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米国五輪団が採用した深い睡眠を得るための10則

競技前夜の睡眠の重要性

パリオリンピックが終了しました。

選手の活躍を支えるのは何よりも睡眠ですが、選手たちは時差ボケと戦いつつどうやって十分な睡眠を確保したのでしょうか。

香港紙のSouth China Morning Postが「米五輪チームの指導者が唱える最高の睡眠のための10則」と題する記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

South China Morning Post記事要約

多くのアスリートにとって睡眠は悩みの種だ。

2015年の調査ではオーストラリアのトップアスリート283人のうち、64%が過去1年間で「競技前夜の睡眠不足」に悩まされていた。

​​​​米五輪代表チームのアドバイザーを務めるスポーツ生理学者ジェフ・バーンは「睡眠の質を高めるコツ」として次の10項目の対策を勧めている。

  1. スリープ・シフティング

時差ボケを防ぐために、出発前に睡眠と食事の時間を到着先の時間帯に合わせる。東への移動のほうが西への移動よりも調整が難しい。

  1. 大事なイベント前に睡眠貯金

大きなイベントの1週間ほど前から、追加の昼寝を取るか、少し早めに就寝して睡眠時間を蓄積する。

  1. 悩み事を書き出す

予定した時間に悩み事について考える時間を設けることで、夜間の不安を軽減しやすくなる。

やり方は至ってシンプルで、左側に心配事を書いて、右側に解決策を書く。

  1. ブルーライトの遮断

ブルーライトを遮断する眼鏡を着用して、メラトニンの分泌を妨げる光から目を守ろう。

  1. 日光浴

昼間に屋外で日光を浴び、体内時計をリセットする。

  1. 朝の散歩

朝、外で10分間の散歩をして、その後すぐに朝食をとる。

  1. カフェイン・昼寝・アルコールの制限

午後2時以降はカフェイン禁止、午後3時以降は昼寝禁止、夕食後はアルコール禁止。

禁酒をすると睡眠の質はより高まる。

  1. 睡眠日記の記録

睡眠パターンを把握しやすくするため、睡眠日記をつける。

だが睡眠アプリなどに頼りすぎると、睡眠スコアを過度に気にする症状に陥るリスクもあるので要注意だ。

  1. 就寝前の温かいシャワー

冷たいシャワーを浴びると皮膚温度が下がり、脳は体温低下を防ぐために深部体温を上げる。

そのため、眠りの質が悪くなりやすい。

就寝1時間前に温かめのシャワーを浴びるのが良い。

  1. 涼しい寝室

体温を適度に下げるのは、深い眠りの絶対条件だ。

パリ五輪の選手村にエアコンがないことを知った米国のオリンピック委員会は、パリにエアコンを送った。

五輪の成績は支援スタッフのサポート次第

筆者も数年前からFitbitという腕時計型デバイスを使って睡眠スコアを毎日記録しています。

経験から言えば、上記の10の法則は概ね正しいと思います。

ただし睡眠貯金を1週間前から行うという点についてはどうかなと思います。

毎日同じ時間に就寝する事で安定した睡眠が得られるので、睡眠時間を早めることにはリスクがあります。

また、一般人にとって重要な一項目が欠けています。

それは適度な運動です。

アスリートは毎日運動していますからこの項目は外れたものと推測しますが、一般人にとっては必要不可欠です。

筆者の経験から言えば最も効果が高いのは就寝1時間前の入浴です。

選手村にはシャワーしかないのでこの点については触れていないのですが、入浴で深部体温を上げ、体温が下がる際に深い睡眠に入りやすいというのは実感しています。

それにしても米国の選手団は恵まれていますね。

パリの選手村にエアコンが無かったことを知った米国オリンピック委員会は即座にエアコンを送ったというのはさすがです。

日本の水泳陣が今回成績が芳しくなかったのは、片道40分もかかる場所に宿泊所を設定し、行き帰りのバスにエアコンが付いていなかったのを放置したからだと言われています。

選手がメダルを取るか取らないかはこういう細部にかかっている様な気がします。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございます。