MIYOSHIN海外ニュース

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西側とは全く異なる見方を示す中国メディア

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中国の欧米への批判

ロシアがウクライナに侵攻してから1ヶ月が過ぎましたが、戦争は膠着状態に陥っている様です。

中国はロシアを支援している様ですが、ロシアに対する制裁の火の粉が飛んでこない様に慎重な構えを見せている様です。

中国が現在の情勢をどの様に分析し、如何に対応しようとしているかは関心のあるところです。

中国の英字紙である環球時報が社説でウクライナ紛争を取り上げました。

「Washington benefits from Ukraine’s misfortune」(ウクライナの不幸から利益を得る米国)と題した記事をご紹介しようと思います。

環球時報社説要約

3月24日で、ロシアとウクライナの紛争は1か月続きました。

世界のすべての平和を愛する人々は、避けられたかもしれないこの血なまぐさい紛争がすぐに終わることを望んでいます。

しかし、ロシアとウクライナの紛争を解決する鍵を握っている米国とNATOは、戦争を終わらせるための効果的な動きを行っていません。

代わりに、彼らは対立をエスカレートさせ、ロシアとウクライナの間の交渉の障害となっています。

 

バイデン大統領はヨーロッパで、NATO首脳会合、G7首脳会議、欧州理事会会議に出席する予定です。

メディアの報道によると、バイデン氏はヨーロッパの同盟国と協力してウクライナへの次の段階の軍事援助を調整し、ロシアに対する新たな制裁措置を発表する予定です。

紛争から1か月の時点で、バイデン氏はヨーロッパで集中的な外交攻撃を実行しましたが、彼の狙いは火に油を注ぐ事でしかありませんでした。

 

米国の国家安全保障補佐官ジェイク・サリバンは、「この戦争は容易にまたは急速に終わらない」として、ウクライナではこれから厳しい日々が続くだろうと述べました。

これは米国による「判断」ではなく、米国政府によって慎重に導かれようとする方向性です。

米国は戦争が終わらないことを望んでいます。

何故なら、紛争を最大限に活用して地政学的価値を得ることができるからです。

言い換えれば、彼らはウクライナの不幸から利益を得ようとしています。

 

欧米は接近しているように見えるかもしれませんが、その溝は深まっています。

米国はロシアとウクライナの交渉を遅らせることに夢中になっていますが、ヨーロッパは安全と安定を望んでいます。

ヨーロッパには新たな反戦の声があり、これらの声には、ウクライナへの米国の武器供給に対する不承認が含まれています。

ますます多くのヨーロッパ人は、ウクライナに盲目的に武器を送ることが、彼らが追求する安全保障目標と反対の方向に向かっていることに気づいています。

さらに、長期的な厳しい制裁の結果は、米国が金持ちになり、ヨーロッパが費用を支払い、ウクライナで犠牲者が増えるということになるに違いありません。

 

バイデン氏は、ヨーロッパが揺らいでいる場合、ヨーロッパを「安定化」させる必要があります。

米国が「大西洋横断の友情」や「民主同盟」などの小さなカードをポケットから引き出し、世界のVIPクラブへのパスとして友人に配布することは想像に難くありません。

米国はまた、「クラブに参加しない」中立国に強い圧力をかけ、「ふらついている」とインドを批判し、他方では中国の平和への「脅威」をセンセーショナルに誇張しました。

これは典型的なマフィアのアプローチではありませんか?

 

ことわざにあるように、「結び目を元に戻すのは結んだ人に責任があります」

ロシアとウクライナの紛争は、米国とロシア間の紛争の激化の結果であり、問​​題の鍵は米国の手にあります。

米国が本当にウクライナの人々の「困難な日々」を続けたくないのなら、なぜ彼らはウクライナに武器を送り、ロシアを制裁するためにヨーロッパと「強調」することを選び、ロシアと直接対話することを拒否したのでしょうか?

答えは明らかです:米国は和平交渉を望んでいません。

ロシアとウクライナの紛争の解決法がどこにあるのかを知っているにもかかわらず、ワシントンはまだ路地の終わりに「道がない」と書かれた看板を必死に拭いています。

 

米国政府は、「民主主義」を装って覇権を推進し、「平和」の名の下に戦争から大金を稼ぐというショーの開催に長けています。

しかし、そのようなアプローチは時代遅れにならない訳ではありません。

時間が経つにつれて、人々は最終的にその本質を見透かすでしょう。

ロシアとウクライナの紛争の進展は、好戦家としての米国政府の性格を明らかにしています。

中国のものの見方を分析する必要性

なるほど、中国は西側と全く違う観点から物事を見ている事が良く理解できます。

米国が意図的にロシアとウクライナの戦争を長引かせているとの主張に、筆者は同意できませんが、この戦争が続けば続くほど米国が利益を得られるという現状認識は正しいと思います。

ウクライナでの戦争を対岸の火事として眺め、自由と民主主義のために戦い抜けとウクライナ人をけしかけている様に見えるのは気のせいでしょうか。

気の毒なのはウクライナ国民です。

長く続く戦争は犠牲者の増大と憎悪の増幅しかもたらしません。

ウクライナでの戦争がが長引けば、米国は武器の販売やガス石油の高騰で儲かるかもしれませんが、欧米の間の溝は中国が期待する様に広がっていくものと思われます。

そろそろ米国も本気でこの戦争を止めに入ってもらいたいと思います。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました