トルコが提供する海の人道回廊
黒海に面するウクライナの港湾都市マリウポリは完全にロシア軍に包囲され、その陥落は時間の問題と見做されています。
多くの市民が市内に取り残されており、安全に外部に避難するための人道回廊がロシア、ウクライナ双方の合意により設置された様ですが、うまく機能していない様です。
そんな中、トルコが船舶をマリウポリに派遣して、市民の脱出を助けるとの案が具体化されようとしています。
トルコの英字紙Turkish Newsの「Turkey can conduct evacuation from Mariupol by sea: Defense Minister」(マリウポリに海から脱出路を提供できる:トルコ国防大臣)と題した記事をご紹介したいと思います。
Turkish News記事要約
フルシ・アカル国防相は4月3日、トルコはマリウポリで民間人や負傷したトルコ人やその他の国民を海上から避難させるための船の支援を提供できると述べました。
「この文脈において、ロシア、ウクライナ両政府との調整は継続している」
「トルコとして、私たちはウクライナの人々に人道援助を提供し続けています。トルコも避難に関する支援を行っています。」と大臣は語りました。
トルコのチャブシュオル外相は4月1日、マリウポリには約30人のトルコ国民がいると述べました。
一方、「ロシア政府は、トルコのエルドアン大統領の要請により、ウクライナのマリウポリに民間人と外国人の避難のために別の人道回廊を開くことを決定した。」とロシア国防省は4月3日遅くに述べました。
トルコの貢献を取り上げない西側メディア
ロシア側から人道回廊を脱出中に攻撃されるのでは無いかと不安に思うマリウポリ市民にとって、今回トルコから提案されたトルコ軍が安全を保証する脱出路はまさに彼らが待ち望んでいた物だと思います。
トルコ軍がその脱出路の安全を保証するのであれば、ロシア軍もそう簡単には手を出せません。
大変素晴らしい貢献をトルコが行っている様に思いますが、西側メディアでは、このニュースのみならず、トルコ政府の和平プロセスにおける貢献は冷たく取り扱われています。
これは紛争を長引かせたいと西側諸国の一部が思っているか、自分たちを差し置いてトルコがうまく和平を調停してしまうと、面目丸潰れになると思っているのかいずれかだと思うのは筆者だけでしょうか。
トルコ政府にも欧米が批判する様な問題があるのは確かですが、ことウクライナ紛争に関しては、他国を凌駕する貢献度を示しており、そこは正当に評価すべきと思います。
最後まで読んで頂き、有り難うございました。