとって過去に事故を引き起こした MAXの中国での就航が間近に迫っていた時期に、墜落が発生しました。

中国は過去30年間で航空産業を急速に発展させてきたため、ボーイングにとってますます重要な市場となっています。

ボーイング自身のデータによると、同社は中国に1,736機のジェット機を納入し、さらに143機が注文されています

中国は今後20年間で、主にボーイングとエアバスSEから8,700機の新しいジェット旅客機を購入し、世界の需要の5分の1近くを占めると予測されています。

切っても切れない米中の経済関係

こんなところにも、米中が深く結びついている分野があるのだと再認識させられました。

中国は米国とほぼ同じサイズの国土を持ちますが、飛行機で3−4時間飛べば都市間の移動が可能です。

これが中国でボーイング737型機の様なナローボディ機がベストセラーになった理由と思われます。

ボーイングとエアバスにしてみれば、今や世界最大の市場は中国であり、足を向けて寝れない関係が出来上がっている訳です。

経済関係は戦争を抑止するといいますが、ここまで米中の経済関係が進んでしまうと、今回ロシアに課した様な経済制裁を中国に課すのは難しい様な気がします。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。