MIYOSHIN海外ニュース

世界の役立つ情報をわかりやすくお伝えします。

マクロンを猛烈に追い上げるマリールペン(仏大統領選)

f:id:MIYOSHIN:20220406224850j:plain

右翼の候補者支持率高める

フランスの大統領選挙が目前に迫ってきました。

現職のマクロン大統領が有利と言われてきましたが、最終局面に入って、右翼の国民戦線党首マリーヌ ル ペン女史が猛烈に追い上げていると報じられています。

この人、5年前の大統領選でも決選投票でマクロン大統領に苦杯を舐めましたが、その時の公約にEUそしてユーロ圏からの離脱を国民投票にかけるというものがありました。

今回、この公約は取り下げている様ですが、この人が大統領になれば大きな変化がある事は間違いありません。

フレグジット(英国のブレグジットをもじった言葉でフランスのEU離脱を指す)の可能性も囁かれ始めました。

仏紙Les Echosが​​「Marine Le Pen prend le risque d'un « Frexit » de fait」(フレグジットのリスクを実質的に取りかねないマリーヌ ル ペン)と題した記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Les Echos記事要約

「Frexit」は本当にないのでしょうね? 2017年の大統領選挙での彼女の苦い敗北の後、マリーヌ・ル・ペンは、ユーロとEUからの離脱に関する国民投票を行うという彼女の公約を放棄することを決断しました。

しかし、現在の公約リストにも、基本的なヨーロッパの原則を侵害する多くの事項が含まれています。

「表現はより洗練されていますが、彼女の公約は自国中心主義で、それは言うまでもなく「フランスのEU離脱」につながる可能性があります」とジャック・ドロール研究所の副会長であるクリスティーヌ・ベルジェは主張します。

マリーヌ・ル・ペンは、EU加盟国がEUの要と見なしている4つの自由の内2つに疑問を投げかけることを躊躇しません。

一つは物の移動の自由ですが、彼女は詐欺を回避するため商品の「国境管理」を行う音を主張しています。

「これが加盟国間の輸入制限に相当する場合、それはEU条約によって明らかに禁止されています」と、ロベール・シューマン財団のブリュッセル事務所の責任者であるエリック・モーリス氏は言います。

 

一方、人の移動の自由も影響を受けます。

マリーヌ ル ペンは、シェンゲン協定の改革を提唱しています。

ここでも欧州の原則に反して、彼らは「国境管理の撤廃に変えて欧州連合加盟国の市民のための簡素化された手続きを行う事を再交渉する必要があります」と主張します。

 

言うまでもなく、それはヨーロッパ市民の社会的権利へのアクセスを制限したいのです。

彼女が欧州法に対するフランス法の優位性を確立しようとすれば、EUの柱の1つを弱体化させます。

「ポーランドはすでに同じことを行っており、その結果、ポーランドに対して侵害訴訟が提起されています。マリーヌ・ル・ペンがこれらすべての原則から逸脱したいのであれば、彼女はフランスを同様に訴訟にさらすでしょう」とエリック・モーリスは強調します。

彼女はEU予算へのフランスの貢献を一方的に削減したいと考えており、2021年に開始された大規模なヨーロッパの救済基金の資金源の一部として割り当てられたたヨーロッパの炭素税を自国で管理しようとしています。

 

Rexecodeの研究責任者であるEmmanuelJessuaは、「マリーヌ ル ペンが大統領になれば、強い経済的影響と市場への大きな不信を伴うと強く警告しています。

ポピュリストの台頭

一昔前までは極右の候補者がフランスの大統領選で決選投票に残る可能性などありませんでした。

中道右派の共和党か中道左派の社会党の候補者が大統領になるというのがお決まりでしたが、米国と同様に欧州でもポピュリストの候補者が幅を利かす様になってきました。

フランスにポピュリスト政権が誕生し、EUから離脱なんていう話になれば、EU自体の骨組みが崩壊しかねません。

対露経済制裁なども彼女が大統領になれば、棚上げされかねませんので、今度の大統領選は欧州の歴史を大きく変えるかもしれない選挙となりそうです。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。