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新婚カップルの数が7年で半減した中国

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中国のアキレス腱

中国の習近平主席は米国を抜いて世界最強の国になる事を目指している様ですが、多くの識者が指摘しているアキレス腱があります。

それは、中国の少子高齢化がもたらす弊害です。

この点について、中国の政府系英字紙である環球時報が興味深い記事を掲載しました。「Chinese population of first-marrieds halves over the past 7 years, indicating extremely low birth rates」(中国の初婚人口は過去7年で半減 - 極端に低い出生率)と題された記事をかいつまんでご紹介したいと思います。

環球時報記事要約

中国では、過去7年間で初婚のカップルの数がほぼ半減しました。

これは、出生率が非常に低くなる事を示しています。

専門家は、若いカップルがより多くの子供を持つことを奨励するために、より低い不動産価格と有利な住宅ローンを実現する政策が必要であると示唆しました。

 

公式報告によると、新生児の数と密接に関連している初婚のカップルの数は、2013年の2,385万人のピークから、2020年には1,228万人に減少しました。

一方で、中国の結婚登録数は、2013年の1,347万から2021年には763万に減少しました。

中国の大手旅行代理店Trip.comの会長であるジェームズ・リャン氏はオンライン記者会見で、結婚率の低下は農村部と大都市の両方で見られると語りました。

公式報告はまた、結婚する中国人夫婦の年齢が大幅に上昇したことを示しました。

中国東部の安徽省では、2021年の初婚登録の平均年齢は33.31歳でしたが、2008年は26歳でした。

2021年における中国全体の初婚の男性と女性の平均年齢はそれぞれ31.89歳と30.73歳でした。

安徽省の結婚の遅れは、日本や韓国などのアジアの先進国よりもさらに高かったため、衝撃的だったとリャン氏は語りました。

安徽省は中国で最も進んだ州ではないため、北京や上海などのより進んだ地域での初婚年齢はさらに高くなり、結婚率と出生率が低下します。

中国では結婚適齢期の人口が減少し続けており、子育てにかかる高額な費用も初婚年齢を押し上げています。

このような高額な費用は、若者の結婚意欲を低下させます。

専門家は、2番目または3番目の子供がいるカップルに対して、住宅ローンの利息費用の50〜100%を払い戻すべきだと示唆しています。

リャン氏は、出生率を改善するための重要なポイントは、女性の社会的地位を高め、キャリア開発を改善することであると述べました。

統計によると、女性がより高い社会的地位を享受している北欧諸国では出生率が高いことが示されています。

中国の抱える深刻な問題

中国の少子高齢化は今後急速に進むと言われていましたが、これほどまでに深刻な状態とは想像していませんでした。

7年間で新婚カップルの数が半減とは尋常ではありません、

一人っ子政策が若者の人口を少なくした一因だった訳ですが、それ以外にも子育て費用や不動産価格の急騰が若者に結婚を躊躇わせる原因になっている様です。

少子高齢化は間違いなく、経済のブレーキ要因になりますし、この問題を解決するために、不動産価格を政府が抑制しようとすれば、不動産バブルで沸く中国経済が一気に腰折れする恐れがあり、中国はジレンマを抱えていると言えます。

米国をはるかに上回る経済成長率を実現していた中国もこの問題を克服しなければ、米国を凌駕する事は難しいかもしれません。

米国が先進国の中で唯一人口が伸びている国である事を忘れてはなりません。

 

一方、こういう自国の問題を中国の政府系新聞が取り上げるところは、この国が問題を何でも隠蔽しようとする国ではない事を表しており、中国にはまだ自浄能力があると感じられます。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。